拝見させていただくは二重敬語でNG?「拝見」の正しい使い方を例文付きで紹介

「拝見させていただく」は、二重敬語でNG表現です。それでは、書類や資料を確認する際、目上の相手にはどのように伝えればよいのでしょうか。本記事で、「拝見」の正しい使い方を理解していきましょう。

「拝見させていただく」は間違った敬語表現?!正しい使い方は??

「拝見させていただく」は、同じ表現に謙譲語がふたつ使われた二重敬語のため、使用は極力控えた方がよいです。取引先や上司相手に「見る」ことをへりくだって表現する場合は、「拝見します」を代わりに使いましょう。

本記事では、「拝見させていただく」がNGの理由や、「拝見」を使った正しい例文について解説します。

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「拝見させていただく」は謙譲語が重なった二重敬語

「拝見」とは、「見る」ことをへりくだった謙譲語です。また、相手の許しのもとにおこなう「させていただく」も謙譲表現の一種とされています。

「拝見させていただく」は、ひとつの表現に同じ種類の敬語が二つ使われているため、「二重敬語」です。

なお、「させていただく」を使用可能な条件については、以下の記事を参考にしてください。

<関連記事>「させていただく」は正しい敬語表現?2つの条件がポイント

二重敬語が失礼な理由

二重敬語とは、同じ種類の敬語を重ねて使うことです。尊敬語+尊敬語、謙譲語+謙譲語のように、敬語を重複させた二重敬語は、過剰な表現で一般的に誤りとされています。

二重敬語に該当する「拝見させていただく」も失礼にあたるため、使用は控えましょう。

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「拝見」の正しい使い方

「見る」の謙譲語である「拝見」自体は、目上の相手に使用できます。一般的に、「拝見します」が「拝見」の正しい使い方です。「拝見します」は、以下のように使います。

(取引先から見積書を受け取って)
いただいた見積書を拝見しました。社内で一度検討させていただきます。

また、「拝見いたします」や「拝見させてください」を使用することもあります。それぞれ解説します。

拝見させてください

相手の書類などを確認したい場合は、「見せてください」の謙譲語である「拝見させてください」を使いましょう。「拝見させてください」を使い、以下のように依頼できます。

(取引先からビジネスの提案を受けて)一度企画書を拝見させてください。

拝見いたします

「拝見します」が直接的で言いにくいときは、「拝見いたします」を使うとよいでしょう。「いたす」を謙譲語ととらえた場合、「拝見いたします」も二重敬語にあたりますが、近年は「拝見します」より丁寧な言葉として「拝見いたします」を使うことが一般的です。

「拝見いたします」を使った例文は、以下の通りです。

(面談中に先方から資料を提示されて)ありがとうございます。拝見いたします。

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「拝見」に似た言葉・表現

「拝見」には、いくつか似た言葉や表現があります。ここで違いを理解しておきましょう。

拝読

「拝読」とは、「読む」の謙譲語です。読む書物の筆者・読者を敬って使います。
「拝見」と同じような場面で使用できますが、「拝読」はより「読むこと」を強調した言葉です。

拝読を使った例文

(手紙の送り主に対して)お手紙を拝読しました。

拝聴

「拝聴」とは、「聴く(聞く)」ことの謙譲語です。相手にへりくだって使う点は「拝見」や「拝読」と同じですが、「見る」ではなく「聞く」点が異なります。

拝聴を使った例文

(取引先の社長の講演会に参加して)先日、〇〇社長の講演を拝聴しました。

拝受

「拝受(はいじゅ)」は、受け取ることの謙譲語です。主に、取引先や上司からメールや資料を受け取った際に使います。

「拝受」の意味や使い方については、以下の記事も参考にしてください。

<関連記事>「拝受(はいじゅ)」どんな意味で使う言葉?使い方や例文も解説

拝受を使った例文

先ほど、資料を拝受しました。早急にご対応いただき、ありがとうございます。

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「拝見」を使用する際の注意点

最後に、「拝見」を使用する際の注意点をいくつか紹介します。

「拝見させていただく」をOKとすることもある

「拝見させていただく」は二重敬語のため一般的にNGの表現ですが、使用頻度が多いことからある程度許容される場合もあります。相手が「拝見させていただく」を使っていたからといって、絶対にダメとは言い切れない点に注意しましょう。

目上の相手が主語なら「ご覧になる」

「拝見」は謙譲語のため、あくまで自分がへりくだる際に使う言葉です。そのため、丁寧に表現しようとして上司に対して「課長は拝見しましたか?」などと使わないようにしましょう。

正しくは、「課長はご覧になりましたか?」です。

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「拝見させていただく」は二重敬語で基本的に間違い

基本的に「拝見させていただく」はNG

「拝見させていただく」は謙譲語を二つ含む二重敬語で、基本的に誤った表現とされています。「拝見させていただく」をOKとする動きもありますが、誤解を招かないように極力使用を控えた方がよいです。

上司や取引先相手に、見ることをへりくだって「拝見」を使いたい場合は、「拝見します」を使うようにしましょう。

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