フォロワー28万人以上!タニタの「中の人」はどんなことを考えてはたらいている?

ツイッターの中の人はどんなことを考えて日々ツイートをし、仕事をしているのでしょうか。今回は、タニタ公式アカウントの“つぶやき”を担当する「中の人」にお話を伺いました。

フォロワー28万人以上!タニタの「中の人」はどんなことを考えてはたらいている?

2011年1月24日、ある企業のツイッター公式アカウントがうぶ声をあげました。「皆様、はじめまして」と始まるごく平凡なツイートこそ、のちに28万人以上(2019年7月時点)からフォローされることになる「株式会社タニタ公式アカウント」の記念すべき第一声でした。



企業公式とはいえ、タニタ公式アカウントでは商品を紹介するツイートは多くの企業公式アカウントほどは見られません。唐突に「焦るんじゃない、俺は腹が減っているだけなんだ」などつぶやきますが、そんな「ゆるさ」が人気の一つとなっています。



同アカウントは、タニタ現社長である谷田千里氏が三代目として就任し、ニコニコ動画を利用した動画コンテンツを約1年間がっつり制作したのちに、「テキストだし費用も0円。とりあえずやってみよう」という軽い気持ちでツイッターを始めたのだとか。

現在はツイッター以外にもそれぞれ担当を設けてYouTubeチャンネルでの動画配信、インスタグラム、フェイスブックなども活用して情報を発信。SNSの活用法は他社からも注目されていますが、中の人はどんなことを考えて日々ツイートをし、仕事をしているのでしょうか。

今回は、そのタニタ公式アカウントの“つぶやき”を担当する「中の人」にお話を伺いました。

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「常にアンテナを張っていないと、ネタが尽きる(笑)」



――早速ですが、日々のツイートに商品はあまり出てこないし、社長のオフショットなども多く見られますが、投稿する上で意識されていることはありますか?

中の人:ツイッターではあまり宣伝したくないんですよ。宣伝って面白くないし……(笑)

なので常にアンテナを張ってネタ探しをしています。弊社の商品は1年間で発売される点数が他企業ほど多くないのと、体組成計もリニューアルはしますけど画期的に新しい項目が増えるとかもあまりありません。何か他のことも考えないともたないんですよ。ネタが尽きる(笑)



中の人:私は広報ではない部署にいるのですが、プレスリリースなどオフィシャルなところは広報がやっているので、そうじゃない伝え方をしたいと思っています。拡散されて面白がっていただければ、タニタのことを好きになってもらえるかもしれない。そういうことはツイッターならではだと思います。

家電量販店に行った時にタニタのことを思い出してもらうにはどうしたらいいか。ファン作りのためにSNSを活用、地盤作りをしています。

――想定外にバズってしまったなど、印象に残っているツイートはありますか?

中の人:プリクラを撮りに行った時ですかね。5万リツイートいったらプリクラを撮りに行くと宣言して。当時、歌手の清水翔太さんがやっていて、そのオマージュでした。



中の人:そうしたら早い段階で3万ぐらいいってて……。次の日に撮りに行きました。情報が広まっているなかで、一人でプリクラを撮りに行くのは大変でした。(プリクラって)男性一人じゃ撮れないところが多いじゃないですか。そのときはセガさんも見てくれていて、こんなツイートをしてくれました。



中の人:でも申し訳ないけど、ここには行けなかった(笑) もしお店に話が通っていなかったら変なことになっちゃうかなって、心配で。その近くのゲームセンターにたまたま男性一人でも撮れる機種があったのでそこに行きました。すごくソワソワしながら(笑)

 

「面白いから買っちゃった、続けてたら健康になっちゃった」くらいを目指したい



――企業改革の一環で最近フリーランスになったとのことですが、いかがでしょうか?

中の人:フリーランスにはなったのですが、入社したばかりの社員がいるのでそのサポートもしなくてはいけません。なので朝は普通に会社に来ています。そして、とりあえずツイッターで「おはようございます」と必ず言うようにしています。これは無理してでも続けていこうと思っています(笑)



――ツイッターは現在の業務のどれくらいを占めているのでしょう。

中の人:だいたい2割くらいです。残りの8割はコラボ企画など、新規事業を担当しています。例えば、私の同僚が担当しているのですが、セガさんが発売しているゲームに対応するコントローラー「ツインスティック」を、クラウドファンディングで資金を集めて作ったり。体組成計に限らない、タニタとして新しくできることを推進していくのが私のミッションです。



――コラボ企画はどのような狙いで行われているのでしょうか?

中の人:例えば体組成計に乗らないおじさんがいるとして、子供の時にセガサターンが好きだったとします。そしたらセガサターンデザインの体組成計をつくる。そうすると、「え、セガサターンの体組成計あるの?」と買ってくれて、そして乗る、ということを私たちはしたいんです。

日常的に体組成計に乗らない人に向けて、何かお客様の好きなモノの力を借りる。そういうきっかけで乗ってもらえることを企画して、普通じゃないものを作って新しいお客様にお届けしたい。それで継続して(体組成計に)乗るという習慣をつけてもらえればと思っています。

「はかり続けることで頑張って健康になる」というよりは「面白いから買っちゃった、せっかく買ったから乗ってみよう、ということを続けてたら健康になっちゃった」みたいな、ゆる~い感じを目指しています。

先ほどあがったセガさんのほか、タミヤさんとのコラボなどを通して、いろんな世代の方に″はかる“きっかけをつくり、それが結果的に健康につながっていくと思います。

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「やりたいことや夢は、ラスボスを倒すことに似ている」



――仕事を頑張る若手ビジネスマンに伝えたいことはありますか。

中の人:どうせ仕事をするのだったら、仕事に面白みを見出すようにするとちょっとは楽しくなる気がします。10個仕事をしてその全部が面白いわけではないと思うのですが、そのうち1個ぐらいはやってよかったと思えるものがあると思います。それがいつしか10個のうち3個とかになる。そうすればちょっとは気がラクになるでしょうし、成果が出たら自信もつく。チャレンジもしやすくなるのではないでしょうか。

――日々のツイートと一緒ですね。10回ツイートしても全部がウケるわけではないですし。

中の人:球を打つこと、打席に立つことが大事ですよね。「やらない」ことってあるじゃないですか。それはやらないのではなくて、「やれない」と感じているからだと思うんですよ。でも、できることを小さいことでもやっていくと、必ず経験値はついてくる。できる時が来る。コツコツやっていると、できることの幅が広がってくると思います。

やりたいことや夢は、ラスボスを倒すことに似ていると思っているんです。最初は難しすぎて倒せない。でも準備をしておくことは大切。若いうちから、そういうことがいつか成果になると思って頑張っていくのが大切だと思います。

――ありがとうございます!つぶやきだけでなく、多くのことを考えられていることがわかりました!

中の人:ただ面白いことをつぶやけばいいわけじゃないんです。周りの人からよく「ツイッター楽しそうでいいね!」って言われますけど、全然そんなことはなくて、めちゃくちゃ大変なんです。誰もわかってくれないけど(笑)

――大変ですね……!最後に気になったのですが、プライベートのアカウントも持っているのですか?

中の人:一応あるんですけど、やる気はまったくしないですね(笑)

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社長とコラボカフェに行ったり、他社公式アカウントやフォロワーとゆるく交流を続けたりするタニタ公式ツイッター。中の人は男性で、ツイート同様に物腰柔らかく対応してくださる紳士でした。

日々のツイートでは自らも楽しみながら、まるで将来の商品化を見越しているかのようなさりげない発信もしています。私たちはタニタ公式のツイートを読むことで、タニタの歴史が作られていく瞬間を見ているのかもしれません。

これからも中の人がどんな活躍を見せるのか、目が離せませんね!


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