『人と違うことがしたい』 “わたしにしかできないこと”に挑戦し続ける、モデル武智志穂の仕事観

―『こだわり』と『わがまま』。そのボーダーラインはどこにあるのだろう。

『人と違うことがしたい』 “わたしにしかできないこと”に挑戦し続ける、モデル武智志穂の仕事観

―『こだわり』と『わがまま』。そのボーダーラインはどこにあるのだろう。

10代の頃に関西誌のスナップオーディションでグランプリを受賞し、青文字系雑誌のモデルとして人気を博している武智志穂。

『他人と同じことをしてもつまらない』『課題に挑戦することが好き』―モデルとして前例のないことにも果敢に挑戦し、失敗を恐れずひたすら夢の実現に向けて走り続ける。その彼女の情熱はどこからやってくるのか、今回貴重なお話をお伺いしました。

『こだわり』と『わがまま』は紙一重


(インタビュアー)――現在、武智さんはモデルとブランドディレクター、二つのお仕事をされていますよね。その中で“これだけは大切にしたい” ”大事にしたい”と考えていらっしゃることはありますか?

(武智志穂)「お仕事をしているうちに、人脈というか、人のつながりがすごく大事なんだなって思うようになりました。だから周りの方とのご縁はとても大切にしています。
それと、やりたいことはしっかり口に出す。これがすごく大事。言葉にしておくと『そういえば武智、こんなこと言ってたな』って思い出してもらえて、そういう小さなところからもお仕事につながることがあるんです。
お仕事の中では、自分なりのこだわりも大切にしているのですが、ただ、あまり強く言い過ぎるとわがままに捉えられたりしないかな、って心配になったりすることがあります。こだわりとわがままって本当に紙一重だと思うんです。私たちモデルはセルフプロデュースで、こだわりがないと生き残っていけないんですが、それでも我を通しすぎるとわがままになってしまう…。そのボーダーラインの引き方は、今でも迷うことがあります」

――『こだわりとわがままは紙一重』というのは、色んな人にも刺さるフレーズですね。その中で、“ここだけは譲れない”折れたくない”と思う部分はありますか?

「他の人と同じことをしててもつまらないな、って昔から思っていて……たとえば、最近前髪を短くする子って増えてきているじゃないですか。そうすると、『あ、じゃあ私は前髪伸ばそうかな』って(笑)。メイクとか服装も、周りはこうしているから私はこうしよう、という感じで『人とは違うことをしたい』っていう気持ちが強いんです。そのために日々試行錯誤しながらなので、あってるのかどうかはわからない。でも、すべては結果論だと思うので、今の小さな積み重ねが大事だと思っています。もちろん、それがすぐに結果に出るとは限らなくて、むしろたいがいのことは何年か後にならないとわからないことなんですけど…地道にやり続けていくことが結果になるんじゃないかなと思っています」

――そのために、武智さんが普段から大切にしていることはありますか?

「直感とタイミング、ですかね。悩んでいるうちにチャンスって逃げていっちゃうので、自分のアンテナに引っかかったものには何でも挑戦しています。」

 

『好き』の気持ちが、逆境を乗り越える原動力に


――お話を聞いていると、武智さんはすごくポジティブな姿勢でお仕事と向き合っているように感じます。ポジティブに頑張り続けられる秘訣はありますか?

「こう見えても昔はすごくネガティブだったんですよ。でも私の周りにいる女性の方って、みなさん男性に負けないくらいお仕事をガツガツやっている方が多くて、そういう方たちを見ていたり一緒にお仕事させていただいているうちに『ネガティブって何も生まないな』って気付かされたんです。慎重さも大事だと思うんですけど、考えたり悩んでいる時間が勿体ないというか。ネガティブに考える自分が馬鹿らしく思えてきちゃったんです。
それと、やっぱり好きだからこそ頑張れているということもあると思います。好きじゃないと大前提、頑張っていないと思うんです。だから辞めたいと思ったことも一度もないんですよ。好きだから続けたいし、壁に突き当たっても『負けるか!』って思います」

――逆境があるからこそ燃えることってありますよね!

「はい。燃えるタイプです(笑)逆に、私は壁がないと頑張れないんです。つまらない、って感じちゃう。あと、同じ毎日を過ごすことも無理だなと思います。次から次に『何かしよう』と考えてます。でも、もちろん、その分失敗もたくさんしています。10代の頃に『どうしたら人と被らない可愛いファッションができるんだろう』って、限られたお小遣いで古着を買ってきて自分でリメイクしていたんですけど、今から考えると『よくそんな服を着てたな』って思っちゃうようなものもたくさんありましたね(笑)。

でも、その経験があって良かったなと、今はとても思います。ギャルもB系も古着も…何でも試行錯誤しながらトライしてみた結果が、今の好きなもの、お仕事のルーツになっているんです。だから、トライして、失敗してみないとわからないことって本当に大きいなと思いますね」

 

前例のないことに果敢に挑戦


――武智さんは、これから仕事を通じて成し遂げていきたいことはありますか?

「やっぱりブランドの実店舗を持つことですね。モデルの仕事を始める前から『セレクトショップを持ちたい』という夢があって、今やっとそのスタートラインに立てたところです。まだ実店舗はないので、これからもっと頑張っていきたいと思っています。それと、良い先輩として『青文字系の大人』っていうジャンルを確立してみんながお仕事しやすいようにもしてあげたいですね。今は青文字系の雑誌でお仕事させていただいているんですが、なかなか結婚して子どもを産んで仕事を続けている人がいなくて、前例がないんです。でも、モデルはやっぱり親近感を持ってもらうことがすごく大事だと思うんです。私と一緒に歳を重ねていくファンの子たちも、結婚して子どもを出産して、っていう経験をしていくので、むしろそういうところを求められているんじゃないかなと感じています。まだ手探りではあるんですけど、実際にその方向で雑誌からお声がけもいただけているので、このまま進んでいきたいですね。」

――武智さんはモデルの中でも前例のないことをたくさんされていらっしゃいますよね

「変な話、『やったもん勝ち』ってどこの業界でもあると思うんですよ。やったもん勝ちっていうと軽く聞こえてしまうかもしれませんが、本当に先手必勝だと思います。でも、やりたいと思っても自分一人の力だけではできないことのほうが多いので、周りの方にご協力いただいています。自分一人ではできない仕事だというのはすごく思いますし、感謝を忘れたことはないですね!人と人とのお仕事なので、『この人のためだったら頑張ろう!』という気持ちが、お互いにあることはすごく大事だなと思っています」

――確かにそういう気持ちはとても大切ですよね!最後に、武智さんがお仕事にやりがいを感じる瞬間を教えていただけますか?

「すごくシンプルなんですけど、やっぱり人の笑顔かなと思います。例えばブログとかインスタも、このお仕事をしていなかったらやってなかったと思うんです。でもイベントに来てくれるファンの子たちから『楽しみにしてます!』って笑顔で言ってもらったりすると『頑張ってて良かったなあ』というやりがいを感じますね。
あと、作っているスタッフ同士でもそうだと思います。『良いものができた』っていうときの笑顔!試行錯誤の上にできあがったものを見ると、すごく充実感を感じます。」


※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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