皆さんはどのくらい貯金がありますか?
転職や独立、退職など先のことを考えると、貯金は誰にとっても重要な問題です。そこで普段の生活意識を少し変えて、貯金ができる習慣を身に付けましょう。
「早い時期からお金と向き合うことは、人生における最も重要な危機管理です」と語るのはAll About「預金・貯金」ガイドの鈴木弥生さん。今回は鈴木さんに、20代から貯金するためにしておくべき7つのことを教えてもらいます。
貯金の習慣を身に付けて、自己投資資金に!
そもそも、20代のうちから貯金を意識することはなぜ大事なのでしょうか。
「20代にとって、退職後のことなんて、まだイメージできないかもしれませんが、いまの20代の将来はかなり厳しいのが現実です。
現在、年金は65歳での支給開始に向かって移行中ですが、先進国では67~68歳での支給開始に向けて移行中の国が多く、日本も遅かれ早かれ、支給開始年齢はさらに引き上げられることでしょう。
ということは、現在の20代は、70歳くらいまで年金がもらえず、現役で働く必要があるかもしれません。そのため、20代のうちにお金を貯める習慣を身に付けておき、将来のための自己投資に使えるようにしておくことが必要だといえます」(鈴木さん)
20代から貯金するためにしておくべきこと
続いて、鈴木さんに20代から貯金するためにしておくべきことを聞きました。
財形や自動積立で貯める仕組みをつくる
「確実に貯められる一番の方法といえば、何と言っても給与の天引きです。貯められない人にとって、給与天引きは知らないうちにお金を貯められる貯蓄の秘策。ぜひ活用したいものです。
『財形』とは『勤労者財産形成貯蓄制度』のことで、勤務先が金融機関と提携することで、社員が給料やボーナスから天引きでお金を貯める制度。引き出し手続きが煩雑だったり、種類によっては引き出し目的が限られますが、利率や利息への税金などに優遇があります。
しかし、財形貯蓄は勤務先が制度を導入していないと加入できせん。まず勤務先に給与天引きの貯蓄制度がないか確認し、勤務先に財形貯蓄がない場合は、銀行の自動積立定期預金を活用するといいでしょう。財形貯蓄と同じ感覚で貯められます」(鈴木さん:以下同じ)
必要なお金を1カ月ではなく1年で考える
「貯金をするためには実現可能な予算立てをすることが大切です。そこで大事なのは必要なお金を年単位で考えることです。
月単位で予算立てすると、冠婚葬祭などイレギュラーな支出で破綻をきたしてしまうことがあります。特に、20代は結婚式の『ご祝儀破産』をしてしまう人も多いようです。そのため、まずは1年単位で負荷のかからない予算立てをすることが、無理なく貯金するコツです」
早寝早起き
「生活リズムを早寝早起きに切り替えるのも貯金の習慣のひとつです。
夜は食事の誘いやショッピングなど、散財してしまいやすい時間です。その点、早起きは三文の得と言うだけあって、朝早く出社するほうが、仕事の効率もよいですし、朝は電話や会議もないため仕事もはかどります。
また、朝活などの勉強会が流行していますので、勉強する機会も増やせるはずです。早寝早起きは浪費する時間をカットして、生産性を向上させる手っ取り早い手段といえるでしょう」
小銭貯金をする
「小銭貯金も節約生活の基本です。もちろん1円玉、5円玉を貯めていくことも大切ですが、まとまった金額を目指すなら、効果的なのは500円玉貯金でしょう。
ただし500円玉貯金は貯まるスピードは早いのですが、あまり無理をするとお財布が苦しくなってしまい続きません。500円玉でお釣りをもらおうという努力はせず、お財布にある500円玉は貯金箱へという自然体で続けることがポイントです」
会社へはお弁当やマイ水筒を持って、無駄な飲食代をカット
「食費を1週間で1,000円節約すれば1カ月で4,000円。無意識に買ってしまうペットボトルをやめて、マイ水筒を持参すれば最低でも2,000円。飲み会を1回やめれば3,000円。といった感じで、浪費している飲食代を見直せば1,000円単位で貯金していくことができます。
若いうちは“付き合い”も大切ですから、飲み会や会食代をカットするのは難しいと思います。しかし、誘いを断る勇気も大切です」
帰り道に“目的なく”駅ビルやコンビニへ寄らない
「コンビニや100円ショップなど、ついつい目的以外のモノを買ってしまいそうな店、勢いでモノを買ってしまいそうなセールシーズンの百貨店やSCなどへは行かないという心がけをしましょう。
節約という観点に立つと、ムダな買い物をしないことは、食費を細かく管理するよりもストレスが少なく効果大。安いから買うのではなく、必要だから買うという考え方ができるようになると、自然と節約ができます」
お財布の中を定期的に整理する
「財布の中のお金を把握することは、支出のバランスを自覚することにつながります。加えて、いつ、何に使ったのかが整理できていると、無駄遣いも少なくなります。
貯められないという人の家計簿を見ると、必ずといっていいくらい『使途不明金』が多いです。何に使ったか分からないということは、絶対に必要なものではない可能性が高いはず。そのため、お財布の中を定期的に整理して、自分の支出を確認、分析するよう習慣化すると、自然と節約することができるでしょう」
貯金ができない人は、必要なものの見極めができない人
最後に、貯金ができない人の生活習慣もお聞きしました。
「貯金ができない人は、必要なものと無駄なものが選択できていない人です。必要なものを取捨選択することが、一番の節約でありお金を貯められる人になる秘訣。以下のような項目に心当たりがある方は注意が必要です。
・イベントに誘われると断れない
・『安い』、『お得』という言葉に弱い
・自分の部屋や会社のデスク周りが散らかっていて、何があって、足りないのか把握できていない
上記の項目に該当するようでしたら、必要なものを見極められるよう努力して、無駄を省くスマートな生活を心がけましょう」
まとめ
いかがだったでしょうか? 貯金の習慣はあなたを理想のキャリアに導くための資本金を生み出します。こちらの記事を参考に、今一度あなたのお金の使い方を見直してみませんか?
著者プロフィール
鈴木弥生(すずき・やよい) All About「預金・貯金」ガイド。編集プロダクションを経て、フリーランスの編集、ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在は節約から金融商品、年金などお金に関するテーマで雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)
※この記事は2015/11/16にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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