年収360万円だといくら引かれる?いまさら聞けない「所得税」と「住民税」の仕組み

毎月の給与から引かれている所得税と住民税。二つの違いをしっかり言えますか?理解していないと損することがあるかも!?税理士の麻生尚紀先生に、会社員が知っておくべき所得税と住民税について聞きました。

 


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所得税と住民税の違いは?

大きくは2つあります。

<所得税と住民税の違い>
■納付先
所得税:国
住民税:お住いの地方自治体

■計算方法
所得税:その年の所得に応じて
住民税:前年の所得に応じて

それぞれについて、これから詳しく説明していきます。

所得税ってなに?

会社員が支払う税金のうち、「所得税」が最もイメージがわきづらいのではないでしょうか。それは、所得という聞きなれない言葉のせいもあるはず。まずは、所得税にまつわる用語を理解していきましょう(ここでは会社員の話に絞って解説します)。

・収入…会社から支払われるお給料のこと
・所得…収入から経費や法律で定められた各種控除を引いたもの

所得税とは、個人の所得に対して、一定の税率で国から課せられる税金のことです。

所得税は税務署に納める必要がありますが、会社員の場合、会社が所得税を計算して給与から前取りし、代わりに納めてくれます。これを、「源泉徴収」といいます。

払いすぎた所得税は「年末調整」で返ってくる

源泉徴収は前もって一律の計算で引かれるため、本来引かれるべき所得税より多く引かれている場合があります。支払い額が多かった場合に、差額を調整して還付することを、「年末調整」といいます。

会社員でも、自分が養っている家族がいたり、住宅ローンを払ったり、あるいは生命保険や医療保険に加入していたりするならば、年末調整で還付される場合があります。年末調整をするときに、人事など担当者に相談して、自己申告しましょう。

所得税の税率はどうやって決まる?

所得が増えるごとによって、所得税率も増えます。

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会社員や年金受給者以外は、原則として自ら所得税額を計算して納税する必要があります。日本に住所がない方など、特殊な環境にある場合には上記と異なる取扱いが法令で定められているケースがあります。

住民税ってなに?

所得税に比べると、少しイメージがつきやすい住民税。しかし、自信をもって説明できる人はそう多くないはず。

住民税とは、前年の個人の所得に対して課せられる地方自治体の税金のことです。

会社員は、毎月の給与などの支払いの際に、各月の徴収額を差し引かれます。なお住民税は、前年に確定した税額を、翌年6月~翌5月までの12回に分割して徴収します。よく「新卒より2年目の方が、税金が高い」といわれるのは、新卒時に徴収される住民税の金額が「前年の所得に応じて計算される」ため。つまり、学生時代の所得額が元になっているから、その分少なく済んでいるのです。

所得税と異なり、住民税は、既に確定した前年分の住民税額を後から分割して徴収するもののため、還付は発生しません。

住民税の税率はどうやって決まる?

所得に税率を乗じて計算するので、所得が増加すれば住民税額も増加します。ただし、自治体によっては例外もあります(詳しくは各自治体のHPなどを確認しましょう)。

なお、現在の住民税率は、都道府県と市町村分を併せて一律10%の自治体が多いですが、住んでいる自治体によっては異なる税率が適用されるケースもあります。

ここで具体的なモデルケースを紹介します。

たとえば、社会人3年目、東京都新宿区でひとり暮らしをしているAさんの場合。Aさんの年収を360万円と設定すると、年間でかかる所得税は108,500円、住民税は211,000円と算出できます。

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所得税と住民税の違いで気をつけておくべきことは?

所得税は国へ、住民税は地方自治体へと、別々に納税するもののため、必ず双方の税金を支払う必要があります。

さらに会社員は、所得税は前取りで源泉徴収され、住民税は前年の所得を基に後取りで差引かれる、ということを知っておきましょう。特別に収入が良かった翌年の住民税額が高い!と驚くケースもあるので、心構えが必要です。

所得税と住民税、それぞれの違いを理解できたでしょうか?会社任せにせず、年末調整で損をしないように気をつけましょう!

【監修】
麻生尚紀●税理士/認定支援機関。大学卒業後に小規模税理士法人、中規模コンサル法人にて勤務。

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2008年 税理士登録
2010年 開業
以来、過去の勤務経験を生かして小~中規模法人の税務会計業務に特化対応中。

文=田中ラン
編集=五十嵐 大+TAPE

 

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