「キャリアアップを目指してもう一度勉強をしたいけど、時間が……」。学生時代は勉強が嫌だったのに、社会人になってからそんな思いを抱いたことはありませんか?
そんな方にオススメなのが大学院。最近では忙しい社会人が、大学院に入って学び直す例が増えています。そこで今回は、『社会人が学びたい大学・大学院』(日経BPムック)のデスクである井上俊明さんに、社会人こそ大学院に行くべきだという理由についてお聞きしました。
忙しい社会人でももう一度学べる!
そもそも忙しい社会人が、会社以外に「学びの場」を求めることは可能なのでしょうか。井上さんは次のように話します。
その結果、より充実した人生を追い求める主婦層やシニア層といった人たちや、キャリアアップを目指したい忙しい会社員にも、学びの場への間口が広がっているようです。
(注1:教育訓練給付制度とは、厚生労働省が指定する施設であれば、入学金と授業料の一部が支給される制度です)
社会人にこそ大学院がオススメな理由
さらに井上さんは「社会人だからこそ大学院をオススメできる理由がある」と語ります。その理由を次の5つにまとめました。
●理由1:自分が目指すキャリアに合わせた分野が選べる。
●理由2:外部に人脈ができる。
●理由3:会社で壁にぶつかったときの心の支えになる。
●理由4:学ぶ意欲が違う。
●理由5:学びやすい環境になってきている。
自分に合った大学院を選ぼう!
それでは、実際に選択肢としてどのような大学院があるのでしょうか。
既出の『社会人が学びたい大学・大学院』でも記載されている中から、いくつかおすすめの大学院をご紹介します。ここで紹介できるのはほんの一部ですが、この記事や『社会人が学びたい大学・大学院』などの資料を参考にしながら、ぜひ自分のキャリアアップに適した大学院を見つけてください。
●慶応義塾大学大学院経営管理研究科
経営学修士(MBA)を取得できる大学院の1つ。国際水準の教育の質と圧倒的な学習量によって、これからのグローバル社会でも先頭に立てるビジネスリーダーになるための素養を獲得することができます。一度休職して、本気で学びたいという人に適した学習環境だといえます。
●グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻
土日および平日の夜間を使って、経営学修士を取得できる大学院の1つ。同大学院では、単科生制度を採用しています。大学院本科入学前でも講義を受講でき、その際に取得した単位も卒業に必要な単位と認められるため、忙しいビジネスパーソンにとって学びやすい環境です。
●青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科
あらゆる企業活動・経済活動の基本となる会計を学ぶことができるのが、同大学院。公認会計士や税理士はもちろん、企業などの監査責任者、コンサルタント、アナリストなど、さまざまな分野の実務と直結したカリキュラムなので、自分が進みたいキャリアにつなげやすいといえます。
●目白大学大学院心理学研究科
現代人が抱える心の問題が増加の一途をたどる中で、心理学の重要性が高まっています。そんな心理学を学ぶことができるのが同大学院。コンサルタントやカウンセラーを育成する「現代心理学専攻」、臨床心理士の資格試験を実務経験なしで受験できる「臨床心理学専攻」、心理学を総合的に研究する「心理学専攻」の3つから、学びの場を選ぶことができます。
●立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科
国際社会で欠かせない異文化間での理解を支えるのが、異文化コミュニケーション。異なる文化的背景を持つ者同士のコミュニケーションについて学ぶことができる同大学院で学べば、人類の平和やサステナビリティ(持続可能性)といった現代社会の諸問題を解決できる人材になることができるかもしれません。
大学院はキャリアアップのための選択肢
いかがでしたでしょうか。会社が個人に望むキャリアアップと、本人が望むキャリアアップには、どうしてもギャップが生じがちです。そこで、やはり自分が望むキャリアアップのためには、自分でなにか行動を起こさないといけません。大学院はその1つの選択肢となるでしょう。ぜひ自分に合ったキャリアを築いていくために、もう一度学ぶことも考えてみませんか?
(参考資料)
『社会人が学びたい大学・大学院 2015年度版』日経BPムック
識者プロフィール
井上俊明(いのうえ・としあき)/日経トップリーダー編集委員。医療・介護雑誌の編集部を経て1998年から5年間日経ビジネス編集部に所属し、税金、健康保険、年金などを受け持つ。2007年社会保険労務士登録。
※この記事は2015/06/12にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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