どんなシーンでもやわらかい印象を与え、相手への配慮や気遣いを示すことができる“クッション言葉”。クッション言葉を使えば、敬いの気持ちや気遣いが相手に伝わりやすく、メールや電話での連絡でも印象は格段に良くなります。
お断りや謝罪の連絡も相手の機嫌を損ねないどころか、機嫌を良くすることもできる“魔法の言葉”。今回は日本サービスマナー協会の森良子先生に、クッション言葉を基礎から教えていただきました。
クッション言葉って何だろう?
クッション言葉は、会話に織り交ぜて使用することで、やわらかい雰囲気を演出し丁寧な印象を与える言葉です。コミュニケーションを取る時やビジネスシーンにおいて欠かせない言葉と言えるでしょう。
相手に何かをお願いをする時や、異論を唱えたり、断りを入れたりする時にも、好印象を与えつつ、こちらの要望を伝えることができます。
代表的なクッション言葉には以下のようなものがあげられます。
「ご面倒でなければ」「あいにくですが」「せっかくですが」「申し訳ございませんが」
いずれも、ビジネスシーンで耳にすることが多い言葉ではないでしょうか? 便利なクッション言葉ですが、多用しすぎると相手に不快感を与える場合も。状況に応じて使い分けることが大切です。
クッション言葉を使う時のポイント
何かをお願いする場合は「クッション言葉+~していただけますでしょうか」と語尾を依頼形に変えることで、相手に受け入れてもらいやすい表現になります。
お断りや異論を唱える時は、「クッション言葉+理由+ポジティブ表現」の組み合わせを意識すると良いでしょう。
クッション言葉を使う上で気をつけたいのが同じ言葉の多用です。「恐れ入りますが」はどのシーンでも使いやすい万能な言葉ですが、多用しすぎるとしつこい印象を与えるため、適度に使うようにしてください。
効果を最大限に発揮する! シーン別・クッション言葉の使い方
ここでは、シーン別に効果を発揮するクッション言葉の使い方をご紹介します。
ケース(1) 何かを依頼する時
なし「こちらにご記入ください」
あり「お手数ですが、こちらにご記入いただけますでしょうか」
なし「あちらでおかけになってお待ちください」
あり「恐れ入りますが、あちらにおかけになってお待ちいただけますでしょうか」
なし「お名前を教えてください」
あり「失礼ですが、お名前をお聞かせいただけませんでしょうか」
ケース(2) お断りする時
なし「その日は予定が入っております」
あり「あいにくですが、その日は予定が入っております。◯日はいかがでしょうか」
なし「辞退いたします」
あり「せっかくですが、ご辞退申し上げます。お声がけいただきありがとうございました」
ケース(3) 異論を唱える時
なし「はっきり(正直に)申し上げますと、四月までにこの数字を達成するのは厳しいのではないでしょうか?」
あり「失礼かとは存じますが、四月までにこの数字を達成するのは厳しいのではないしょうか。期限を伸ばすことも可能ですがいかがでしょうか」
ビジネスシーンにおいて、相手に何かを依頼するシーンやお断りするシーンは少なくありません。そこで利用したいのがクッション言葉。上記の例を見ても、プラスするだけでずいぶんと印象が変わることがわかるのではないでしょうか。ぜひとも試してみてくださいね。
まとめ
使い方を間違えると、丁寧な言い回しをしたつもりがかえって相手を不快にさせてしまうこともあります。それぞれのシーンに合った表現を正しく使って、ワンランク上の「デキるビジネスパーソン」を目指しましょう!
(寄稿:森 良子/編集:東京通信社)
識者プロフィール
森 良子(もり・りょうこ)。国内航空会社に客室乗務員として入社、約10年間国内線国際線の乗務にあたり多くのVIPのサービスを担当。また社内では新人育成、教育にも携わる。
現在は日本サービスマナー協会の認定講師として、客室乗務員としての経験やスキルを活かし企業の新入社員教育、ビジネスマナー、接遇講座、日本語セミナーをはじめ面接指導など学生の就職支援活動も行っている。
また、TBS日曜劇場「IQ246華麗なる事件簿」では俳優ディーン・フジオカ氏のマナー全般の指導と監修を行い、番組ホームページ内でマナー講座の連載を担当。直近では朝の情報番ZIPにてマナー解説を行うなどメディア出演も多数。
単調になりがちな研修のイメージを一掃すべくライブ感のある受講者参加型の講座には定評がある。
日本サービスマナー協会 http://www.japan-service.org/
※この記事は2018/04/30にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
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