- そもそも「なるほど」の意味とは?
- ビジネスシーンで「なるほど」が失礼とされる理由
- 「なるほど」以外の言葉にも注意が必要
- 目上の相手に使える「なるほど」の言い換え表現
- ビジネスシーンでは「なるほど」以外で相槌を打つ
「なるほど」は、会話の中で使う機会の多い言葉です。しかし、敬語ではないため、ビジネスシーンで目上の相手や取引先に使うと失礼な印象を与えます。
同じく、「参考になります」や「たしかに」も失礼な印象を与えやすいため、注意が必要です。本記事では、目上の相手に使える「なるほど」の適切な言い換え表現を、例文とともに解説します。
そもそも「なるほど」の意味とは?
「なるほど」とは、相手の言葉に対してその通りと同意する気持ちを表した感嘆詞です。副詞で「たしかに」「誠に」という意味で使うこともあります。
ビジネスシーンで「なるほど」が失礼とされる理由
「なるほど」自体は、やわらかい表現で相手に同意・納得を示す際に使う言葉ですが、前提や間柄によってビジネスで相手に失礼な印象を与える可能性があります。理由を詳しく解説します。
「なるほど」は敬語表現ではない
「なるほど」が敬語表現ではない点が、ビジネスシーンで使うと失礼にあたる理由のひとつです。「なるほど」を使うと、目上の相手や取引先に対しても「うん」「そうだね」と答えているような印象を与えてしまいます。
「なるほどですね」に変えてもNG
「なるほど」が敬語でないからといって、丁寧語の「です」を加えて「なるほどです(ね)」と表現しても失礼なことには変わりありません。なぜなら、「なるほど(ですね)」を使うと相手の意見を評価した上で同意したと上から目線の印象を与えかねないからです。
そもそも、「なるほど」は感嘆詞や副詞として使うため、一般的に敬語(丁寧語)をつけること自体が誤用とされています。
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「なるほど」以外の言葉にも注意が必要
「なるほど」以外にも、前提や間柄によって使うと失礼な印象を与えかねない言葉があります。ここから、とくに注意が必要な言葉を4つ紹介します。
本当ですか?
「本当ですか?」は、相手の発言を疑っているような印象を与える表現です。目上の人や取引先相手に使うことは控えましょう。
「本当ですか?」の代わりに、疑わない「そうでしたか」という表現を使用できます。
たしかに
「なるほど」の意味のひとつとして使われることからもわかるように、「たしかに」は敬語表現ではありません。目上の相手や取引先に思わず「たしかに」と使ってしまった場合は、その後に「おっしゃる通りですね」を付け加えることがポイントです。
参考になります
「参考」は、他人の意見を自分の考えを決める手掛かりにすることです。そのため、「参考になります」を目上の相手や取引先に使うと、「自分の意見は手掛かりにしかならないのか」と思われる可能性があります。
「参考になります」を使いたくなったら、代わりに「勉強になりました」と表現するとよいでしょう。
了解です
「了解」とは、物事の内容や事情を理解して承認することです。「了解」は「承認する」という上から目線の印象を与えるため、「了解です」や「了解いたしました」などの丁寧語にしても、目上の相手や取引先に使う言葉としてふさわしくありません。
代わりに「承知いたしました」「かしこまりました」などの表現を使うとよいでしょう。
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目上の相手に使える「なるほど」の言い換え表現
「なるほど」は、同意する場面や納得する場面、相槌を打つ場面などでつい使ってしまいがちな言葉です。ここから、それぞれの場面における言い換え表現を解説します。
同意なら「おっしゃるとおりです」
相手の言っていることが正しいと思い、同意を伝える場合は「おっしゃるとおりです」を使います。「おっしゃるとおりです」は、「私もそう思います」をより丁寧に使う言葉です。
なお、より丁寧にしようとして「おっしゃられるとおりです」とすると、二重敬語で誤った表現になるため、注意しましょう。
「おっしゃるとおりです」の例文
課長:A社の評判はあまり良くないから、新規取引は中断した方がよいのではないだろうか?
自分:〇〇課長のおっしゃるとおりです。私も良くない噂を耳にしたので、A社との新規取引は見送る方向で進めます。
納得なら「承知いたしました」「かしこまりました」
上司や取引先の発言に納得し、従う意思を伝える場合は、「承知いたしました」や「かしこまりました」を使います。それぞれの例文を確認しましょう。
「承知いたしました」の例文
上司:B社の〇〇社長は□□分野への関心が強いから、関連する新サービスのパンフレットを持参した方がいいよ。
自分:承知いたしました。それでは、明日訪問する際に持参いたします。
「かしこまりました」の例文
上司:C社の部長、たしか午前中はいつも外出しているはずだよ。
自分:かしこまりました。それでは、午後に連絡するようにいたします。
<関連記事>「承知いたしました」の使い方・使い分けをマスターしよう!取引先に使える言葉かどうかも解説
相槌なら「はい」
「なるほど」を相槌で使っているのであれば、シンプルに「はい」で置き換えられます。ただし、「はいはい」のように重ねて使うと、適当に返事しているような印象を与えるため注意しましょう。
なお、相槌は相手の言葉の句読点のタイミングで打つことがポイントです。
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ビジネスシーンでは「なるほど」以外で相槌を打つ
「なるほど」は便利な言葉のため、つい使ってしまいたくなります。しかし、ビジネスシーンでは失礼な印象を与えるため、「なるほど」の使用を控えた方がよいでしょう。
「なるほど」の代わりに、納得する際に「承知いたしました」や「かしこまりました」、相槌を打つ際に「はい」を使います。正しい表現を使い、ビジネスシーンで取引先への印象を良くしましょう。
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