取引先や上司との会話が苦手な人必見!「アサーティブコミュニケーション」を使って、自分の意見を伝える方法

ビジネスシーンにおいて、取引先や上司に対して自分の意見を主張し、押し通さなければならない場面は必ずやってきます。そこで役立つのが「アサーティブ・コミュニケーション」というコミュニケーション方法です。

「アサーティブコミュニケーション」を使って、自分の意見をいう方法。取引先・上司との会話が苦手な人は必見。
働く人間であれば誰もが直面する、「自分の意見を言わなければならない」場面。

いつも周りに合わせるばかりでは、上司からも同僚からも信用は得られませんし、なかなか昇進の機会はやって来ません。商談の場においても、相手に対し臨機応変に意見を陳述することが求められます。

仕事には、なにかと責任がつきものであることも注意しなければならないポイント。ただし、感情的に意見を相手に押し付けるのは、ビジネスパーソンとしてあるまじき行為です。

そんな自己主張と責任の狭間で、自分の考えをどう表現したら良いのかわからなくなっている人も少なくないのではないでしょうか?

自分の意見に自信が持てなかったり、どのタイミングで切りだせば良いのかわからない。あるいは、上司や取引先の担当者と意見が同じなのか不安だったりと、多くのビジネスパーソンは、自然と自分の意見を押し殺しがちです。

「このままではいけない!」そう思うあなたのために、今回は、上手に相手と意見の交換をすることで好印象を与える「アサーティブコミュニケーション」の方法をご紹介します。

社員が会社でさらされる「同調圧力」

 



会社は、言うなれば、チームプレーを行うフィールドです。社員が同じ方向を目指して協力しながら仕事を進める場であり、全体の足並みを乱す言動はタブーとされがち。

荒波立てずに他人の意見に合わせることが暗に求められる「同調圧力」が、社員が自分を押し殺す原因となってしまいます。

しかし、これは組織にとってもマイナスの効果をもたらします。社内から革新的なアイデアが出ることが激減し、会社の成長もままなりません。

そこで、管理職つまり「上司」の立場にある人が、社員の自己表現力を養成する研修を行う場合が増えているようなのです。それが、欧米で既に一般的にマネージメントの場面で取り入れられている「交渉の方法論」であり、「責任を伴った主体的な自己表現・自己主張(アサーティブコミュニケーション)」です。

「アサーティブコミュニケーション」とは


現在、日本でもアサーティブコミュニケーションは、全国の自治体や病院・企業での研修メニューに取り入れられています。

アサーティブコミュニケーション(Assertive Communication)とは、自他共に尊重し合いながら人間関係を築く方法です。引用元:Direct Communication

自分の意見を誠実かつ素直に表現しつつ、その意見を強引に押し通すのではなく、相手の意見も尊重する方法です。

「アサーティブコミュニケーション」が有効な理由

 



自分の意見を表現できないことについて、「自分はシャイな性格なのだ」と諦めていませんか?例え、控えめな自分の性格が原因で意見を述べる勇気が持てない性格を変えることができなくとも、新しいコミュニケーション方法を身につけることは可能です。

自分のコミュニケーションパターンに気づき、それを変えていくための訓練方法が、アサーティブコミュニケーションを身に着けるためのアサーティブ・トレーニングです。

自分の要求と感情を適切に表現する方法を身につけ、「素直」でありつつ「誠実」と「自己責任」を兼ね備え、相手の意見も「対等」に受け入れる、協力的な自己表現のスキルが身につきます。

アサーティブコミュニケーションにおいては、相手を否定することなく自分の意見を通し、一方で、相手に押し切られることなく意見を受け入れる、という2者間のマインド構築が必要です。

時に相手を傷つけないかたちで「No」と断り、仕事を前に進める、「Win-Win」関係を築くことができれば、仕事そのもののスキルアップが期待できます。

例えば、意見が食い違ったときも、互いが納得のいく結論を導き出そうとすることで、結果的に良好な人間関係も築かれ創造的なアイデアも生まれやすくなります。

アサーティブコミュニケーションの最大の効果は、仕事をよりスムーズに効率的に進めることができるようになる、という点にあるのです。

海外で求められる「アサーティブ力」

 



日本は「まず謝る文化」です。何か問題が起きれば、自分に一切否がなくとも、とりあえず「すみません」と謝ります。人によっては、「ありがとう」と感謝すべき場面で「すみません」と言っています。

一方で、アメリカには真逆の文化があります。何か問題が起きた時、決して謝罪の言葉を口にすることはなく、まずどこに問題があるのかを相手にはっきりと伝え、自分たちで問題を解決していくというプロセスを踏みます。

こうした文化の違いがある中、米企業との取引で何か問題が発生した時に日本文化が通用するかというと、そうはいきません。

アメリカ人は、問題を起こしても、自分が悪いとはなかなか思わない傾向があるようです。日本人同士のように、やんわりと指摘していては、相手には全く伝わりません。

そこでアサーティブコミュニケーションが必要となります。「問題を起こしてしまった」という自覚のない相手に、相手の行動に問題の要因があったことへの認知を促し一緒に解決方法を模索していくことが、ビジネス上では求められます。

自分の意見を伝える際のポイント

 



自分の意見を表現できない非主張的な人は、意見を言えなかったことで劣等感を抱きさらに自信を失ってしまいがちです。まずは、自分の気持ちに素直に、意見を相手に伝えることを意識しましょう。

「伝え方」は大切です。相手に意見を伝えるときは、柔らかい表現を心がけます。相手の言動に共感しながら、自分の意見を感情的にならずに伝えます。

そして、選択肢を提示します。自分ひとりで肯定的あるいは否定的な結果を導くのではなく、結果を予測しつつ相手に選択肢を示すのです。一方で、自分の中でも結果を予測し、それに対する対応策も用意しておきます。

次に、用意した対応策を「提案」します。相手に反対されることもありますが、反対された場合の対応策も用意することで、心に余裕が生まれ自分の言動の幅も広がります。

言葉選びや話す順番だけでなく、表情や声のトーン、振る舞いもアサーティブを意識したいところ。相手の意見に対し、落ち着いて対等な立場で耳を傾ける一方で、自分の意見は、なるべく堂々と自信を持って表現しましょう。

また、言葉と態度が一致していることも大切です。そうすることで、相手に誠意と責任感が伝わり、自分の意見がしっかり伝わります。

まとめ


人は自分の意見を平等に表現できる、という考えがアサーティブの基本にあります。

社内で、他人の悪口を言ったり、いつもイライラしていたり、嫌味っぽくなったりしていませんか?自分の意見を押し殺すことは、人間関係を悪化させ、仕事のパフォーマンスを低下させます。

「自分は意見を言っていいのだ」という自覚を持つつとともに、相手にも意見を述べる権利があることを理解し、「感情的にならずに感情を表現する」方法を習得したいですね。

※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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