「レベニューシェア」の意味と使い方ー頻出ビジネス用語が2分で分かる!

近ごろ、テレビや新聞・ネットのニュースでも度々聞かれるようになった「レベニューシェア」という言葉をご存知でしょうか? 今回は、難解なビジネス用語の一つである「レベニューシェア」を使いこなして、デキるビジネスパーソンに一歩近づくために、その意味と、使い方を紹介します。

頻出ビジネス用語が2分で分かる! 「レベニューシェア」の意味と使い方

レベニューシェアとは


「レベニューシェア(Revenue share)」をひとことで言うと、事業収益を分配すること。Webサイトの制作を例にとってみましょう。
これまではA社がある事業のためのWebサイトを作りたいと考えた場合、B社に対してWebサイト制作を依頼し、制作に必要な費用の全てを支払うのが一般的でした。

しかしレベニューシェアの場合は、Webサイト制作に必要な費用の一部や全てをB社が賄う代わりに、A社がそのWebサイトから得られる収益をあらかじめ決められた配分率で分配するのです。

このように「収益の分配」を基本としているため、分配すべき収益を明確にしやすいECサイトや、ITソリューションといったシステム開発の現場を中心に導入が進んでいます。

「レベニューシェア」の使い方


まだレベニューシェアという言葉の使い方がよく分からないという人のために、具体的な会話のシーンを通して、その使い方を見ていきましょう!

相談編


A「趣味で作っていたアクセサリーをフリーマーケットで販売したら、思いのほか好評だったよ」
B「それならECサイトでも売ってみたら?」
A「そうだね。だけど自分でECサイト制作はできないし、かといってWeb制作会社にお願いするのも高そうだしなぁ……」
B「だったらレベニューシェアでお願いしてみたらどう?」
A「レベニューシェア?」
B「うん、Webサイトの制作費用や定期的なメンテナンス費用を通常よりも安くやってもらう代わりに、ECサイトの販売利益をAさんとWeb制作会社で配分する方法だよ」
A「いいね! ぜひやってみたいな」
B「うん、ECサイトなら売り上げが分かりやすく数値化されるだろうから、レベニューシェアにも向いていると思うよ」

依頼編


A「自分で作っているアクセサリーの販売用にECサイトの制作をお願いしたいのですが、今回はレベニューシェアで初期費用を抑えて制作をお願いしたいと考えています」
C「そうですね。Aさんのアクセサリーは評判もよく、今後売り上げが期待できますし、フリーマーケットでの販売実績もあり月々の売り上げも予測しやすいので、レベニューシェアで契約させていただけると思います」
A「アクセサリーが売れた場合の配分率は15%程度で考えていますが、初期費用はどれくらいかかりそうでしょうか? また初期のサイト制作だけでなく、定期的なメンテナンスもお願いしたいのですが」
C「売上からの配分率が15%ということでしたら、初期費用は10万円ほどに抑えられると思います。定期的なメンテナンスも、売上から配分していただく範囲内で賄えるかと思います」
A「承知しました。想定していたよりも抑えられて助かります」
C「初期費用を0円に抑えたいとなった場合は、配分率の調整でご相談に応じることができますので、お声をかけていただければと思います」
A「はい、承知いたしました」

レベニューシェアのメリット・デメリット


レベニューシェアには、依頼者と制作者でそれぞれメリット・デメリットがあることも覚えておきましょう。

依頼側


■メリット
・初期費用が抑えられる
・事業から期待した収益が得られなかった場合でも、あらかじめ決められた配分率以上の費用の支払いが発生しない
・成果報酬型のため、依頼先のモチベーションを高く維持できる

■デメリット
・事業から発生した収益に比例して依頼先に支払う費用が増える
・事業の意思決定に対して依頼先との調整が必要になる

制作者側


■メリット
・継続的な収益源を得ることができる
・成果報酬型のため、自社のモチベーションを高く維持できる

■デメリット
・事業の成否に収益が左右されるため、期待した収益を得られない可能性がある

まとめ

 

頻出ビジネス用語が2分で分かる! 「レベニューシェア」の意味と使い方


実際に2014年に大阪市阿倍野区に開業した日本一の超高層ビル、あべのハルカスの入場ゲートで使われているシステムを、レベニューシェアによって導入するなど、身近な場所でもますます注目を集めるレベニューシェア。ビジネスシーンにおける共通語の一つとして、きちんと意味を理解しておきましょう。

※この記事は2015/08/17にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

「ビジネスカタカナ」の記事一覧

「言葉の違い」の記事一覧

page top