若手ビジネスパーソンこそが知るべき、企業のユニークなCSR先進事例5選

はじめまして。CSRコンサルタントの安藤光展と申します。CSR(企業の社会的責任)領域でコンサルティング・研修・執筆活動などをしております。そこで、本稿では若手ビジネスパーソンこそが知るべき企業活動として、CSRについて書いていきます。

若手ビジネスパーソンこそが知るべき、企業のユニークなCSR先進事例5選

はじめまして。CSRコンサルタントの安藤光展と申します。CSR(企業の社会的責任)領域でコンサルティング・研修・執筆活動などをしております。そこで、本稿では若手ビジネスパーソンこそが知るべき企業活動として、CSRについて書いていきます。

あなたは「CSR」という言葉を聞いたことありますか? CSR(Corporate Social Responsibility)とは、「企業の社会に与える良い影響を最大化し、悪い影響を最小化しましょう」という経営概念の一つです。国際的なルールとして世界で認知されており、コンプライアンスなど法的な義務から、ボランティアや寄付、エコまで含まれる幅広い概念でもあります。しかし、具体的なイメージをしにくいビジネスパーソンも多いはず。そこで今回は、先進的なCSR事例からあらためて、企業のあるべき姿を学んでいきましょう。

1.トヨタ自動車:Meals Per Hour ~“効率”を寄付する取り組み~





先日、アメリカのトヨタ自動車がNPOに「業務改善による作業効率アップ」を寄付したということが話題になっていました。通常、寄付とは金銭のことです。しかし、トヨタ自動車は、エンジニアがニューヨークにある食糧支援NPOの現場にいき、ボランティアでトヨタ式の業務改善をして「効率アップ」をプレゼントしました。その結果、食糧配給の待ち時間を90分から18分に短縮したのです。「カイゼン」が得意なトヨタ自動車として素晴らしい社会貢献活動だと思います。

日本でもしっかりと結果を出しており、日本で一番有名なCSRランキングである「東洋経済CSRランキング」で、トヨタ自動車は2014年版で5位に入っているトップランカーであり、毎年上位にランクインするCSR推進企業でもあります。

2.グーグル:Google for Nonprofits ~世界を変えるあなたをサポートします~


アメリカやイギリスではすでに始まっていた、グーグルのNPO支援プログラム「Google for Nonprofits」が、日本でもローンチされたとニュースになっていました。「Google Apps」、「AdWords」、「YouTube」といったサービスや機能が無料で使えるようになった他、なんと「AdWords」広告費が1カ月あたり1万ドル分も助成があるとか。

NPO向けのサポートプログラム「Google for Nonprofits」が世界で4番目に日本で提供開始されたのは偶然ではなく、日本のグーグルの熱意ある若手社員たちが1年以上の努力の末立ち上げたらしいです。素晴らしいですね。トヨタの事例も含め、NPO支援はCSRでも注目度の高い領域となっています。

3.ヤフー: [CHALLENGE] ~課題解決エンジン~


ポータルサイトのYahoo! JAPANを運営するヤフーは、「Links for Good 」というNPOへの広告支援プログラムをはじめとして、東日本大震災復興支援活動も含め幅広くCSRを展開する企業です。そんな中で、ヤフーは「CHALLENGE」というCSRの特設コンテンツを作り、去年から、社長と支援しているNPO代表たちとの対談を月一回掲載しています。以前取材でお伺いして思ったのですが、上場会社のCSRコンテンツの連載企画に社長が連続で登場する例は日本でヤフーだけです。トップの本気度が見て取れます。

4.ソフトバンク:かざして募金 ~心が動いたら、かざすだけ~




携帯電話だけではなく、さまざまな事業展開で話題に事欠かないソフトバンク。先日取材でお伺いして知ったのですが、CSR活動にも積極的に取り組んでおり、簡単に寄付できる「かざして募金」という寄付アプリなども作っています。この寄付アプリはソフトバンクのユーザーだけではなく、auやドコモでも使うことができるという、太っ腹な展開をしています。

他にも「ケータイリサイクル」という活動もしており、リサイクルで環境負荷低減をするだけではなく、携帯電話に含まれるレアメタルを回収することでアフリカ・コンゴの紛争問題解決にも貢献するという一石二鳥の取り組みをしています。ちなみに、前述のヤフーはソフトバンクのグループではありますが、ブランドが異なるため、ソフトバンクのCSRとは別物として活動を行っているとのことです。

5.良品計画:くらしの良品研究所 ~くりかえし原点、くりかえし未来~


無印良品を展開する良品計画はCSRに積極的な企業の一つです。日本のオーガニックやロハスなどの考え方を体現する、代表的な企業でもあります。良品計画は「くらしの良品研究所」というウェブコンテンツを運営しており、直球のCSR・社会貢献活動ではなく、自然体で社会のことを考えられるような内容となっております。

また「無印の募金券」の販売や、自社社員と寄付先団体との対談の「良品計画社員と学ぶ寄付先団体の活動」というコンテンツを作っていたり、ハデさはないものの、社会に丁寧に寄り添う姿勢を、コンテンツから感じ取ることができます。

いかがでしたでしょうか。私は、CSRは「信頼される企業になる」ためにするものだと考えています。そもそも従業員やお客さまをはじめとするステークホルダー(利害関係者)に信頼されない企業に未来はないでしょう。そう考えると、CSRをしっかりしている企業は、従業員も大切にする傾向があるともいえます。

CSRは、商品やサービスではなく企業の“哲学そのもの”であり、何を大切にしてどんな社会をつくりたいかを語るものでもあります。もしも転職を考えている読者の方がいらっしゃいましたら、転職したい企業のウェブサイト(CSRコンテンツ)やCSR報告書をチェックしてみてください。

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識者プロフィール
安藤光展(あんどう・みつのぶ)/1981年長野県生まれ。CSRコンサルタント、ブロガー。専門はCSR(企業の社会的責任)におけるコミュニケーションの戦略立案。社会貢献系ウェブメディアの運営支援から、CSR関連の研修、コンサルティング、執筆活動など。6年目の個人ブログ「CSRのその先へ」を運営。著書『この数字で世界経済のことが10倍わかる-経済のモノサシと社会のモノサシ』(技術評論社)ほか。

※この記事は2014/09/29にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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