会議はアジェンダで決まる。効率的に会議を進めるためのアジェンダ作成方法

仕事で大きなウエートを占める会議。この会議が長時間化することに頭を痛めている人も多いのではないでしょうか。円滑に会議を進めるためにはさまざまなコツがあります。今回は「会議を効率的に進めるためのアジェンダの作成方法」について、働き方改革の専門家・大塚万紀子さんにご紹介いただきます。

アジェンダとは?

アジェンダとは、会議で論ずる事項(議題)の表、議論する計画などを指します。上司や先輩社員から「アジェンダを用意して」と言われた場合は、その会議で取り扱う内容や議題をあらかじめ集めて整理しておくということですし、「アジェンダに従う」と言われた場合は、計画された順番どおりに議題を進めていくということとなります。

つまり、アジェンダを準備することによって会議がスムーズに進みやすくなると考えられます。「会議の質は準備にかかっている」といっても過言ではありませんが、どのようにアジェンダを準備したらよいか考えてみましょう。まず準備に取り掛かる前に知っておきたい「アジェンダ」と「レジュメ」、「司会」と「ファシリテーター」の違いについて整理をしておきます。

アジェンダとレジュメの違い

「アジェンダ」と混同されがちな言葉に「レジュメ」があります。レジュメとは、アジェンダに基づいた協議事項を議論する際に必要となる資料や材料を指します。また、大きな議題を取り扱う場合は、それらの資料や参考データをまとめたものを「レジュメ」と称することもあります。

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アジェンダを用意する重要性・メリット

もしもアジェンダがなかったとしたらどのような会議になるでしょうか。例えば、次のような事態に陥りそうです。

・何を話し合う場なのか誰もわからないまま集まっている
・議題が不明なので、事前に資料を整えることができない
・ただやみくもに意見が述べられるだけで、適切な結論・合意に至らない
・誰も会議や議論のゴールが見えていないので、必要以上に時間が長引くか、必要な論点に言及せずに会議が終わる
・会議に対する失敗経験となり、それ以降会議を開くことへの抵抗感が増す

このような会議には参加したくありませんよね。つまりアジェンダを作成し、共有しておくことは、こうした事態に陥り、非効率的な会議となってしまうことを防ぐというメリットにつながります。具体的には以下のような利点があります。

・何を話し合う場なのか、参加者の共通認識ができる
・議題が明確になり、事前準備の資料に必要なものがわかる
・議題に沿った意見や提案がなされ、適切な結論・合意を導きやすくなる
・事前に会議や議論のゴールを共有しているため、適切な時間配分で会議を進行しやすくなる

目的を達成するための最優先事項「アジェンダ」

うまく進まない会議ってどんな会議? どうすればうまくいく?

うまく進まない会議には以下のような4つの特徴があります。

①結論が出ず、次の行動が決まらない
②時間内に終わらない
③ゴールが見えない
④参加者が誰も意見を言わない

これらの課題があると会議の生産性を下げてしまいます。どのように解消すれば良いのでしょうか?

①結論が出ず、次の行動が決まらない

結論が出ない、次の行動が決まらないことが多い場合、アジェンダを設定する際に「結論をまとめる」や「次の行動を確認する」といった項目を追加してみましょう。そうすることで、忘れずに議論することができます。

②時間内に終わらない

時間内に終わらない場合は、アジェンダに所要時間の目安を記載しておくと効果的です。可能であれば、タイムキーパーをだれかにお願いして、時間管理をお願いしておくとよりよいでしょう。

③ゴールが見えない

何を話していたかゴールが見えない場合には、ホワイトボードなど議論の内容を可視化できるツールを使って議論を見えるようにしていくと迷いがなくなります。アジェンダに「ホワイトボードを活用」など使用ツールを明記しておくと忘れずに済みます。ホワイトボードと聞くとリアルの会議を想像するかもしれませんが、オンラインミーティング用のホワイトボードもありますので活用してみてください。

④参加者が誰も意見を言わない

参加者が誰もしゃべらないことが予想される場合は、アジェンダにアイスブレイクの時間を設定しておくのがおすすめです。最近あった嬉しかったことなどを数分共有するだけで、場の雰囲気がよくなり、発言しやすくなります。

また、それでもどうしても意見が出ない場合は、ファシリテーターがまだ意見を言っていない人を指名したり、誰かの意見に対して「こういう意見が出ましたがどう思いますか?」と発言を促すような工夫をしてみるのも効果的です。

さらに会議を効率的に進めるためには? 会議の目的整理

より会議の質を高めたい、スムーズに進行したいといった場合には、会議の種類に注目してみましょう。具体的には、その会議は「共有」のためのものなのか、「相談」のためのものなのか、「決裁・結論」を出したいものなのかといった具合です。

共有目的の会議

共有目的の会議は、事前にメール等で周知し意見を募っておくことで、場合によってはわざわざ会議で時間をとる必要はなくなるかもしれません。また、事前の意見出しで「相談」や「決裁・結論」の会議に修正することもできます。

相談目的の会議

相談を目的とした会議の場合はアジェンダで相談ポイントを明確にし、情報をそろえておくことで、より相談しやすい雰囲気を作ることができます。

決裁・結論を出すための会議

決裁・結論を出すことが目的の会議であれば、期間や費用、懸念点やメリットといった「結論を出すために必要な情報」がそろっているかを事前に確認しておくと、迷いなく進行することができます。

会議を効率的に進めるために、アジェンダをうまくまとめる5つのポイント

では具体的に会議を効率的に進めるために、どのようにアジェンダを作成すれば良いのでしょうか。ポイントは5つあります。

①議論したい項目の具体的な情報を示す

「Aプロジェクトの内容について」などといった概要や抽象的な項目ではなく、「Aプロジェクトの5つの作業のうち、Bのスケジュールについて相談したい」といった具体的かつ詳細な内容や提案まで踏まえたアジェンダを作ると、参加者が議論の内容・進め方をイメージしやすくなります。

②議論したい項目のゴールは何かを明確にする

「Aプロジェクトの内容」を共有したいのか、相談したいのか、決裁を求めたいものがあるのかによっても事前準備や所要時間が変わってきます。議論したい項目の会議中のゴールはどこにあるのかをあらかじめ確認しておきましょう。

③議論の内容や進め方、種類が似た項目をまとめるなどの順番を整理する

「Aプロジェクトの内容」について話したら「Bプロジェクトの予算の決裁」があり「Aプロジェクトのスケジュール遅れの相談」に戻る……となってしまうと、情報や観点が散在し議論のしにくさを感じてしまいます。プロジェクトごとに項目を分けるなど似た項目をまとめ、議論する順番を整理しておくとよいでしょう。

④議論の目的を達成するために必要な項目ごとの所要時間を見積もる

60分しかない会議のうち「Aプロジェクトの内容」に45分も使ってしまうと、期日のある「Bプロジェクトの予算の決裁」に対し十分な議論ができないといった事態に陥ります。その会議の全体時間を意識しつつ、それぞれの項目に必要十分な所要時間を見積もりましょう。なお、話し始めると長くなる人も多いので、5~10分程度の余白をあらかじめ用意しておくのも有効です。

⑤議論をスムーズに進めるために必要な参考資料の準備を行う/指示する

議論の内容や順番、所要時間が整理できたら、それらの計画がスムーズに進むよう必要な参考資料の準備を行ったり、適切な人に準備を指示したりして会議当日を迎えましょう。指示するときは、資料の作りすぎや過剰品質にならないよう、要点や目安枚数、その資料について紹介する際の時間目安も伝えることをお忘れなく。

会議を効率的に進めるために必要な「ファシリテーター」

ここまで、会議の準備としてアジェンダ作成がいかに重要かをお伝えしてきました。このアジェンダは、誰が作るのでしょうか。

アジェンダは司会が作るという人もいます。ただ冒頭にもご紹介したように、司会とファシリテーターではその役割が大きく異なります。できる限り、議論したい項目の内容や決定事項の進捗にもコミットすることが望まれるファシリテーターがアジェンダを作成することをおすすめします。

「司会」と「ファシリテーター」は混同されがちですので整理しておきましょう。「司会」は、会議を滞りなく進行する役割を担う人のことを指します。定刻通り開始し、終了時刻に(間に合うよう)注意を払いつつ、スムーズに会議が進行することにコミットします。

一方、「ファシリテーター」は、議論の質がよい状態を作り出したり、最終的な合意が得られる状態まで引き上げたりする役割があります。参加者から意見を引き出したり、議論を円滑に進められるようになったりという場づくりをすること、多様な意見が挙がるなかでも落としどころを見極めながら合意するところまで導いていきます。後述しますが、会議を効率的に進めるために必要なのは、司会ではなくファシリテーターの役割です。

では、ファシリテーターは誰が担うとよいのでしょうか。その会議で一番立場が上の役職者? それとも最も若手が担うべき? 様々な観点での人選が考えられますが、重要なのは「議論の方向が見えなくなったときに軌道修正することができる立場・役職の人」かつ「ファシリテーターとしてのスキルを備えている人」であることです。

会議は、集まるメンバーが1人でも変われば結論や方向性、雰囲気までもが変わります。こちらの方向に進んでもらいたいという仮説や意図はあっても、その通りに会議が進むことはめったにないといってもよいでしょう。そのため議論の方向が見えなくなったり、結論がわからなくなったり、次のアクションが決められなかったり、といった事態も頻繁に発生します。

その際に、「では、〇〇のようにするのはいかがですか?」「今日は〇〇まで議論が進みましたので、次の会議では△△から議論を続けましょう」などといった提案ができる人がファシリテーター役を担うと安心です。一刀両断で結論づけたり、一方的な物言いで意見をねじ伏せたりというタイプの人ではなく、傾聴する力やWin-Winな関係を築く力のある人を選ぶことができるといいでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。効果的なアジェンダの作成と事前準備で、私たちの仕事の多くを占める会議がスムーズに進み、結果的に仕事の質が上がったり、働き方改革が加速したりすることを願っています。

 

【プロフィール】
大塚万紀子
楽天を経て06年(株)ワーク・ライフバランスを小室淑恵とともに創業。高いコミュニケーション力やコーチングスキルを活かし、売上利益に貢献するさまざまな働き方改革を効率的に遂行するコンサルティングの先駆者。心理学や組織論等をもとに多様性をイノベーションにつなげることが得意。経営者から”深層心理まで理解し寄り添いながらも背中を押してくれる良き伴走者”と厚い信頼を得る。農林水産省「食品産業戦略会議」委員(働き方改革分野担当)なども担当。二児の母。

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