あなたは自分から積極的にあいさつをしていますか?
明るく爽やかなあいさつがスマートにできる人は、はたから見ても自信に満ちているように映るので、社内外での信頼や評価、さらにはビジネスチャンスまで多くのものを得ることができるはず。
そこで今回は日本サービスマナー協会の認定講師の森良子さんに、あいさつの基本や押さえるべきポイントについて、ご寄稿いただきました。
良好な人間関係を築くために、最初のステップとなる「あいさつ」。気持ちのいいあいさつで、あなたの第一印象をアップさせましょう!
あいさつで大事な三つのポイント
人は初対面の人に対し、インスピレーションで第一印象を判断します。ある研究では、「表情」「身だしなみ」「あいさつ」など、視覚から得る情報55%により、ものの5~10秒程度で人は相手を判断しているという結果がでています。このことからも、あいさつはとても重要で大きな役割を果たすことがご理解いただけるのではないでしょうか。
では、初対面でも毎日でも、あいさつの印象をぐんとあげるポイントを三つに分けてお話ししましょう。
①「あいさつ」の基本を見直すこと
まずは以下の4点を意識しましょう。
い いつも …気がついたらいつでも声をかけましょう。
さ 先に …先輩後輩、上司でも部下でも関係なく率先してあいさつを。
つ 続けて …プラスαの声かけ「おはようございます、今日は寒いですね」など。
誰にでもできることだと思われるかもしれませんが、最初は意識していても、時間が経つと基本を忘れがちになります。毎日、心がけてみてくださいね。
②あいさつする相手にしっかりとアイコンタクトを取ること
せっかく気持ちのいいあいさつをしても、相手に届いていなければ意味がありません。
「あなたにあいさつをしていますよ」という気持ちをしっかり込めて、あいさつの前、そしてあいさつの後にしっかりと相手の目を見るようにしましょう。
③TPOに合ったあいさつをすること
ビジネスシーンにおいては、相手やシーンに沿ったあいさつをすることがとても重要。上司や取引先の方、先輩・後輩など自分と相手の関係で変える必要があります。立場に合った適切な表現ができていることが大切。
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相手別に使い分ける初対面での「あいさつのコツ」
ビジネスシーンにおいても、相手によってあいさつを使い分けていく必要があります。それでは先ほどお伝えした三つのポイントを押さえた上で、上司、同僚、お客さん、それぞれの関係性において実際にどのようなあいさつをすればいいのか、初対面時のあいさつのコツについてお伝えしていきましょう。
ケース1.会社の経営陣や上司
「初めまして(初めてお目にかかります)
このたび〇〇に配属されました○○と申します。
ご指導、ご鞭撻の程よろしくお願いいたします」
ポイント:なによりも大切なのがこのファーストコンタクト。最初のあいさつで良い印象を持ってもらうことができれば、今後、社内での関係性がとても良好になります。初対面では少しでもいいところをアピールしたいと、ついつい抱負や思いを長々と語りがちになりますが、仕事の中でしっかりと成果を出していけばよいので、簡単なあいさつのみで十分です。期待を寄せたくなるような、前向きでパワーみなぎるあいさつで好印象を持ってもらいましょう。
ケース2.先輩や同僚
「初めまして、このたびは◯◯に配属されました◯◯です。
ご指導お願いいたします! いろいろとアドバイスお願いします」
ポイント:基本的には先輩も前述の上司同様に目上の人、という意味では同じですので大きく変わることはありませんが、仕事を一緒にやっていく仲間という意味で親しみを感じてもらうことが大切です。明るく元気に、親しみやすい雰囲気を意識しましょう。
ケース3.お客様
「お世話になります。このたび、御社を担当させていただくことになりました◯◯と申します。至らない点があるかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます」
ポイント:まずは顔と名前を覚えてもらうことが目的ですので、短く簡潔なあいさつを心がけましょう。良い第一印象を持ってもらうためにも、アイコンタクトをしっかり取り、笑顔でハキハキとあいさつをすることが大切です。
気づいたら声をかけて好印象! 毎日使えるあいさつのフレーズ
ここでは、普段から仕事で人と接するときに、さまざまなシチュエーションで使えるあいさつのフレーズをいくつかご紹介します。先ほどお伝えした三つのポイントを押さえながら、正しいフレーズを使ってあいさつをすることで、あなたの印象はグッと良くなるでしょう。
【社内編】
・廊下などですれ違ったとき
「○○さん、お疲れ様です」
ポイント:上司や年長者に「ご苦労様」という表現は失礼にあたりますのでご注意を!
・離席・外出時に声をかけるとき
「~~に行ってまいります。~時まで離席します」
・帰社したとき
「ただいま戻りました」
・質問や依頼などで声をかけるとき
「恐れ入りますが、◯◯していただけますでしょうか?」
ポイント:クッション言葉+依頼形で伝えるよう心がけましょう。クッション言葉は文章体の雰囲気をやわらかく伝える効果があります。そのため、依頼や断りなどの場合でもやわらかい印象を与え、相手への配慮や気遣いを示すことができるのです。
このほかに、「お手数ですが」「よろしければ」「ご迷惑をおかけしますが」「差し支えなければ」「失礼ですが」などがありますので、積極的に取り入れてみましょう。
・報告事項があるとき
「恐れ入りますが、◯◯の件でご報告がありますのでお時間20分ほどいただけませんでしょうか?」
ポイント:クッション言葉+依頼形+報告に必要な時間を具体的に提示しましょう。
・退社をするとき
「お先に失礼いたします」
【社外編】
電話や二回目以降にお会いするお客様へのあいさつ
「お世話になっております」
まとめ
私たちは幼いころからあいさつの大切さについて教えられてきました。あいさつは小さな子どもから高齢者の方、さらには共通言語を持たない外国の方など、すべての人がつながっていく上で欠かせないコミュニケーション。そして、人間関係を構築していく上でもなくてはならない、言わば人としての基本でもあるのです。
あいさつには「心を開きその心に近づく」という意味があります。つまり、あいさつとは互いの心を開いて距離を少しずつ縮めることで、相手との関係をより良くしていくということなのです。ただあいさつをすればいいというものではなく、大切なのは言葉にしっかりと気持ちをのせること。一言ひとこと、心を込めたあいさつをしてくださいね。
(寄稿:森 良子/編集:東京通信社)
識者プロフィール
森 良子(もり・りょうこ)
国内航空会社に客室乗務員として入社、約10年間国内線国際線の乗務にあたり、多くのVIPのサービスを担当。また社内の新人育成、教育にも携わる。現在は日本サービスマナー協会の認定講師として、客室乗務員の経験やスキルを活かした企業の新入社員教育、ビジネスマナー、接遇講座、日本語セミナーをはじめ面接指導など学生の就職支援活動も行っている。
また、TBS日曜劇場「IQ246 華麗なる事件簿」では俳優ディーン・フジオカ氏のマナー全般の指導と監修を行い、番組ホームページ内でマナー講座の連載を担当。直近では朝の情報番ZIPにてマナー解説を行うなどメディア出演も多数。単調になりがちな研修のイメージを一掃すべく、ライブ感のある受講者参加型の講座には定評がある。
日本サービスマナー協会 http://www.japan-service.org/
※この記事は2018/01/18にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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