脱・三日坊主! 今すぐ知っておきたい正しい目標の立て方と達成術

心機一転、気持ちが切り替わる4月は、職場での新たな目標を立てるチャンス。とはいえ、「去年立てた目標、達成できなかったな…」なんて思い返す人も多いのではないでしょうか。

脱・三日坊主! 今すぐ知っておきたい正しい目標の立て方と達成術

心機一転、気持ちが切り替わる4月は、職場での新たな目標を立てるチャンス。とはいえ、「去年立てた目標、達成できなかったな…」なんて思い返す人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、きちんと目標を達成するための目標の立て方を『目標設定の鉄則』の著者、松橋良紀さんに伺います。

「三日坊主」の原因と目標の立て方


そもそも、やる気があって目標を立てているはずなのに、なぜ「三日坊主」となってしまうのでしょうか。目標を達成できない人の2つの特徴と、正しい目標の立て方をお聞きしました。

(1)目標を意識できていない


「目標を達成できない人の1つ目の特徴は、目標を覚えるシステムを持てていないことです。目標達成のための最優先事項は、『目標を意識し続けること』です。そのために、『書いた紙が目に入るように壁に貼る。またはカードなどに書いて常に持ち歩く』などして、いつも目標を意識し続けるようにしましょう」(松橋さん:以下同じ)
目標を立てただけでなんとなく満足してしまうことって、ありますよね。でももちろん、実行しなければ達成もありません。とにかく目標に向かう環境をつくることが大切だそうです。

(2)今やらない余裕がある


「2つ目は、目標を掲げる理由が、閾値(いきち)に達していないということです。閾値とは、分かりやすく言うと、限界値。『もうこれ以上○○だと仕事がなくなってしまう』という恐怖を感じるような段階のことです。『もうこれ以上は我慢できない』という段階にならなければ、人はなかなか行動に移せないものです。つまり目標を思い立っても、『始めるのは今でなくてもまあいいか』と三日坊主になってしまうのは、深層心理に『まだまだ大丈夫』という余裕があるから。『もうこれ以上は無理』というイメージをつくれるかどうかが、目標達成できるかどうかの分かれ道です」

自らの現状について、危機感を抱くこと。目標へ進まざるを得ないような切迫した状況にすることが達成への近道になるんですね。

今年こそ達成! 5つの目標と達成術


それでは実際に、ビジネスパーソンに役立つ5つの目標と、その達成術を見ていきましょう。

(1)仕事のミスを減らしたい


「たくさんの仕事をこなす人ほど、凡ミスが少ないのは、確認システムを確立しているからです。つまりチェックリストをしっかりつくることです。毎日やるべきことをタスクリストとして書き出すのもオススメです」

自分の頭だけに任せていると、どんなに覚えたものでも、忘れてしまうことがあります。できるビジネスパーソンほどそれを熟知しているんですね。

(2)雑談力を上げたい


「親密感を高めるためには雑談が不可欠。ビジネストークしか話さないのは、『あなたとは親密な関係を築きたくありません』というメッセージを送っているようなものです。雑談を気軽にできるようになるポイントとしては、まず『共通の話題を取り入れること』。なぜなら、共通の話題を話して相手と自分が同意できる状況をつくることで、『同じ気持ちを共有している』と相手に安心感を与えられるからです。次に、気候の話や一緒に見ている風景などを含めた『共通点を見つけ出すこと』。最後に、相手の波長に合わせる『ペーシング』をすること。『ペーシング』とは、話し方や身振りを相手と合わせるコミュニケーション技法のことです。雑談のなかで声の大きさ、声やうなずきのテンポなどを合わせると、息が合っていくので、話も盛り上がりやすくなります」

雑談上手とは相手の話を引き出せる人のこと。「何か話そう」と気負うのではなく、相手にべらべらしゃべらせることを目標にするのが良いのだそうです。

(3)営業トークがうまくなりたい


「お客さまの都合を考えず、自分の成績のために売る営業マンを好きな人はいません。べらべらしゃべる営業マンよりも、じっくりと話を聞いてくれる営業マンは、誰からも好かれます。じっくり聞くから、お客さまの気持ちをくみ取り、ニーズに合った営業ができるようになるのです。すると自然に、相手の心に刺さるトークができるようになります」

まずは相手のことをきちんと知り、その上で相手に合った営業をすること。それがおのずと上手な営業トークになっているんですね。

(4)後輩に信頼されたい


「後輩の話をしっかりと聞いていますか? 信頼されるためには相手の気持ちを理解することです。人はそれぞれ違います。相手に合った話し方、指導の方法があります。後輩の考え方を知るには、しっかりと話を聞くしかありません。特に、黙って話を聞くスキルが必要です。自分があれこれ話すよりも、よほど信頼されるようになります」

相手が先輩だからと、なかなか本音を出しづらい後輩にとっても、急がさずとことん話を聞いてくれる先輩の姿勢は、それだけで頼りがいのある姿に映ります。

(5)仕事のモチベーションを上げたい


「仕事でやる気が上がらないとしたら、その先の目標や目的が見えていないということです。あなたの人生の目標はなんでしょう? 将来はどんな人生を送りたいですか? …かくいう私も、サラリーマン時代は夢や目標を持てない人間でした。ただ、夢を失っていたときに、将来の夢を紙に書き出したことが何度かあります。それを見返したときにビックリしました。『執筆家として生活している』『講演家や講師をしている』など、書いたことはほとんど達成していたのです。まずは、将来したいことを紙に書き出して見ましょう」

将来したいことがすぐに思いつかない場合は、今まで楽しかったことをリストアップすることから始めるのが良いのだそうです。

このように、目標の中に他者がいる場合は、その相手をよく知ること。そして自分自身のスキルアップのためには、目に見える形で「書き出す」という行為が重要なようです。皆さんも、今年の目標を立てる際に、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

識者プロフィール


松橋良紀(まつはし・よしのり)/コミュニケーション総合研究所代表理事。
NLPなどの心理学をベースにした「コミュニケーション心理」の専門家。対人関係が激変するコミュニケーション改善講師としても活躍。「コミュニケーションで悩む人を、日本から無くす!」を合言葉に奮闘中。12冊のコミュニケーション本の執筆家で、『目標設定の鉄則』や、『雑談のルール』『聞き方のルール』などベストセラーも多数。

※この記事は2015/04/15にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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