【後編】“社員の幸せなくして、会社の幸せは成り立たない”がモットーの多国籍企業・イケア・ジャパンに潜入!

渡島さんの仕事道具を拝見!

【後編】“社員の幸せなくして、会社の幸せは成り立たない”がモットーの多国籍企業・イケア・ジャパンに潜入!

渡島さんの仕事道具を拝見!

この写真だけを見て、「何の職業をしている人でしょう?」とクイズを出題したら、「インテリアデザイナー」という回答は出てこないのでは?……と思える、工具の数々!

イケアのインテリアデザイナーとはどのような働き方をしているのでしょうか? 渡島さんに詳しく伺ってみました!

氏名
渡島彩絵(わたしま・あやえ)
職種
インテリアデザイナー
略歴
高校卒業後オーストラリアに留学。留学中にインターンとして、建築事務所でインテリアデザイナーを経験。当時プライベートで通い詰めたイケアで働きたいと志す。帰国直後、イケアで採用募集があると聞きつけ、採用試験を受ける。現在、渡島さんを含む4人のデザイナーチームでイケア船橋店2階ショールームのインテリアデザインを担当している。

レイアウトの提案から売り場づくりまで、全行程に携わる


--イケアのインテリアデザイナーの業務の特色を教えてもらえますか?
「私たちイケアのインテリアデザイナーの最大の特徴は、お客さまのニーズや悩みを理解した上で、機能的でインスピレーションに溢れるお部屋づくりを提案していることです。CADで図面を作成したりする作業などはもちろんのこと、実際に作り込みの部分まで行っています。IKEA船橋のショールームの売り場は、マネージャーを含む4人で行っています」

--もともと工具に触れたり、DIYのような作業は得意だったのですか?
「いえ、決してそんなことはありませんよ(笑)。むしろドリルを握ったり、壁をペイントしたりは全てイケアで働いてから覚えました。まったくの初心者の女性でも楽しんで作ることができるということがお客さまに伝わるといいなと思っていますね」


--どれくらいのスパンでレイアウトは変わるのでしょうか?
「毎年カタログが変わる8月1日のタイミングで、ショールームの顔となる入口の5部屋の壁や間取りまで全て一新します。ほかにも季節ごとにコーディネーションを変更しているお部屋がいくつかあります。それ以外の部屋に関しては、新しい商品が入ってきたときに要所要所をマイナーチェンジして、お客さまに足を運んでいただくたびに『前に来たときと、また変わっている!』と発見があるような売り場づくりを心掛けています」

部屋づくりのアイデアを提示するために、作業中の様子も「あえて」見せる

 


--常に売り場が変化しているというのは面白いですね。
「実は開店前や閉店後だけでなく、営業時間中もカーテンなどで隠さずに作業を行っているんです。これには、実際に家具を組み立てたり、売り場を作り上げていく様子を見て、お客さまがご自身でお部屋を作るときの参考にしてほしいという想いがあるんです。また会社としては、インテリアデザイナーの業務時間を販売や物流など他部署と同じにすることで、ストア全体の認識を共有するのに必要なコミュニケーションを確保することができます」

--社員同士にもお客さまにも開かれた環境を大事にしているというのは、イケアらしい発想のように感じますね。どのような方針で、売り場を作り上げていくのでしょうか?
「イケアでは、「より良い暮らしをより多くの方々へ」、というビジョンに基づき商圏内のお客さまが『住まい』や『暮らし』に関して抱えているニーズや悩みを、売り場のレイアウトでソリューションとして提案するという使命があります。ですから、一つ一つのお部屋を作るにあたって、家族の構成、年齢・年収・趣味や好きな色などキャラクターを詳細に設定します。

そうすることでお客さまから、ピンポイントに『これは私にぴったりの部屋だ! こういう部屋に住んでみたい!』と思っていただきたいと考えています。すぐに製品を買っていただくことができなくても、アイデアは無料。頻繁に足を運んでいただき、アイデアだけでも持って帰っていただければと思って売り場づくりをしています。

時々、スウェーデンでデザインされた製品なので『サイズが日本の住環境に合わないのでは?』と心配されるお客さまもいらっしゃいます。しかし、各部屋の間取りは近隣の住民の方々のお宅にお邪魔し、徹底的に住環境をリサーチすることで、できるだけ再現するようにしています。だからこそ『イケアの家具は自分の家にもぴったりなんだ!』と感じていただき、何度も足を運んでもらえるのだと思います」

オープンから7年経っても、常にお客さまが絶えない理由は、こうした企業努力やイケア全体のマインドが社員一人一人に共有できているから……なのかもしれませんね!

渡島さんのある一日のタイムスケジュール

 


7:45:出社
東京方面から電車に乗って出社します。朝は基本8時スタートです。

8:00:チームで朝のミーティング
全体や個々のスケジュールを確認。

8:15:開店の準備。売り場のメンテナンス
オープン前に売り場のメンテナンスを行い、お客さまを快くお店に迎えられるように準備します。

10:00:デスクワーク
オフィスに戻り、次の売り場づくりのプランを考えたり、CADと呼ばれる設計ソフトを使って部屋の図面を作っています。今後入荷予定の新しい商品のチェックなども欠かせません。インテリアデザイナーらしい時間かなと思いますね。

12:00:昼食
プランナーやセールス、時にはインターンの子なども交えて社員食堂へ。一人で食べることはほとんどないですね。

13:00:ミーティング
物流・セールスの担当者と売り場のレイアウトについて、それぞれの立場から意見を出し合います。

14:00:売り場に戻ってカーペンター(大工さん)と作り込み・改装作業
作業が残っている場合は、売り場に戻って作り込みやレイアウトチェンジなどを行います。棚板を取り付けたり、ペンキを塗ったりと、ガテン系みたいな仕事をするときもあるんですよ。DIYスキルはイケアに入ってから身に付きました。

17:20:退社
仕事は体力勝負なので、疲れを翌日に残さないためにも残業は基本しません。いかに自分の業務時間内に効率良く働けるかを常に考えて行動しています。


あるときはオフィスで設計ソフトを使い図面を作成して、あるときは売り場に出てお部屋の作り込み作業までもテキパキとこなす渡島さん。イケア・ジャパンの社員さんは自分の役割の意義をきっちり理解していて、楽しみながら仕事をする人が多い印象を受けました。

最後に、今回の取材で伺ったお話をもとに、あなたのイケア・ジャパンの適性度を測る診断表を、編集部が(あくまで勝手に!)つくらせていただきました!! 適性度100%のあなたは、今すぐイケア・ジャパンの門戸をたたいてみるのもよいかも??

勝手にイケア・ジャパン適正診断!


□上司部下・部署を問わず、ゴールを達成するために活発にコミュニケーションを行いたい。
□業務時間内に仕事を終えるために、常に工夫し努力を惜しまない。
□課題に対して、自分の意見を伝えながら、他人のアイデアも取り入れて仕事に取り組める。
□外国人や初対面の人とコミュニケーションとることが好きだ。
□イケアの製品が大好きで、自分の家に取り入れたらどうやって使おうか、このあいだ行ったあの人の家にあればこんなに良くなるのに!と感じる心がある。

診断結果はコチラ!!
0~1個:残念!! イケア・ジャパン適性度 20%かも
2~3個:あと少し!! イケア・ジャパン適性度 60%かも
4~5個:もしかしてあなたはイケア・ジャパンの社員ですか? イケア・ジャパン適性度 100%かも

会社概要

 

名称:イケア・ジャパン株式会社
本社所在地:千葉県船橋市浜町2-3-30
設立:2002年
社員数:約3000人(2013年9月現在)
平均年齢:34歳
男女比:約4:6

スウェーデン出身のイングヴァル・カンプラード氏が17歳の時に設立。世界38カ国で展開する、世界最大級のホームファニッシング製品の小売店。日本では2002年に「イケア・ジャパン」を設立し、2006年に1号店となるイケア船橋をオープン。現在では、全国に7店舗を構えている。来年には、東京都では立川市、そして宮城県仙台市にも新店舗をオープンする計画が進行中。


※この記事は2013/10/21にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

page top