聞き上手は仕事上手! 上司に信頼される部下になるための「指示の受け方」

こんにちは。ビジネスマナー講師の金森たかこです。今回は、多くの若手ビジネスパーソンが知っておくとよい「指示の受け方」についてお伝えします。

聞き上手は仕事上手! 上司に信頼される部下になるための「指示の受け方」

こんにちは。ビジネスマナー講師の金森たかこです。今回は、多くの若手ビジネスパーソンが知っておくとよい「指示の受け方」についてお伝えします。

会社での業務は、上司からの指示に始まり、上司への報告で終わるといわれています。つまり、上司からの指示を正しく受け取り、正しく理解することから仕事はスタートするといえるでしょう。

上司と良好なコミュニケーションをとり、的確に業務を進めていくための「指示の受け方」について、みていきましょう。

指示の受け方基本3原則

 

1、明るい声で「はい」と返事


名前を呼ばれたら相手に顔を向け、明るい声で「はい」と返事をしましょう。返事と同時に立ち上がり、椅子は机の下に入れ、メモを持って上司のもとへ向かいます。

明るい返事とキビキビとした動作から、仕事に対する意欲や前向きさが感じられ、上司からの印象もグンとアップするでしょう。

2、必ずメモを取る


ただ漫然とメモを取るのではなく、ポイントをつかむことが大切です。そのためには5W3Hを意識して指示内容を聞き、ポイントを押さえながらメモを取るとよいでしょう。

5W3Hを踏まえて聞くことにより、足りない情報が分かり、的確な質問をすることができます。併せて疑問点もメモしておきましょう。



【5W3H】
・When :いつ、いつまでに

・What :何を(目的)

・Why  :なぜ(理由)

・Where :どこで

・Who  :誰が、誰に、

・How :どのように

・How much :いくらで(値段)

・How many :いくつ(数量)

 

3、復唱確認する


指示を受けた後は、要点を復唱し確認します。特に次の3点は重要です。間違いがないかしっかりと確認しましょう。

1.数字に関すること(期限、金額、数量など)
2.固有名詞(商品名、人名、社名など)
3.指示の結論

最後に、足りない情報や疑問点の確認をします。

ワンランク上の指示の受け方

 

1、指示内容の目的や意図を考えながら聞く


この仕事の目的は何であるのか、意図や理由を考えながら指示を受けましょう。そうすることによって、到達点やゴールが明確になり、自分のすべきことがみえてくるでしょう。

また、上司が何を求めているのか、何を重視しているのかを考えながら聞くことも大切です。それによって、上司が求める期待水準を知ることができるからです。

2、自分から積極的に行動する


いつまでも指示を待っているのではなく、自分から指示を受けに行く積極性も大切です。

また指示通り進めている仕事の途中で、より良いと思われる別のやり方が見つかった場合、上司には相談や提案という形で伝え、新たな指示をあおぐとよいでしょう。

3、指示がメールで届いた場合は、受け取った旨を必ず返信する


最近は口頭だけでなく、電子メールで指示を受けることも多くあります。電子メールは、送った相手に、受けた人がメールを読んだかどうかは伝わりません。電子メールで指示を受けた場合は、指示が自分に伝わったことを必ず返信する必要があります。上司を不安にさせないということも、大切なマナーです。

これはやっちゃダメ! NGな指示の受け方

 

1、相手に顔を向けない


名前を呼ばれたときは相手に顔を向けて返事をします。また、指示を聞いているときも、メモを取ることばかりに気を取られ、ずっと下を向いていることのないよう、適度に相手に目を向けることを忘れないようにしましょう。

2、指示の途中で質問を入れる


人は疑問が生じたらすぐに質問をしたくなるものですが、そこはグッと我慢してメモに書きとめておき、話の区切りのよいところや、最後にまとめて質問をするようにしましょう。

話をさえぎって言葉をはさむと、相手を不快にするだけでなく、話の流れやテンポを崩してしまう可能性があります。

3、いい加減なあいづちを打つ


指示を聞いているときは、適度にあいづちを打ち、相手にしっかりと聞いていることを態度で伝えましょう。しかしながら、あいづちもただ打てばいいというわけではありません。相手の話のスピードに合わせてうなずいたり、話の区切りで「はい」をいれるなど、相手のペースに合わせることが大切です。

ひっきりなしにうなずいたり、「うんうん」「はいはい」「はあ」など、気のないあいづちを続けるのはかえって逆効果であり、相手を怒らせることにもなりかねません。

こんなときどうすればいいの? 困ったときの対応は

 

1、指示が重なった


同じ上司から複数の指示を同時に受けた場合、既に取り組んでいるものがあるときに、新たな指示を受けた場合は、自己判断せず、上司にあらためて優先順位を確認します。

また、緊急事態が発生し、上司に確認する時間がないときなどは、対応すべきことはすぐに行い、その後必ず上司に報告して、あらためて指示をあおぎましょう。

2、直属の上司以外から指示を受けた


直属の上司の不在時に、直属の上司よりもさらに上位者から急ぎの仕事などの指示を受ける場合があります。そのような場合、注意すべき点は次の2つです。

1.直属の上司にも報告する

直属の上司にも指示内容をすぐに報告し、事情を説明します。自分の知らないところで、頭越しに部下が仕事を進めていることが分かれば、直属の上司が不快になるばかりでなく、指示が重複するなど仕事に影響を与える可能性があるからです。すぐに報告し、了承を得ておくことを忘れないようにしましょう。

2.完了の報告は、指示者と直属の上司両方にする

直属の上司も仕事の進み具合は気になっていることでしょう。できれば、指示をした人に報告へ行く前に、直属の上司に先に報告内容を伝え、必要であればアドバイスをもらうとよいでしょう。

3、今の自分にはまだできないと思うような指示を受けた
まだ経験したことのない仕事や、自分には難しいと思うような仕事であっても、可能な範囲で積極的に取り組むとよいでしょう。なぜなら、その仕事に取り組むことによって、あなたが今よりさらに成長していくことを見越し、上司があえて指示を与えている場合もあるからです。

このような場合は、上司に対して、自分から積極的にコミュニケーションをとっていくことが大切です。

分からないことや、疑問点にぶつかったらそのまま1人で抱えこまず、自分から早めに上司に報告し、指示をあおぎましょう。それによって、上司は適切に状況を判断し、再度指示を出したり、アドバイスを与えやすくなります。

まとめ


仕事のスタートそのものでもある指示の受け方は、そのまま話の聞き方にもつながります。つまり、的確に指示を受けられる人は、人の話を上手に聞くことができる人ともいえるでしょう。

聞く力は、今や仕事においてとても重要なスキルのひとつであり、コミュニケーションの要です。
正しい指示の受け方を身につけることで、相手の目的や要求が正確につかめるようになり、その結果、仕事の幅や可能性が広がるかもしれません。指示の受け方をマスターし、ぜひ、スキルアップや上司からの信頼につなげてくださいね。


※この記事は2016/11/25にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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