フィットネストレーナー・AYAが転職するなら!? 「夢を叶えるために、新しいチャレンジがしたい」

著名人のボディメイクを数多く担当している、フィットネストレーナーのAYAさん。また、その美貌を活かし、モデルとしても活躍しています。 相反する仕事に思えるけれど、AYAさんがインストラクターとモデルを両立している理由とは? また、これから転職するとしたら、どんな仕事をしたい? 仕事に賭ける情熱やいつでもモチベーションを保つ方法など、AYAさんの“はたらく哲学”を伺いました。

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インストラクターとモデル、どっちつかずでうまくいかない

小さなころから体を動かすことが大好きで、いつか体育の先生になりたいと考えていたAYAさん。ところが進路を決める際、運動に関わる仕事はほかにもたくさんあることを知ります。スポーツブランドへの就職やトレーナー、インストラクター……多くの選択肢からAYAさんが興味を持ったのは、フィットネスの道でした。

「私が憧れたのは、体を動かす楽しさを多くの人に伝える仕事。学生にしか教えられない先生より、小さい子からお年寄りまで幅広く対応できるフィットネスが、もってこいだと思いました」

スポーツ医学や生理介護学を学ぶ一方、ファッションにのめりこんでいったのも、同じころ。それまで運動ばかりしていたため、洋服やメイクに気を使い始めたのは大学に入ってからでした。中学校で制服のモデルに選ばれたときの楽しい記憶も、オシャレの喜びを後押ししたといいます。

気づけばAYAさんは、インストラクターとモデルの両立を目指すように。どちらの道も魅力的で、ひとつに絞ることはできませんでした。

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「でも、当時のモデルとは、痩せていれば痩せているほど美しいもの。私のような身体はありえなくて、事務所からも『筋肉を落としなさい』と怒られてばかりいました。だから華奢な身体をつくるため、運動をやめたんです」

けれどその生活は、掛け持ちしていたフィットネストレーナーの仕事に、悪影響を及ぼします。

「筋肉がつかないように、レッスン中の見本を見せるのをやめていたんです。そうなると、生徒さんたちから『AYA先生の指導は口だけ』などと言われ、信頼はガタ落ち……。AYAの半分は運動でできていたのに、その半分を失ってしまったら、オーラなんて全然ありません。結果、華奢な体型になったあともオーディションには落ち続け、モデルとしても、インストラクターとしてもうまくいかない日々が続きました」

自分らしさを活かす方法を見つけたら、道がひらけた

そんな悪循環を断ち切ってくれたのは、日本ではありえないとされていた“筋肉質なモデル”の存在でした。たまたま見かけたヴィクトリアズ・シークレットのショーで、腹筋がバキバキに割れ、ふくらはぎの筋張ったモデルたちが、自信たっぷりに闊歩していたのです。

「YouTubeでその動画を見つけたとき、度肝を抜かれました。そこでは、筋肉質なモデルたちがトップモデルの地位を得ているんです。いわれてみれば、世界ではワークアウトすることは当たり前。日本人が運動をしなさすぎるだけなんですよね。だったら、いままで大切にしてきた“運動”と“モデル”を、上手にかけ合わせていけば、AYAだけの魅力がつくれるんじゃないかと思えました」

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海外で“フィットネススター”と呼ばれる人たちは、みずからの美しい身体を見せながら、トレーニングを教えます。「この人のようになりたいから、このトレーニングをやる!」と、ユーザーの目的意識もわかりやすい。モデルとして“魅せる”力も磨いてきたAYAさんにとって、まさに目指すべき姿でした。

どっちつかずで苦しんだ20代を経て、AYAさんは自分の道を見つけたのです。カリスマトレーナーとして名をはせるようになるまで、さほど時間はかかりませんでした。

ファッションだって、運動を始める立派な入り口になる

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「運動を通じて、多くの人に健康な心身を手に入れてほしい」――AYAさんのモチベーションは、とても明確です。フィットネスを楽しむ人を増やすために、トレーニングの内容や身体をつくる食事など、いろんな発信もしてきました。だからこそ、転職を考えたことは一度もありません。

「でもいまは、デザイナーの仕事にも興味があるんです。いつかAYAオリジナルのウェアをつくりたいんですよね。運動を始めるきっかけは『かわいいウェアを着たいから』でもいいと思う。私が好きなアスレジャーファッション(スポーツウェアを普段着に取り入れたスタイル)も、身体を鍛えたほうが絶対に似合います。お洋服を楽しみたいから身体をつくるって、すごく素敵じゃないですか? 鍛えた身体は、アクセサリーの一部のようになるんです」

数えきれないほどのスポーツアイテムを試してきたAYAさんには、身体がきれいに見えて運動の邪魔にならないウェアのアイデアがたくさんあります。

「たとえば、ブラのストラップがキャミみたいに2本あると、肩甲骨を動かすときに邪魔だから、背骨に沿って1本のデザインがいい。脚が太く見えないように、レギンスの外側に膨張色のラインは入れない。トップスは首元を詰めすぎず、すっきりと露出したほうがデコルテもきれいに見える……。本当に、いますぐデザイン画が描けるくらいネタがあります!(笑)」

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イベントに行けば、ファンの方々が一生懸命にトレーニングをしてくれます。でもこれからは、まだ運動をしていない人たちもサポートしていきたい。踏み出せない人の手を引っ張ってあげられる存在になりたい、とAYAさんは語ります。

「テレビや雑誌に取り上げていただいても、それを見て『すごいな』『大変そう』で終わってしまう方がいっぱいいるんです。でも、本当はそうじゃない。『あなたもこっちの世界にいるんだよ』って伝えたいから、ファッションみたいに新しいアプローチも、どんどん考えていこうと思っています」

苦しい運動は「人生の練習」。つらい思い出も反芻して、前に進み続ける

トレーナーとして多忙を極めるいまでも、AYAさんは自分が身体を動かすことを怠りません。

「私にとってトレーニングは“人生の練習”なんです。これだけ毎日ワークアウトしていても『苦しいからもうやめたい』って思うときはいっぱいある。そこでやめるのは簡単だけど、“逃げ癖”がつくと、人生のつらい場面でも逃げちゃうと思うんですよね。だから、ハードなトレーニングをするのは、人生を頑張るためでもあるんです」

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自分の軸を持ち、ぶれることなくフィットネスの発展に尽くすAYAさん。どうして、それほど強いモチベーションを保っていられるのでしょうか。

「苦しかったときのことは、よく思い返すようにしていますね。モデルとインストラクターでどっちつかずだったとき、本当につらかったけれど、自分なりの道を見つけて頑張ったから、いまがある。その記憶を反芻することで、この先また新しい試練にぶつかっても、きっと打破できると思えます」

ときにはトレーニングの生徒から、仕事の悩み相談を受けることも。AYAさんはよく「『運を動かす』と書いて『運動』」という言葉を贈ります。

「落ち込んだりイラついたりしていても、つらいワークアウトをやり終えたら、達成感で満たされます。その達成感は、時間が経つと自信に変わるんですよね。だから、トレーニングで自信を積み重ねていけば、きっと人生をいい方向に動かせる。悶々としたときこそ身体を動かして、柔軟な自分を手に入れてほしいです」

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「脳みそだって筋肉なんだから、動かせば動かすほどやわらかくなって、きっといい考え方がいっぱい生まれますよ!」――そう言って微笑むAYAさん。

もしも毎日の仕事や暮らしにわくわくしなくなっているなら、運動で心と身体をほぐす。それからまた、新たな生き方を考えてみてもいいかもしれません。

(文章/菅原さくら カメラ/飯本貴子 編集/黄孟志)

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