【世界のスゴい20代】11億ドルで会社を売却! Tumblrの創業者、デビット・カープって何者?

「Tumblr(タンブラー)」という名前、みなさんは聞いたことがありますか? 現在世界中で1億人以上のユーザーがいるといわれる、アメリカ生まれのブログプラットフォームサービスです。

【世界のスゴい20代】11億ドルで会社を売却! Tumblrの創業者、デビット・カープって何者?

「Tumblr(タンブラー)」という名前、みなさんは聞いたことがありますか? 現在世界中で1億人以上のユーザーがいるといわれる、アメリカ生まれのブログプラットフォームサービスです。

2013年、「yahoo!」によって買収された「Tumblr」。その額なんと11億ドル! リリースから6年足らずでサービスを一大プラットフォームに成長させたのは、創業者のデビッド・カープでした。ニューヨーク生まれのソフトウェアエンジニア兼起業家であるカープは、10代のころからエンジニアとして活躍し、20歳の若さで「Tumblr」を起業した人物。今回は20代にしてビリオネアに上り詰めた、カープの半生に迫ります。

そもそもTumblrってなに!?


「Tumblr」の位置づけは、「マイクロブログサービス」。ブログでもなく、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアでもない、新しいサービスです。キャッチフレーズは、「ブログが日記だとしたら、タンブラーはスクラップブック」。ブログよりも手軽に、そして自由に表現の幅を広げたのが「Tumblr」なのです。現在登録されているブログの数は全世界で1億9100万以上にものぼります。

デビッド・カープの誕生


「Tumblr」の創立者、デビッド・カープは1986年7月6日、ニューヨークで生まれました。彼は11歳のときから、独学でHTMLコードを学び始めます。14歳のときには母親のツテでアニメプロデューサー、フレッド・サイバート氏の下でインターンを始め、エンジニアとして、ホームページの立ち上げ等に携わりました。そのときに立ち上げを手伝ったサイバート氏のメディア会社「Next New Networks」は、後に「Google」に買収され、話題を呼びました。うわさでは、そのときの買収額は5000万ドル(約50億円)に上るとも言われています。それにしても、14歳といえば日本でいえば中学2年生。

そんな時期に早くもエンジニアとしてのキャリアをスタートさせたカープは、その後も順調にステップアップしていくことになります。

16歳の若さでCTOに就任


カープはマンハッタンのウェストサイドにある、私立カルホーン・スクールに在籍していました。ユニークなプログラムで知られるこの学校での授業も、頭の良かった彼にとっては退屈で、家でパソコンに向かっているときが何よりも楽しい時間だったそうです。彼の母親は同校で科学教師をしており、彼のコンピューターへの情熱を理解していました。そこで彼に学校を辞めて、ホームスクーリングというかたちにしてはどうかと勧め、カープは15歳のときに高校を中退。翌年、16歳という驚異的な若さで子育て掲示板サイト「UrbanBaby」のCTOに就任。学校教育の枠を軽々と飛び越えていくカープは、まさに「神童」でした。 ちなみにその間、以前から日本語を勉強していたこともあり、東京で5カ月間一人暮らしをしていたそうです。

Tumblrの誕生


「UrbanBaby」は売却されたのち、カープは20歳でソフトウェア・コンサルティング会社の「Davidville」を立ち上げます。当時、「tumblelog(タンブログ)」と呼ばれる、画像や映像などの投稿をメーンに短い文章を書くスタイルのブログが注目を集めていました。そこに目を付けたカープは2007年、独自のプラットフォーム「Tumblr」を始めたのです。初期のころからクリエーティブ系ブロガーから人気を集め、数万人のユーザーを獲得。さらに他の記事を引用する形でエントリーを投稿する「リブログ機能」などによって、ユーザーを全世界へと拡大します。単にそれまでの常識にないことをやるというのではなく、時代の一歩も二歩も先をリードしていく彼のセンスには目を見張るものがあります。

センス溢れるこだわりスタイル


ちなみに天才エンジニアというだけでなく、彼のファッションセンスもしばしば話題に上がります。青い瞳にブラウンの髪、さらに長身というルックスを持つカープのお決まりのスタイルは、ジーンズ、Tシャツ、スニーカーのカジュアルなもの。仕事中、アイデアをノートにスケッチしながら作業をするのが好きだそうです。自身のTumblrではニューヨーク・ブルックリンにある自宅を公開しており、投稿からは彼のセンス溢れるおしゃれな生活がうかがえます。

若くしてその才能をぐんぐん伸ばしていったカープ。もし彼が日本に生まれていたなら、常識はずれの異端児として厄介者扱いされていたかもしれません。しかし時代をリードするようなアイデアは、常識を恐れない大胆さから生まれるのかもしれません。

私たちが11億ドルのサービスをつくることは難しいかもしれませんが、いつもとは違ったやり方で仕事をしてみたり、上司に思い切ってビジネスの提案をすることはできるはず。常識や慣習に屈しない、そうした小さい勇気の積み重ねの先に、カープのような時代をリードするセンスがあるのかもしれませんね。



<参考リンク>
タンブラーという変革を起こすIT時代の寵児──デビッド・カープ
タンブラーを始めよう
David Karp, the Nonconformist Who Built Tumblr
Alexa
Before Tumblr, Founder Made Mom Proud. He Quit School.
David’s blog

※この記事は2014/07/22にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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