5年間で1000万円貯めることを目標としている20?30代女性のコミュニティー、それが「富女子会」。約150名いる会員の職業は、会社員、公務員、自営業などさまざまで、決して高給取りの女性ばかりではありません。
しかし、そのうち15名が1000万円以上、35名が500万円以上の貯金を達成しており、なんと3名はアパートまで所有しているそうです。
飛び抜けて収入が高いわけではない彼女たちが、なぜこれほどの貯金を達成することができたのか? そして若いうちから貯金をすることが、女性にとってどれだけメリットがあるのか?
これらの疑問を解決すべく「富女子宣言」の著書であり、富女子会を運営するワイズアカデミー株式会社の代表取締役・永田雄三氏にお話を伺いました。将来への漠然とした不安を抱えている女性の皆さん、必読です!
幸せの定義は「人生に選択肢が多いこと」、若いうちから将来の自分へ投資しよう
20代で1000万円という高いハードルを掲げている「富女子会」ですが、まずは「富女子」の定義を伺いました。
「『富女子』とは『若いうちにお金の知識を身につけ経済的な豊かさを手に入れることによって、他に依存せず自立して生活できる女性』のことです。
ひとつの目安として貯蓄額1000万円と設定していますが、その真意は『選択肢がある人生を送れるようになること』です。私は幸せ=選択肢が多いことだと定義しています。
一般的に男性は『お金』や『地位』を得ることを幸福と感じるケースが多いのですが、女性は一概にはいえず、『深いパートナーシップを育みたい』など価値観がさまざまですよね。だからこそ選択肢が多いことが女性の幸せに通じるはずと考えているのです」(永田雄三さん:以下同じ)
そもそも女性は「出産」という、男性にはないライフイベントを経験する可能性があります。年を重ねるごとに人生のなかで選択する機会が自然と増えるため、どのタイミングでも“選べる状態”にしておくことが大切になるそうです。
そしてもう一つ忘れてはならないのが、「お金の問題は年々深刻になる」という事実。富女子会会員のアンケートを見ると「将来への漠然とした不安」を入会理由として挙げる方がほとんどだそう。こういった女性たちが生まれた背景には、以下の3つの事柄が影響していると永田さんは言います。
1、男性の経済力の落ち込み
2、年金制度の崩壊
3、終身雇用の崩壊
「これらが重なり、漠然とした将来への焦りや不安を抱える女性が増えてきたのだと思います。同時に、消費社会からミニマムな暮らしへ転換する傾向も見られますよね。積極的にお金を使わない人は“ケチ”に見られてしまいがちですが、そうではなく“将来の自分へ投資している”と考えましょう」(同)
貯金の極意は「計画表」と「環境」、そこに富女子会の意義がある
では経済的な自立を目指す富女子の皆さんは、一体どのようにして貯金額を増やしているのでしょうか? 永田さんいわく、貯金の方法は人それぞれとのこと。しかし、その本質はごくシンプルなものでした。
「貯金をするのはビルを建てるようなもので、土台となる『目的』をハッキリさせる必要があります。まず自分がなりたい将来像を詳細にイメージし、その人生を送るためにいくら必要か考えてください。そのうえで『貯金計画表』を作りましょう。毎月の貯金額は最低5万円以上がマスト。できると思った額の1.4倍を目標にしてください」(同)
この計画表は肌身離さず持ち歩くほか、プリントアウトして目に見える位置に貼っておき、潜在意識に働きかけることで貯金への意欲が増していくのだそう。
また、もう一つ大事なポイントが、身を置く「環境」だと永田さんは力説します。
「貯金ができないのは、あなたのせいではなく周囲の人間関係にも原因があります。大きな額の貯金を達成するには『環境』を整えることが欠かせません。たとえば浪費家の友人たちと一緒に過ごす時間が長ければ、当然お金は貯まらない。
ですが、毎月コツコツ貯金している仲間が近くにいれば、マインドが変わり貯金への意欲が自然と湧いてくるのです。富女子会は同じ目的意識を持った仲間づくりが一番の目的。お互いが切磋琢磨することで、より1000万貯金の道へと近づくことができます」(同)
ここで、よくあるOL像を例に5年間で1000万円を貯めるまでのシミュレーションをお願いしました。
・25歳
・職業は事務系で都内勤務の一人暮らし
・年収350万円
・貯蓄額230万円
・家賃:7万
・電気ガス水道通信費:2万円
彼女の場合は、1000万円まで残り770万円。よって1年間で154万円を貯める必要があります。ざっくりした計算だと、以下のような計画になります。
毎月の目標貯金額:7万円
ボーナス月の目標貯金額:35万円
国による年金などに期待できなくなった今、「自助努力が必要な時代」ともいわれ、資産運用による貯蓄の必要性も叫ばれます。これについても永田さんの考えをお聞きしました。
「1000万円が貯まるまでは、下手に株や不動産に手を出さないことをオススメします。なぜなら失敗する可能性が否めないから。それよりも自分が得意な貯金方法を見つけることが先決。節約なのかアルバイトで副収入を得るのか、そのやり方はおのおので決めるべきです」(同)
とはいえ、上記の毎月の目標金額7万円を達成するための、具体的な節約方法は気になるもの。しいてアドバイスするならということで、以下のポイントを永田さんに挙げていただきました。
・会社の天引きをうまく利用する
・食費や交際費などの“変動費”よりも、居住費、公共料金、通信費、保険料、教育費などの“固定費”を減らすことを優先する
・買い物をするときは“必要なもの”か“欲しいもの”かを基準にする
・出費を抑えても時間を犠牲にしない(人間にとって一番大切なのは時間なので、1円でも安いものを求めてわざわざ隣町のスーパーまで行く節約は無意味)
・ポイントカードは極力持たない(カードを持つことによってそのお店に固執してしまうので、必要なものを必要な場所で手に入れるほうが時間を有効に使える)
また、富女子の会員の皆さんが実践されている具体例として、以下のような節約法があるとのこと。ぜひ参考にしてみてください。
・家庭菜園(ベランダでリーフレタスやハーブを育てる)
・美容院のカットモデルに応募(選考に通れば無料?お手頃価格で施術を受けられる)
・1週間分の食材や生活用品をまとめ買いして自炊(外食は極力しない)
こうやって小さなところからコツコツと貯めることが、将来に大きく影響していくのでしょう。
経済的な自立なくして精神的な自立なし、お金の相談はプロか経験者にすべき
計画表を作り環境を整えたら、おのずと自分にあった貯金方法が見つかると永田さんは言います。ただ家計簿をつけることには反対派だそう。
「なかには家計簿をつけて成功する方もいますが、毎日事細かに計算して帳簿につけるなんて考えただけでも疲れませんか? 家計簿をつけるのはカロリー計算をしながら食事をするのと一緒。そんな大変な思いをしなくても、マインドが切り替われば貯めることが苦ではなくなりますよ」(同)
現在、富女子会は東京でイベントが行われるため、関東のメンバーが中心とのこと。遠方に住んでいて参加が難しい方は、どんな人にお金の相談をするべきかアドバイスをいただきました。
「まずは身近な入り口として、お金に関する本を読んで学んでみるといいと思います。そこで共感できるポイントが見つかれば、メルマガに登録するなり、ブログを読むなりして自分からさまざまな角度で情報を取得してみてください。その後、機会があれば実際にセミナー等に足を運んでみるといいでしょう。
ただし無料のものはオススメしません。何か別のところでお金が発生する恐れがあるからです。あとは、年収が高い人や目上の人も適切な相談相手とはいえません。相談すべきは、あくまで貯金に成功している人。稼ぐ能力と貯める能力は違うので、混同しないように気をつけましょう」(同)
最後に、なんとなく経済的な不安を抱えている20?30代の女性に向けて、こんなアドバイスをいただきました。
「経済的な自立なくして精神的な自立なし、私はそう考えています。お金の問題は心理的ストレスに直結しているため、まずは経済的な自立を目指すことを強くオススメします。そのシビアさが身につけば、年を重ねても楽に生きられるはず。
パートナーに経済力を求める声も多いですが、自分に経済力があれば相手の選択の余地が広がります。月収20万の方でもやる気があれば、1000万円は必ず貯まります。ぜひ若いころからお金に関心を持ち、選択肢の多い人生を勝ち取ってください」(同)
貯金という目標があなたの未来を明るくする
永田さんは著書のなかで「人生を豊かにする海外旅行では、節制するよりお金を使うべきだ」と書いています。ただただ節約だけに目を向けるのではなく、心を豊かに保てるものには投資をして、優先度が低いものは出資を極力控えるなど、メリハリをつけるといいのかもしれません。
富女子会に所属し、1000万円を貯めた女性は皆自信に満ちあふれているそうです。貯金力は年収に比例しません。経済的な自立を果たし、真に自由な人生を手に入れてみませんか?
※この記事は2017/03/14にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
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