梅雨が始まる前に!職場で実践したい4つのにおいケア

5月も終盤にさしかかり、梅雨はもう目前。湿気が多いこの時期は、においが発生しやすいシーズンでもあります。ビジネスの場でも体臭や衣類のにおいに気を使っていないと、「あの人、におう……」とうわさされてしまうかもしれません。

梅雨が始まる前に!職場で実践したい4つのにおいケア

5月も終盤にさしかかり、梅雨はもう目前。湿気が多いこの時期は、においが発生しやすいシーズンでもあります。ビジネスの場でも体臭や衣類のにおいに気を使っていないと、「あの人、におう……」とうわさされてしまうかもしれません。

そこで今回は、ビジネスパーソンが実践すべき4つの「においケア法」と応用編を、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに伺いました。

ビジネスパーソンがにおいケアをするべき理由とは?


まず、なぜビジネスの現場でマナーとしてにおいに気を使うべきなのか、その理由をお聞きしました。

「ビジネスの現場には、取引先をはじめ、同僚、先輩・後輩など、自分以外の『人』が存在します。そしてマナーとは、相手の立場に立つことです。自分以外の人の立場に立ったときに、においを気にする人もいる、という意識を忘れずに持ちましょう。自分のにおいは、自分では気づかないもの。それゆえに、自分のにおいを意識し、気を使う必要があるのです」(西出さん:以下同じ)

取引先との打ち合わせに、汗臭い体や、生乾きのようなにおいのする衣類で出席しては、それだけで相手に不潔な印象を与えかねませんよね。毎日歯を磨いたり、入浴したりするのと同じように、普段から身の回りのにおいも意識すべきなのです。

4つの必須においケア法


では実際に、どのようなにおいケアを実践すればよいのでしょうか。体臭のケアと衣類のケアに分けて見ていきましょう。

体臭のケア


・朝晩洗って体を清潔に保つ
「基本は体を朝晩洗い、清潔な状態を保つことです。体を洗う際には、体臭を予防する成分が入った石けんなどを使用してケアすると良いでしょう。また、特に体臭の気になる人は、においのたまりがちな下着を一日に2、3回取り替えることをお勧めします。その際に、ウェットティッシュなどで肌を拭くとさらによいですね」
石けんの成分表によく表記されている、柿渋、ミョウバン、緑茶エキスは体臭予防に効果があるといわれています。市販のものでも、そういった成分を含む石けんを使えば、いつものお風呂ついでにケアができるので一石二鳥ですね。

・香水は控えるか少量程度
「香水で体臭を抑えようとする人もいらっしゃいますが、香水の香りが苦手な人もいます。したがって、ビジネスシーンでは、香水はお勧めしません。しかし、どうしても香水をつけたい人は、足元など、鼻から遠い場所に少量をつける程度が良いでしょう。香水は、その香り自体がキツかったり、体臭と香りが混ざったりすると、かえってその香りを不快に感じる人もいます。ビジネスシーンにおける香りは微香料のものを選び、少量程度をつけることが無難でしょう」
香水といえば、手首や首、耳の裏などにつけてしまいがちですが、湿気の多さなどで香りの感じ方も変わるもの。ジメジメとした空間にむっとした香りが広がっては香害になりかねないので、自分が思う以上に控えめなくらいが適切なのだそうです。

衣類のケア


・洗濯は洗剤、柔軟剤、芳香剤にも気を使う
「衣類のケアで大切なことは、清潔さを保つことです。したがって、洗濯は必須。素材によってはクリーニングも必要です。洗濯時に気遣う点としては、洗剤や柔軟剤の効力です。最近では殺菌力、消臭力に優れたものや、洗濯中に使える衣類の芳香剤もあり、におい対策には有効です」
一人暮らしをしている人のなかには、「少量の洗濯物で何度も洗濯を回すのはもったいない」と、ある程度洗濯物がたまるまで洗濯をしないという人もいるのではないでしょうか。しかしそれでは、においのもととなる汚れがだんだんと落ちにくくなってしまいます。こまめに洗濯をして、その日の汚れはできるだけその日のうちに落としてしまうのがよいでしょう。

・脱水後はすぐ干す
洗濯物の脱水が完了したら、すぐに洗濯機から出して干しましょう。洗濯機の中に衣類を入れたまま放置してしまうと、洗濯機内で菌が増殖し、干したときに衣類から生乾き臭が発生するため、せっかくの洗濯が本末転倒となります」
放置すると生乾き臭が発生してしまうのはクリーニングでも同じこと。受け取った衣類にビニールをかけたままにしておくと、嫌なにおいが衣類につき、再度洗濯やクリーニングに出さなければいけない状況になる可能性があるのだそうです。衣類を受け取ったら、ビニールからすぐに出すようにしましょう。

においケアの応用編~アロマの香りで好印象を~


ここまでご紹介したのは、相手に不快な思いをさせないための、においケアの基本。それでは、むしろ相手に良い印象を持ってもらえるような香りの使い方にはどのようなものがあるのでしょうか。

「体臭対策としての香りづけという意味において、ビジネスシーンでは、気分もリフレッシュされるアロマ成分の入ったウォータースプレーを軽く洋服の上からかけたり、アロマ系のヘアミストを使用したりすることで、周囲の人にもアロマの効果を広げることができるでしょう。また、手持ちのハンカチや扇子に香りづけをすることで、さりげなく周囲に良い香りを贈ることもできます」

同じ香りといえど、自分の身を飾るためだけの香水と、多くの人が癒やしを感じるアロマの香りでは、受け取られ方が変わります。香りづけをする際には、周囲の人にとって心地良いと感じられるような香りを選ぶようにしましょう。

“におい”は見えない身だしなみ


ビジネスシーンでは洋服や髪型など、見えるところにばかり気を使ってしまいがち。だからこそ、盲点となるにおいケアをしているか否かが、印象の良しあしの差を生んでしまいます。皆さんもこれを機に、“におい”という見えない身だしなみを整えてみてはいかがでしょうか。

 

識者プロフィール


西出ひろ子(にしで・ひろこ)/マナーコンサルタント・美道家。 相手を思いやる心を重視するマナー論と独自の指導法を展開させ、企業や病院、学校にて結果を出すマナーコンサルタントとして定評を得る。また、NHK大河ドラマ『龍馬伝』や映画『るろうに剣心 伝説の最期編』などドラマや映画のマナー指導も務めるなど、幅広く活躍中。その活躍は「ソロモン流」(テレビ東京)などのメディアでも多数紹介される。著書は売り上げ27万部の『お仕事のマナーとコツ』(学研)、『完全ビジネスマナー』、『ビジネスマナー虎の巻』(共に河出書房新社)、『できる大人の気くばりのルール』(KADOKAWA)など多数。


※この記事は2015/05/26にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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