言葉というものは本当に不思議で、同じ単語なのに時と場合によってその意味が大きく異なる時があります。特にビジネスの現場では、「えっ、そんな使い方するの?」と驚くことも少なくありません。
そこで今回も、新入社員として覚えておきたいビジネスカタカナを集めてみました。一つずつ、ご紹介していきます。
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新入社員として覚えておきたい、よく使われるビジネスカタカナ語
ショート|short
「ショートカット」や「ショートパンツ」など、日常生活では主に「短い」という意味合いで使われることが多い「ショート」。
ところが、ビジネスの世界では「(目標に)到達していない、足りていない」という意味合いで使われること多いです。
そのため、営業職の会議などでも耳にする機会が多いのではないでしょうか。
【使用例】
社員A:今期の目標予算に対して、現在●●円ほどショートしています。
タイト|tight
もともとタイトには「ぴったりしている」「隙間が無い」という意味合いがあります。
そこから転じて、ビジネスでは「ギリギリ」「キツイ」「余裕がない」という、どちらかというとネガティブな意味を持つようになりました。
特に「スケジュールに余裕がないこと」を意味する「タイトスケジュール」は、よく使われます。
【使用例】
社員A:明後日までに資料をお願いできますか。
社員B:かなりタイトなスケジュールですね…。
ナレッジ|knowledge
主に「知識」「知見」を意味するナレッジ。ビジネスの現場でもおおよそ同じ意味を持ちますが、中でも業務に役立つ知識を「ナレッジ」と表現することがあります。
また、同じ組織内で各々が持つ知識を共有することを「ナレッジを共有する」。そうすることで組織全体の力を底上げしていくことを「ナレッジマネジメント」と言います。
【使用例】
上司A:出向先での仕事はどうだった?
部下B:はい、新プロジェクトに役立つナレッジを貯めることができました。
ペイ|Pay
「支払う」という意味の英語から生まれた、「ペイする」という表現。
「ペイ」という単語は最近話題になっているキャッシュレス決済のサービス名によく含まれているので、ついついそちらを連想する人も多いかもしれません。
しかし、ビジネスの現場では少し意味が異なり、「投資金額と採算が合う」というニュアンスへと変化します。
「ペイする」という言い回しは、お金を投資するかどうか、広告を出稿するかどうかといった議論で耳にする機会が多くなるでしょう。
「(投資をしても)割に合わない、損をする」という意味である、「ペイしない」と一緒に覚えておくと良いですね。
【使用例】
社員A:新商品の開発には、結構な投資が必要だなあ。
社員B:この投資額だと、これくらい売上があればペイできるのでは?
メソッド|method
メソッドはビジネスの現場において、特定の目的を達成するための「方法」「うまいやり方」という意味で使われています。
その中でもとりわけ、多くの人が実践できて、何をすれば良いか具体的に整理されているものを「メソッド」と呼びます。
前述のナレッジと少し雰囲気が似ていますが、ナレッジはあくまで「知識」「知見」といったものであり、メソッドとは異なります。しっかり押さえておきましょう。
【使用例】
社員A:売上が全然上がらなくて困った……。
社員B:営業部の佐藤さんが作った「佐藤メソッド」が評判らしいよ。
ボール|ball
ボールは元々の意味と、ビジネスでの意味が大きく異なる例の一つです。どんなスポーツの球技でも、ボールを持った選手は何かしらの行動を起こしますよね。
そこから転じてか、「ボールを持つ」と言えば、「(その業務を)担当する、行っている」という意味を持つようになりました。
同様に「今、誰がボールを持っているの?」と言えば、「誰がその業務を担当しているの?」、「彼にボールを投げといて」と言えば、「彼にその業務を進めるように依頼しておいて」となります。
実際のスポーツ同様、一人が持てるボールの量は限られています。あまり多くのボールを抱えないようにしたいですね。
【使用例】
企業A:あの件って今、どうなっていますか?
企業B:すみません、今は御社にボールがあるという認識でした。
グローバル化が進む現代、「日本語」「英語」といった言語の境界線は今後ますます曖昧になり、新しい言葉や表現も次々と生まれてくるでしょう。
その流れに飲まれてしまわぬよう、しっかりとポイントを押さえておけると良いですね。
【よく使われるビジネスカタカナ語まとめ】
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