ピボットテーブルとは? 何ができるの?
ピボットテーブルとは、膨大なデータを集計したり、分析したりできるMicrosoft Excel(以下、Excel)の機能。
関数や数式を使わないのもポイントで、Excel初心者にも使いやすい強力なツールです。
これを活用すれば、売上分析や勤怠管理、データのグラフ化など、面倒な作業があっという間にできてしまいます。
ピボットテーブルの使い方【基本編】
それではまずピボットテーブルの基本的な使い方を理解していきましょう。
◆ピボットテーブルを使うための条件
まず、ピボットテーブルを使うためにはデータベースを用意しなくてはいけません。売上実績や支払い履歴など、集計・分析したいデータを準備します。
なお、ピボットテーブルを正しく使うためには、元のデータに対して以下の3つの条件を整える必要があります。
【ピボットテーブルの3条件】
・1行目にタイトル行がある
・2行目以降のデータが連続している(途中に空白行がない)
・データ以外に何か入力されている余計なセルがない(データと隣接していなければ大丈夫)
◆ピボットテーブルを挿入する方法
データが整ったらピボットテーブルを挿入していきます。やり方はカーソルをデータの上に合わせて(データ上ならのどこでもいい)、「挿入」タブ→「ピボットテーブル」を選択するだけ。
すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。
表示されているデータ範囲が正しければ、OKボタンをクリック。元データの隣にピボットテーブルのシートが新しくはき出されます。
◆ピボットテーブルの構成要素を知る
表示されたピボットテーブルのシートについて説明をしたいと思います。
1. レポートフィルター:一部のデータのみを表示させることができます
2. 列ラベル:横軸を表します
3. 行ラベル:縦軸を表します
4. 値エリア:数値が表示される部分
5. 作業ウィンドウ:表示させるデータをここから選びます
ピボットテーブルの構成要素は大きく分けて上記の5つ。基本的な使い方は、作業ウィンドウ内に表示されている項目を1~4のエリアにドラッグします。
たとえば、商品ごとの売上が見たければ、行ラベルに「商品名」、値エリアに「金額」にドラッグします。そうすると以下のように商品の合計金額が表示されます。簡単ですよね。
逆に、表示させたくない不要な項目は、行・列・値に入っている項目をドラッグ・アンド・ドロップで戻してあげればその項目を削除できます。
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ピボットテーブルの使い方【実践編】
それでは、先ほどのデータを使ってもう少し具体的な活用例を見ていきましょう。
◆月別の売上をまとめる
たとえば、商品ごとの月別の売り上げを見たいときには、以下のようにすれば売上を時系列で表示します。
今回の例は月ですが年間・半期・四半期になってもやり方は変わりませんので、このような時系列のピボットテーブルはいろいろな場面でよく使われます。
【ドラッグする項目】
□ 列ラベル:月
□ 行ラベル:商品名
□ 値エリア:金額
これに少し手を加えて、行ラベルに「年」を追加すると以下のように年別・月別の売上も見られます。前年との比較をするときには、この形が便利です。
【ドラッグする項目】
□ 列ラベル:月
□ 行ラベル:商品名、年
□ 値エリア:金額
ちなみに、項目の順番によっても表示のされ方が変わってくるのもポイントなので覚えておきましょう。集計・分析したい内容に応じて、項目の組み換えをおこないます。
◆データを五十音順・大小で並べ替える
ピボットテーブルにデータを表示する際、そのままだとデータの並びに規則性がなく見づらい表になってしまいます。データを集計・分析しやすくするため、並べ替えもやってみましょう。
以下のデータの行ラベルを並べ替えたい場合は、「▼」マークのボタンをクリックし、「その他の並べ替えオプション」を選択します。
「売り上げの低い商品を上から順」に並べるのであれば「昇順」を選択、「売り上げの高い商品を上から順」に並べるのであれば「降順」を選択します。
売り上げの場合は降順のほうが見やすいので、ここでは「降順」を選びます。さらに、売り上げの合計金額を基準にしたいので、内容も「合計/金額」に変えましょう。これで合計売上順に商品が並びます。
◆お店ごとの特徴・売れ筋を分析する
お店ごとに「どの商品が売れているのか」「どういった特徴があるのか」といったこともピボットテーブルなら以下のように簡単に分析ができます。
営業担当者別や支店別、部署別など、属性が変わっても、同じように集計可能です。
【ドラッグする項目】
□ 列ラベル:カテゴリー、商品名
□ 行ラベル:店舗
□ 値エリア:金額
さらに「ピボットグラフ」という機能を使うことで、もっと視覚的に見やすくする方法もあります。
呼び出し方は「ピボットテーブルツール」→「分析」→「ピボットグラフ」です。
「ピボットグラフ」はピボットテーブルの内容を自動的にグラフ化してくれるツール。ただの数字の羅列よりも、内容をより直観的に把握することができます。
◆レポートフィルターを使って個別の情報を見る
レポートフィルターは、抜き出したい情報だけを見たいときに使います。
たとえば、「ハンバーグの売上がよくないので詳しくデータを見たい」という場合。レポートフィルターに商品名をドラッグして、「ハンバーグ」だけを選びます。
するとハンバーグに関する情報だけを表示させることができるようになります。
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知っておくと得するピボットテーブルのチョイ技
それでは最後に、覚えておくと得するピボットテーブルのテクニックを紹介したいと思います。
◆ピボットテーブルの自動調整機能を無効にする
ピボットテーブルには「データを組み替えるごとに列と幅の自動調整する機能」が備わっています。
基本的には便利な仕様なのですが、時々この自動調整が邪魔になることがあります。そんなときはこの機能を無効化しましょう。
やり方は、ピボットテーブル上で右クリックをして、「ピボットテーブルオプション」を選択します。
そうするとダイアログボックスが現れるので、「レイアウトと書式」タブ内にある「更新時に列幅を自動調整する」のチェックを外します。
こうしておけば、いちいち列の幅を元に戻さなくて済みますのでぜひ試してみてください。
◆百万円単位、千円単位など、ピボットテーブルの表示桁数を整える
「データの数字が大きくて、表が見づらい」という場合には、表示させる桁を減らすこともできます。さきほど同様、ピボットテーブル上で右クリックをして、「値フィールドの設定」を選びます。
そして、表示されたダイアログボックス下の「表示形式」を選択し、分類内にある「ユーザー定義」を使います。右側の種類のボックスに「#,##0,」と入力すれば完了です。
◆完成イメージがなければ、「おすすめピボットテーブル」機能を使ってみる
どの項目をどのエリアにドラッグすればいいのか分からなければ、「おすすめピボットテーブル」を活用しましょう。元データの内容をExcelが自動的に判断して、おすすめの集計方法を提案してくれます。
まずはこれを使ってみてから自分なりに項目を組み替えていけば、慣れていない方でも簡単にピボットテーブルが使えます。
使い方は「ピボットテーブルツール」→「分析」→「おすすめピボットテーブル」です。
◆ピボットテーブルでは日付の扱いはちょっと特殊
これまで見てきたデータは年や月が別々のセルに入力されていました。それらは「数値」として認識されていましたが、これが「日付」になると少しだけ扱い方が変わります。
元のデータベースに日付データが含まれている場合、ピボットテーブルでは「年」「四半期」「月」などグループ化されて表示されるようになります。もし四半期や年が不要であれば、通常どおり項目をドラッグで外せば見たい項目だけを表示できます。
日付の自動グループ化は便利なのですが、1日単位でデータを見たいという時には不便です。日付ごとのデータを表示したい場合は、「グループ解除」を行いましょう。行ラベルのどこかにカーソルを合わせて左クリック→「グループ解除」を選択すると、行が日付に変わります。
また、以下のように「グループ解除」ではなく「グループ化」を選択して、自分で表示したい項目を選ぶこともできます。
ピボットテーブルの使い方は簡単!どんどん活用して業務効率化を図ろう
ピボットテーブルは、データ分析・集計時にとても強力な味方になってくれるツールです。一見難しそうに思える機能ですが、慣れてしまえば簡単です。
使い方次第でさまざま場面で利用できるので、まずは使ってみることを意識して、積極的に活用していきましょう。
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