もしかしてうつ病かも……こんな兆候が出たら要注意【はたらく人の健康 #1】

忙しい日々を送っていると、いつのまにかワークライフバランスが崩れ、メンタルヘルスに変調を来たしてしまうことがあります。ビジネスパーソンなら誰でもかかる可能性のある病気の一つ「うつ病」について、産業医の尾林誉史医師に教えていただきました。

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うつ病とはどんな病気?

食欲の低下、不眠、やる気がおきない、気分が落ち込む、不安な気持ちが続く、などの抑うつ的な状態が2週間以上続くという「うつ病」。心理的な症状だけでなく、めまい、吐き気、胸の苦しさ、耳鳴りなどの身体的症状が現れることもあります。過労などストレスが高い状態が続くことにより、心の負荷が高くなることで、脳の働き方のバランスが崩れ発病します。

もしかして「うつ病」では? 適切な対応をとるために医師に相談を

「眠れない」「朝になっても起きられない」「会社に行きたくない」「何もしたくない」そんな気持ちが続くようであれば、メンタルクリニックを受診しましょう。メンタルクリニックのハードルが高いようであれば、産業医との面談も有効です。うつ病の原因はストレスであることが多く、ストレスの原因を特定することも大事です。

働きすぎでうつ病にかかる患者も多いため、うつ病と診断されたらいったん会社を休む決断も必要です。休暇が取りづらい場合も、産業医が助けになります。休暇、時短勤務の必要性、業務内容の見直しなど、患者と会社の状況を俯瞰した対応策を会社に申し入れてもらうこともできます。

休職しても居場所はなくならない! まずは体と心の休息を

うつ病の治療には、休養を取ることが重要です。医師が長期の休養が必要と判断した場合は、休職も選択肢の一つ。会社や医師と相談し、休職手続きをとりましょう。休職可能な期間は就業規則などで定められています。会社によっても休職可能な期間は違いますが、最低でも一カ月、一般的には三カ月は休んだほうがいいでしょう。「休んでしまうと居場所がなくなるのでは?」と恐れる人もいますが、会社にはその人独自の役割が必ずあるもの。代替要員が入ることで、その人の居場所がまったくなくなるということはありません。ゆっくりと体と心を休めましょう。

他にも、医師と相談しながらの薬物治療も有効な方法です。症状によって効果のある薬は違ってくるので、医師の指示にしたがって、抗うつ薬、抗不安薬などを取り入れていきましょう。

仕事仲間がかかったら? 仕事の量・質・環境要因から業務を見直そう

近年、仕事によるストレスが原因でうつ病を発症する人が増えています。ストレス状態が続くと、抑うつ的になり、ものごとを悲観的に捉えるようになってきます。身近な仕事仲間がうつ病にかかった場合、その人にかかる仕事量や仕事内容を見直すことも重要です。

・時間外労働は多すぎないか(仕事量)
・仕事内容はその人の適性にあっているか(仕事の質)
・人間関係などに問題はないか(環境要因)

量、質、環境要因、この三つの観点から考えていくと、その人のストレスの原因となっていることを解き明かし、その原因を取り除く助けとなります。とはいえ、量や質のコントロールというものは上司でなければ決められないということもあります。もし同僚がうつ病にかかった場合、なるべくその人を気にかけてあげて、声をかけてあげましょう。「話を聞きますよ」と言ってもらえるだけでも、心が軽くなることもあります。

また、仕事仲間がうつ病で休職するなどの場合もあります。そのために、その人の負担が他の人にかかってくる可能性ももちろんあるでしょう。しかし、その人に対して陰性感情を持ちすぎないことが重要です。うつ病は誰でもかかる可能性のある病気です。ストレスの原因が仕事にあるのであれば、その人が悪いのではありません。個人の問題と考えるのではなく組織の構造などに問題があると捉え、一人ひとりの業務量や業務内容などを改善していく機会と考えたほうが建設的です。

「病を憎んで人を憎まず」うつ病は誰にでもかかる可能性のある病気

うつ病は「キャパシティを超えても人に頼らず自分でなんとか対応しようとする責任感の強い人」がなりやすい病気でもあります。とはいえ、その人個人に問題があるわけではなく、キャパシティを超える負担がかかった時には「誰でもなる可能性がある」病気といえます。その人の弱さのせいではなく、「環境のせいでたまたまその人がかかってしまった」と考え、自分がかかった場合も、周囲の人がかかった場合も、おそれずに適切な対応をしていきましょう。

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【監修】
尾林誉史●「VISION PARTNER メンタルクリニック四谷」院長/VISIONER。精神保健指定医。日本医師会認定産業医。
東京大学理学部化学科卒業後、大手人材会社に入社。退職後、弘前大学医学部医学科に学士編入し、東京都立松沢病院にて臨床初期研修修了後、東京大学医学部附属病院精神神経科に所属。現在、10社の企業にて産業医およびカウンセリング業務を務める他、メディアでも精力的に発信を行なっている。

文=松村 知恵美
編集=五十嵐 大+TAPE

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