- 「ちなみに」の意味
- 「ちなみに」は敬語表現なのか
- 「ちなみに」は前文を補足するのが正しい使い方
- 「ちなみに」をビジネスシーンで正しく使うポイント
- 「ちなみに」の例文【ビジネスシーン別】
- 「ちなみに」をビジネスで使う際の言い換え表現
- 「ちなみに」の英語表現
- 「ちなみに」を使用する際の注意点
- 「ちなみに」は前文を補足する接続詞
「ちなみに」とは、「ついでに(言うと)」という意味の接続詞です。敬語ではありませんが、文脈によって目上の相手に使用できる場合もあります。
本記事では、「ちなみに」を使う際の注意点や正しい使い方などについて、例文を交えて詳しく解説します。
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「ちなみに」の意味
「ちなみに」には、「ついでに(言うと)」という意味があります。主に、前に述べた事柄に対して、簡単な補足を付け加える際に用いる言葉です。
なお、「ちなみに」は漢字で「因みに」と書きます。
「ちなみに」は敬語表現なのか
「ちなみに」は、敬語表現ではありません。ただし、敬語表現を用いた文章内であれば、目上の相手との会話でも使用できることがあります。
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「ちなみに」は前文を補足するのが正しい使い方
前文を補足する接続詞として用いるのが、「ちなみに」の正しい使い方です。一方、話題を変える際に「ちなみに」を用いると一般的に誤用とされます。
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「ちなみに」をビジネスシーンで正しく使うポイント
「ちなみに」をビジネスシーンで正しく使うためのポイントを紹介します。
敬語表現とセットを心がける
「ちなみに」は敬語ではないため、ビジネスシーンでは、敬語表現とセットで使用することを心がけましょう。例えば、「ちなみに」をそのまま使うのではなく「ちなみに申し上げますと」(*)などと述べることで、より丁寧に伝えられます。
*申し上げます〜謙譲語「申し上げる」に丁寧語「ます」が付いた敬語
必要なときに限って使用する
「ちなみに」の使用頻度を抑え、必要なときに限って使用することを心がけましょう。なぜなら、「ちなみに」が増えると、相手に何が大切な情報か伝わらなくなるためです。
また、最初の情報よりも後の情報の方が長くなる際も「ちなみに」の使用を避けた方がよいでしょう。「ちなみに」の後には、補足情報が来るのが基本的な使い方です。それにもかかわらず、長い情報が「ちなみに」の後に来ると、そちらが重要であるかのように見えてしまいます。
「ちなみに」の例文【ビジネスシーン別】
ここから、ビジネスシーンにおける「ちなみに」の正しい使い方を例文で確認していきましょう。
プレゼンで自社商品について補足説明する際
プレゼンで取引先に自社の製品やサービスについてアピールする際、以下のように「ちなみに」を使って補足情報を加えることがあります。
〇〇は〜を可能にするサービスです。ちなみに申し上げますと、〇〇の分野において弊社は市場シェア約3割を占めています。
案内で情報を付け足す際
案内文書・メールの最初の文章で必要な情報を伝えきれない場合にも、「ちなみに」で情報を付け加えられます。以下は、課内会議の実施を伝えるメールです。
明日の課内会議は15時に開始予定です。ちなみに、今回の会議は4階のB会議室で実施します。お間違いないようご注意ください。
「ちなみに」をビジネスで使う際の言い換え表現
「ちなみに」には、さまざまな類語・言い換え表現が存在します。それぞれ確認していきましょう。
なお
「なお」は、話が終わってからさらに別の事柄を添えるときに用いる言葉です。主に案内文書やビジネスメールなどで使われています。
「なお」を使った例文
(取引先へのメールで)
先日お問い合わせいただいた商品のパンフレットを添付いたします。
なお、詳細情報は弊社ホームページからもご確認いただけます。
補足すると
「補足」とは、不十分な部分を付け足して補うことです。「ちなみに」と同じように情報を付け加える際に使われます。
なお、より丁寧に伝えたいときは、謙譲語の「いたす」を活用して「補足いたしますと」と述べるとよいでしょう。
「補足すると」を使った例文
(社内会議で)
以上が先月までの当店来客数に関するデータです。補足いたしますと、今月はさらなる来客数の増加を期待できます。
また
「また」も、別の事柄を付け加える際に使う接続詞です。ただし、副詞として使うと「再び」などの意味になるため注意しましょう。
「また」を使った例文
弊社の製品はお求めになりやすい価格が強みです。また、徹底した品質管理を実施しております。
加えて
「加えて」も、「また」と同じように一度述べたことに対して、情報や意見を追加する場合に使う言葉です。付け加えるための接続表現としては、他にも「その上」「さらに」などがあります。
「加えて」を使った例文
(社内会議で)
今期、A店の売上が前年比で30%増加しました。加えて、9か月前に新たに立ち上げたE店も、今月中には年間目標を達成する見込みです。
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「ちなみに」の英語表現
「ちなみに」にはさまざまな英語表現がありますが、それぞれニュアンスは少し異なります。各単語やイディオムの意味を確認していきましょう。
for your information
「for your information」は、「ご参考までに」という意味で主にビジネスメールで使われる表現です。また、題名に省略形の「FYI」と記載することで、参考情報であることを伝える場合もあります。
incidentally
「incidentally」は、「ついでに」「ついでながら」の意味で用いられる単語です。話し言葉よりも、主に書き言葉で使います。
by the way
「by the way」は、「ついでの話で」の意味で使う言葉です。「BTW」と省略して表記することもあります。
なお、補足情報を伝えるときは「by the way」を文末に置くことが一般的です。文頭に置くと、そこから話題を変えることを意味するため注意しましょう。
in this connection
「in this connection」は、「この点(件)について」という意味を持つ表現です。ビジネスにおいて、一度述べた事柄に関連する情報を述べる際に使用できます。「for your information」などと比較すると、ややかしこまった場面で使われることが一般的です。
「ちなみに」を使用する際の注意点
「ちなみに」を使うにあたって、いくつか注意しなければならない点があります。相手に失礼な印象を与えないために、あらかじめ注意点を把握しておきましょう。
「ところで」と言い換えない
「ちなみに」を使う場面で、「ところで」と言い換えないように注意しましょう。
「ちなみに」は、今まで述べてきた話題を補足する際に使います。それに対し、「ところで」は話題を変える際に使う機会の多い言葉です。
補足することがあるにもかかわらず「ところで」を使うと、聞き手に話題が変わったと勘違いされる可能性があります。
ビジネスシーンでの使用に注意する
ビジネスシーンで使う場合は、相手に対する表現として適切か一度が考えておきましょう。
一般的に、「ちなみに」は敬語表現を交えれば目上の相手に使用できる表現です。その一方で、「ちなみに」がややカジュアルな表現であると考える人も一定数います。
相手に失礼な印象を与えないために、カジュアルな表現を避けて補足する場合は、「補足いたしますと」「付け加えますと」などを使うとよいでしょう。
「ちなみにですが」は使用しない
「ちなみにですが」を極力使用しないことも大切です。人によっては、「ちなみにですが」を誤用と捉えることがあります。
疑問文には使わない
「ちなみに」を疑問文で使用しないようにしましょう。一般的に、「ちなみに」は相手に自分が補足情報を提供する際に使います。
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「ちなみに」は前文を補足する接続詞
「ちなみに」は、「ついでに(言うと)」という意味を持つ接続詞です。主に、前に述べた事柄に対して、簡単な補足を付け加える際に使います。
一般的に、「ちなみに」は敬語表現を交えて目上の相手に使用可能です。ただし、カジュアルな表現ととらえる人も一定数いる点に注意しなければなりません。
意味や正しい使い方を理解した上で、補足情報を述べる際に「ちなみに」を活用してください。
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