なぜか社員が仕事に夢中になる、“ゲーミフィケーション”の秘密

誰しも一度は、時間を忘れてゲームに熱中してしまった経験がありますよね。毎日の仕事も同じように、熱中できるくらい楽しかったらいいのに……。

なぜか社員が仕事に夢中になる、“ゲーミフィケーション”の秘密

誰しも一度は、時間を忘れてゲームに熱中してしまった経験がありますよね。毎日の仕事も同じように、熱中できるくらい楽しかったらいいのに……。

「そもそも多くの人がゲームに熱中するのは、単に面白いからだけでなく、ゲームの中にそれだけの仕掛けや仕組みがあるからなんです。人がゲームに熱中する要素を応用した仕組みは“ゲーミフィケーション”と呼ばれ、2010年以降、この手法を企業活動に応用する流れが、IT業界を中心に広がってきているんですよ」

と、教えてくれたのは、ループス・コミュニケーションズの岡村健右さん。“ゲーミフィケーション”とは具体的にどのような仕組みなのでしょうか?

「例えば、ゲームの始めに目的を提示することで、プレイヤーのモチベーションは高まりますよね。そしてそのプレイヤーにちょうどいい課題を設定し、クリアしたら、また先ほどより少し難しい課題を用意してあげる……。この繰り返しで、ユーザーのモチベーションは維持されやすくなります。また、最近のソーシャルゲームでは、ランキングの仕組みを取り入れることで、プレイヤーは周囲より上のランキングに行きたいという気持ちに駆られ、より長い時間プレイするようになります」

言われてみれば、確かに多くのゲームには共通して、難易度別にステージがあったり、ゲームのスコアがランキング化されていたりという仕組みがありますよね。では、企業が“ゲーミフィケーション”の要素を取り入れるメリットとはなんでしょうか?

「仕事の成果を“見える化”することで、社員のモチベーションが高まり、生産性が上がる効果が期待できます。受注や売上と連動して報奨金を得られるような給料体系を構築したり、『壁にランキングや売上に関するグラフを作成して、契約を取ってきたら印をつける』といった制度も“ゲーミフィケーション”の一例です。最近ではこのような事例に加え、営業成績以外の貢献度を評価する制度を導入している事例が増えています」

そこで、“ゲーミフィケーション”を取り入れている企業の事例を、岡村さんに挙げてもらいました。

事例1:Facebook社(アメリカ)


社員同士の「いいね!」で、モチベーションアップ&目標管理
Facebook社はFacebookの「いいね!」やコメント機能を社内ネットワークにも導入しています。上司からのコーチングといったフィードバック機能はもちろんのこと、功績に応じてバッジやポイントが贈られる制度もあり、社員のモチベーション向上に一役買っているそうです。

事例2:株式会社モスフードサービス


店舗と本社の垣根を越えてビジネスアイデアを共有できる環境に社内SNSを利用
モスバーガーを運営する株式会社モスフードサービスでは、社内SNSに『Spigit』を採用しました。「未来のモス」の店舗やメニューのアイデアを募るコンテストを実施したり、SNS参加状況に応じたポイントを記念品と交換するなど、社員の会社に対する関心を引きつけるための企画を実践しているようです。

「仕事は大変なもの」という認識が、時代とともに「仕事そのものを面白いものにすればいい」という流れに変わってきているのかもしれないですね!


(識者プロフィール)
岡村健右(おかむら・けんすけ)/in the looop編集長。ループス・コミュニケーションズにて社内SNS、コミュニティ立ち上げ事業の営業、コンサルティングに従事。専門分野は社内ソーシャルネットワーク(社内SNS)、ゲーミフィケーション。著書に「ゲームの力が会社を変える」(日本実業出版社)がある。
HP:http://looops.net/

※この記事は2013/10/25にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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