グルメエンターテイナーのフォーリンデブはっしーが語る「好きを仕事に」料理する方法

お米ソムリエの資格を持ち、肉料理を中心に“0TR(オン・ザ・ライス)”できるオカズを求めて全国を食べ歩く、フォーリンデブはっしーさん。

グルメエンターテイナーのフォーリンデブはっしーが語る「好きを仕事に」料理する方法

お米ソムリエの資格を持ち、肉料理を中心に“0TR(オン・ザ・ライス)”できるオカズを求めて全国を食べ歩く、フォーリンデブはっしーさん。

趣味はズバリ「食べること」。そんな彼がおいしい店を厳選したグルメブログ「イエス!フォーリンデブ」は、その情報の正確さや、ユーモア溢れる文章で読者のハートと胃袋をわしづかみにし、ブログPVはなんと月間200万PVを記録! 「はっしーが『おいしい』と言っているなら間違いない!」と大人気のブログとなりました。

そんなはっしーさんのオススメ、西麻布の高級焼肉割烹「けんしろう」で、グルメに対するこだわりや、好きを仕事にするための方法などお茶わん大盛りに伺いました!

食をエンターテインメントに昇華する「グルメエンターテイナー」とは


-グルメエンターテイナーというお仕事の肩書きについてですが、まず、一日に何軒くらいのお店を食べ歩いているのですか?

朝はお取り寄せで、昼夜はすべて外食なのですが、一晩で1~2軒はまわります。多いときは4軒まわることもありますね。年間に700軒以上は食べ歩いていますので、今までに6,000~7,000軒のお店を食べ尽くしてきました。もはやライフワーク…いや、ライスワークですね。

-すごい! 具体的にはどんなお仕事内容なのでしょうか?

一言で言うと「グルメをエンターテインメントに昇華する」活動をしています。具体的に言うと、ブログの運営はもちろんなんですが、実は「グルメエンターテイナー」以外にも肩書きが20個以上あるんですよ。

Jリーグのグルメ大使、おにぎり大使、「肉フェス」「全国餃子祭り」など食イベントの応援団長、お米ソムリエ、BBQインストラクター、陸前高田市の返礼品選定委員、農水省のフードアクションニッポン三代目アンバサダーなど、食に関するさまざまな活動をしています。肩書きマニアではないですけど、肩書を負うことでそれぞれのグルメ活動に責任も感じています。

食べ物が大好きで「食に感謝したい」という思いから、グルメ・食にまつわる入り口の企画をはじめ自分が発信するところまで、すべてワンストップサービスで行い、食を通じて日本を元気にするような、食をエンターテインメントに昇華して広げていく活動をしています。

学生時代の青春は「食」だった


-はっしーさん、おちゃらけていても実はすごく真面目ですよね。グルメエンターテイナーを始めるきっかけは何だったのでしょうか?

中学から大学まで柔道部だったのですが、高校までは男子校です。だから唯一の楽しみといえば、練習終わりの「食」くらいだったんですね(笑)。男友達とガッツリ飯を食べながら絆を深める…それが僕の青春でした。

学生時代はお金もなかったので、電車賃を削って、歩いて路地裏の安い定食を探し歩く…いや、お腹が減っていたので小走りで探すことが日課になっていました。その頃から、嗅覚というか、お店を開拓することが得意になっていたと思います。

-それが社会人になってからヒートアップしたと。

ええ。大学を卒業して、社会人になって収入を得るようになってから、ますます食に興味を持ちまして。お給料のすべてを食費に投じる勢いでしたね。趣味もないので、着るものもこういうTシャツくらいしかない質素な生活で(笑)。

イエス!フォーリンデブ★のロゴがとてもキャッチーなTシャツ。



食のための情報を集めるのが得意、と言えるくらいグルメブログマニアで、社会人1年目から、すでに20~30のブログをブックマークして毎日見ていました。ただ、ブログにも良しあしがあるんです。

あるブログは面白いのにグルメの情報があまり入ってない。逆にすごくしっかり情報を載せているけどお店に対して上から目線だったり、ひたすら分析ばかりで、読んでいて気持ちが乗ってこない…とか。だったら自分で理想のブログを書こう!と思って出来上がったのが、あの“デブログ”です。今から7~8年前なので、その頃は既に社会人5年目でした。

グルメブログ(デブログ)へのこだわりは…


-そんなデブログ(失礼!)で、日本一のグルメブロガーと呼ばれるようになったのですよね。ブログを書く上で、大切にしていることは何ですか?

ブログにおいては、あくまで情報として整った上での「エンタメ」だと思っていますので、まずは情報を整理することが前提です。例えば、メニュー表は必ず載せる、料理はお皿全体が入る俯瞰の写真を載せる、そこに料理名と値段を書くようにしているので、この料理がどのぐらいのボリュームで、いくらなのかという情報まで入るように考えてますね。

-さすがですね! ブログに反響が出始めたのはいつ頃からですか?


始めてから2~3年でしょうか。読者数、アクセス数が増えたのと、僕がオススメしたお店に行ってもらって「本当においしかったです!」と感謝してくれる声をいただくようになったときは、すごくうれしかったです。

昔は食べログからの流入も多かったけど、今はそうでもなくて、ダイレクトに検索して来てくれているようです。例えば、ここのお店でいうと、「西麻布 けんしろう」って入力すると、上位に出てくるんです。たしかに、パッと見たときに「何だ、このフォーリンデブって?」って思いますよね(笑)。

-たしかにビジュアルを含め、キャラクターが立ってますけど、キャラ作りも意識してますか?

「食をエンターテインメントに昇華する」ことが僕のミッションですので、キャラは大事だと思っています。ちなみに大学時代の体脂肪率は7%でしたが、今はおかげさまで35%になりました。努力の成果ですね(笑)。あんまり大きな声では言えませんが、こう見えてもジムに通ったり、朝はフレッシュの青汁やミドリムシを飲んで健康に気をつかっているんですよ。

-えぇ~!?

目指すは「健康的なデブ」。そう唱えるはっしーさん、超ポジデブ!



だって、不健康そうなデブが食べていたら、料理がおいしくなさそうに見えるじゃないですか。だから「健康的なデブ」を目指しているんです。デブをもっとポジティブに捉えてほしいという願いもあります。

食べるときは、糖質オフとかネガティブなことを考えず、原点に立ち返って、もっと純粋に本心のままに食を楽しむと、より人生が明るくなるんじゃないか? そんなメッセージも込めて、ポジティブなデブ、略して「ポジデブ」を提唱しています。

イエス!フォーリンデブが伝授するSNSの活用術


-ポジデブ(笑)。ただ食べているだけではなく、日々そんな努力もされているのですね…。感動しました。ブログと並行して各種SNSも有効に活用されてますよね?

そうですね、SNSは役割を分けながらグルメを起点に情報を発信しています。ブログって自分でアクセスしないと見られないじゃないですか。だから今の時代に果たして合っているのかどうか、疑問だったりするんです。SNSはタイムラインで流れてくるので、あれは一つの接点だと考えています。

ツイッターは“デブのつぶやき”程度に使っていますが、インスタグラムはおかげさまで好評ですね。インスタは「グルメアルバム」という役割にしていますので、人物は写真に入れず、料理だけの写真にしてフォトジェニックでポップな感じを心がけています。

-SNSを活用する上で注意していることはありますか?

SNSに限らず、読んでくれる相手の立場になって考えることが大事なのではないでしょうか。コミュニケーションと同じですね。インスタならどんなものが若年層に求められてるのかな?と考える。10行の長文を入れても読みにくくなって遠ざかってしまいますよね。

一応、フェイスブックも含め、すべてはブログに集約されるように導線を作っていますが、ブログを読んでもらわなくてもいいんです。僕が「グルメブロガー」を名乗ってないのはそこで、グルメをエンターテインメントに昇華するというミッションを果たすために、それぞれの人に合わせた接点(SNSやブログ)を持てばいいのではないかと。「発信」は一つのアウトプットにすぎないので、そこに執着する必要もないと思うんです。

はっしーさんの話には、脂がしっかりノッていました。



-SNSなどツールをどうやって使いこなせば「自分らしさ」や「個性」を表現できるのでしょうか?

SNSだけに注目しちゃうと、その人自体がうすっぺらに見えてしまう。いかに自分が熱中できることで、どのように人生を広げていけるかが大事だと思います。僕の場合、食を通じて人生とおなかまわりを広げる“ウエストワイドストーリー”を考えたときに、初めてSNSというツールが出てくるわけで。自分の熱量、つまり別訳するとカロリーですが、熱量を持つことで芯と深みのある“肉厚”な情報が発信できるのではないでしょうか。

はっしー流「好きを仕事にする」ために大切なこと


-ちょいちょい「デブ語」を絡めてきますね(笑)。どうすればはっしーさんのように、好きなことを仕事にできるのでしょうか?

好きなことを見つけるのって、結構難しいことですよね。僕も昔は自分の好きなことや熱中できることを求めて、北京大学に短期留学した経験から中国語講座に通っていた時期があって…。いろいろと迷走していましたが、その探そうとする過程が重要だと思うんですよ。手探りで探していると、自然と引っかかるものがあるから。それを見つけてからの人生の広がり方ってすごいものがあると思います。僕はここ5年間で人生が劇的に変わりました。

好きなことだし、そこに熱量があるから受け止めてくれる人たちもたくさんいるし。その熱量がないと受け止めてもらえないんですよ。本気感みたいなところですね。

-好きなことはあっても、どうすれば仕事につながるか分からず悩んでいる人に、アドバイスをお願いします。

好きなことって、最初は会社の仕事とは別のものになってくると思うんですね。でも、仕事も好きなことも同じように頑張ってみてください。そしてまずは実績をひとつひとつ作ること。実績があれば見え方も変わります。

僕も会社員をやりながらですが、ブログやSNSが好評を得たり、雑誌やテレビに出たり…と環境が変わったことで、まわりの人の見る目も変わって、応援してくれるようになったんです。だからまずは、会社やまわりの人が応援してくれるような力をつけることが大事だと思います。

笑顔がチャーミング、かつジューシー。



自分で言うのも何ですが、僕も相当苦労しました。でも最初に「会社に頼らない自分の人生の力をつけたい」という決意が入り口だったんです。ただ単に食が好きだからブログ書こうって始めたわけじゃなくて。自分を表現する場所、そして自分の熱量を可視化する場所としてブログを捉えていた。だからこそ、仕事が終わったあと毎晩遅くまでずっとブログを書き続けられる、熱量がそこにありました。

まさに継続は力なり。まぁ、食べてるだけですけどね(笑)。ブログの記事もおなかまわりのお肉もいろいろ蓄積しちゃって(笑)。僕の場合は、食を追求したことによって、それが人生を通して趣味としても仕事としても広げていけるようになりました。仕事や会社は人生の幅を広げるツールじゃないですか。やりたいことを仕事というツールを使って、より規模を大きくしていけるのは魅力的だし、ありがたいことだと思ってます。

-そんなはっしーさんを自己評価するとしたら、食べログでいうと5点満点中、何点ですか?

初めて聞かれましたね(笑)。う~ん、3.1点くらいでしょうか。というのも、食べログの3.0~3.3の間には、名店が眠っているんです。そこのゾーンは激アツだと思っていて。僕はまだまだ未熟というか、もっともっと頑張らなければならないので、今のファンの人たちを大切にしながら未来に向けて力を蓄えているところです。

500円で人気店のまかない飯が食べられる!「anまかないフェス」

 


西麻布「けんしろう」のお店の前でイエス!



-ちなみに、11/10(木)~13(日)に中野セントラルパークで開催される、人気店のまかない飯が500円で食べられる「anまかないフェス」にも参加されていますよね?

そうなんです! この野外グルメフェス、出店するお店がとにかくすごいんです。例えば、ここ「けんしろう」も出店しますが、「けんしろう」は普段は1万円以上握りしめないと行けない、西麻布の高級焼肉割烹なんです。でも、「anまかないフェス」ではその肉料理がなんと500円で食べられる。1万円あれば20皿楽しめるんですよ!?(笑)。ほかにも、名古屋から東京に今年進出して連日大行列の「味仙」や、あの「Eggs ‘n Things」も野外イベントに初出店するという奇跡!

実は今回「まかない」というキッカケで、飲食業界を一緒に盛り上げていこうという、社会的な意義もあるんです。今、飲食業界はなかなか若い人材が集まりません。飲食店はバイトから始めて店長になる、という流れがありますので、人が集まらないというのは、今後の飲食業の未来に大きく関わることでもあります。

この「anまかないフェス」をきっかけに、飲食業界で働く素晴らしさを伝えていきたいですね。この主旨に共感したので、僕も応援団長に就任しつつ、名店もセレクトしました。全ステージでMCを務めて盛り上げる予定ですので、もちろん全力投球、いや全肉投球でがんばります!

まとめ


「食を通じて日本を元気に」というテーマを掲げ、食をエンターテインメントに昇華するべく日々、走り(食べ)まわるフォーリンデブはっしーさん。最後に「世知辛い世の中ですけど、食べているときって、みんなが笑顔じゃないですか。その素晴らしさを、食を通じて世界に広げていくために、お米を片手にコミュニケーション、いやコメニケーションを続けていきたいですね」と話してくれました。

ぜひ「anまかないフェス」で、はっしーさんイチオシのグルメとおいしい時間を堪能してみてはいかがでしょうか?

an まかないフェス」とは? 「あの人気店の“まかない飯”を食べ尽くせ!」を合言葉に、今話題の人気店の“まかない飯”をワンコイン(税込500円)という安さでお楽しみいただける4日間の野外グルメイベントです。人気の全15店舗の個性あふれる“まかない飯”が中野に集結! 応援団長のフォーリンデブはっしーさんや、応援団の「食べあるキング」をはじめ、スペシャルゲストも多数登場します。詳細は特設サイトをご覧ください。

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識者プロフィール


フォーリンデブはっし

お米ソムリエの資格を持ち、肉を中心にごはんのオカズを求めて全国を食べ歩く、グルメエンターテイナー。グルメ界のトップブログ「イエス!フォーリンデブ★」を執筆し、フジテレビなどで「日本一のグルメブロガー」として紹介される。テレビや雑誌で活躍する他、サッカーJリーグ、肉フェス、全国餃子祭り、宇都宮餃子祭り、ツールド東北などのグルメ大使も務める。昨年のミラノ万博では、おにぎり大使として日本館ステージに立ち、農水省のアンバサダーにも就任するなど、食の魅力を国内外に発信している。

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※この記事は2016/11/08にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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