ユーザー同士であれば「LINEして」「スタンプ」「既読」などの用語がほぼ通じ合うほど、私たちの生活で身近な存在になったコミュニケーションアプリ「LINE」。
「LINE」を提供するLINE株式会社が、2017年4月に本社を新宿のミライナタワーへ移転しました。
2013年に商号変更した当時は500人ほどだった従業員数は、4年間で3倍の約1,500人に。その大躍進の秘密を探るべく、広報の河村さんご案内のもと、新しいオフィスにお邪魔させていただきました!
LINEの世界へようこそ!
オフィス受付で私たちを出迎えてくれたのは、受付スタッフと同じ制服を着たかわいいコニー。窓際ではジェームズがスマホを片手に自分の世界に浸っています。
まず目を奪れてしまうのは、奥に鎮座する3.3mもの巨大なブラウン! まるでLINEスタンプの世界に入り込んだかのような空間に、オフィスであることを忘れて誰もがワクワク。
「弊社は、世界中の人と人、そして人と情報、サービスをつないで距離を近づけていく『CLOSING THE DISTANCE』をコーポレートミッションに掲げています。一度サービスをリリースしたから終わりなのではなく、IT企業なので、常にユーザにとってより使いやすいものへと改良しながら変化をしていかなければなりません。
ですから、従業員たちも変化していくことを良しとしている企業です。LINEとして変わらない価値観を『LINE STYLE』と呼んでおり、その中で一番大事にしている部分が『WOW』(驚き、感動)です」(同社広報・河村有紀さん、以下同)
LINE株式会社は世界に3,661人、日本のLINE本社には1,438人(2017年4月現在)もの従業員を抱えています。そのうち20%が外国籍で、日本を入れると22カ国もの人々が在籍し、そのバックグラウンドは多種多様です。
平均年齢は約34歳で、独身、結婚、出産・育児に親の介護など、そのライフステージもさまざま。おのおのの生活を抱えながらも仕事に集中できる環境を提供するために、LINEでは人事制度(ソフトウェア)とオフィス(ハードウェア)の両面を充実させています。
従業員を徹底サポート! 一人ひとりが力を発揮できる制度
「社内には保育園があり、保育者と保護者はLINEを使って子どもの様子や持ち物などを確認し合います」
さらに特徴的なのは、カフェの片隅にある『LINE CARE』。備品のレンタル、パソコン修理など、仕事中に発生する煩雑な手続きをサポートし、社員の困り事全般を解決してくれる専門デスクです。
日本語が苦手な外国籍従業員には、ビザの手続きや不動産の手続き、病院の付き添いまで、仕事以外のサポートも充実、手厚くフォローしてくれる専門部署もあるそう。
まさにかゆいところに手が届くサービスですが、そのほかにも、事実婚・同性パートナーの慶弔規程適用といったボーダレスな制度や、カフェで手軽に健康的な食事がとれるようサラダやスープ、種類豊富なお弁当などが安価で販売されており、心身ともに健やかに過ごせる工夫がいっぱい。
疲れた体をほぐしてくれるマッサージルームは連日予約でいっぱいなんだとか。
年齢を重ねるとともにライフステージや生活環境も変わってきます。仕事以外の生活面や健康面も会社側からの多角的なサポートがあれば、安心して毎日の仕事に取り組めますね。
広々とした巨大カフェ空間
広く開放的なカフェでは、仕事をする人もいれば、コーヒーを片手に雑誌を読む人、畳の上でリラックスする人、ダーツやビリヤードを楽しむ人など、従業員の皆さんが思い思いの時間を過ごしていました。社内には「ビリヤード部」「大人の工場見学部」ほか、文武両道を掲げさまざまな部活が活発に行われているそうです。
「カフェをはじめ、社内の施設ではスマホのおサイフサービス「LINE Pay(ラインペイ)」で支払いができます。社外で従業員同士の飲み会もLINE Payを使えば割り勘機能がありますので、お会計もスムーズにできて重宝してます」
従業員たちが普段使いできるサービスだからこそ、課題を見つけてアイデアを出すことができ、アップデートしていけるのではないでしょうか。ちなみに社内ではこんな使い方もされているのだとか。
「業務連絡もLINEです。各プロジェクトごとにLINEのグループがあり、その中で活発に意見交換したりスケジュールを確認し合います」
自社サービスのLINEは常に身近なサービスであり、生活の一部になっているのですね。
通路や社内コンビニの前、トイレのアイコンまで、至る所にLINE FRIENDSのキャラクターが配置されているのも印象的。
「もし、仕事で嫌なことがあっても、LINE FRIENDSのかわいいキャラクターが身近にいることで、元気をもらったり、少し気持ちが和らいだりするのかもしれません」
従業員の中にはLINE FRIENDSのキャラクターグッズをデスクなどに飾ったり、スマホケースを愛用したりする人も多いそうで、各キャラクターにはそんな魔法の力があるのかもしれませんね。
チームワークを深めて成長するLINE
従業員が働く執務室のデスクは上下昇降式で、立ち仕事も可能。いろいろな国籍の従業員がおり体格もさまざまなため、体型に合った机の高さに自身で調整することにより、業務効率を上げる狙いがあるそうです。また、自席以外で集中して仕事をするための個室も備えたワークラウンジも設置。
防音性のある個室は、電話も常設されており、個人でオンライン英会話レッスンを受けるときなどに活用できます。
近年、日本でもオフィスという枠に縛られないリモートワークという働き方が増えてきましたが、その一方でオフィスの充実化を図る企業もあります。LINE株式会社にとって、オフィスはどのような場所であるべきかを聞いてみました。
「LINEがオフィスづくりで大事にしている点は『とにかく仕事に集中できる場所』であること。弊社は一人の天才によって成長した会社ではなく、地道に努力できる人が多く集まって一つのサービスをつくり、そのチームワークで会社を成長させてきた背景があります。オフィスを充実化させる一つの理由は、そのチームワークを大事にするためです」
誰でも力を発揮して働ける環境を
どんなバックグラウンドを抱えていても、誰であっても、フラットに働ける環境がある。仕事をする上で必要な環境が最適化されている。
それがLINEのオフィスの中を歩いて感じたことでした。
従業員同士のコミュニケーション向上に投資することが、新たなアイデアを生みだすために必要なこと。チームワークで革新を起こしてきた会社の、そんな考え方が至る所に散りばめられていました。
快適なオフィスと働きやすい制度がそろい、生き生きと働く人々がいることが、LINEをはじめ、利便性をかなえる多くのサービスを次々と生み出すヒミツなのかもしれません。
(取材・文:ケンジパーマ/写真:西田周平)
■取材協力
LINE株式会社
※この記事は2017/05/06にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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