「幸いです」は、ビジネスメールなどで相手にお願いする際に使う言葉です。返信の期日を設定する場合や添付資料を確認してもらう場合に使用できます。
しかし、使用にあたっていくつか注意しなければならない点があります。「幸いです」の意味や例文、注意点を理解しておきましょう。
「幸いです」の意味とは
「幸い」は、「そうしていただければしあわせだと、人に頼む気持ちを表す言葉」です。メールで「幸いです」と伝えることで、「〜してください」「〜してくれるとありがたい」という気持ちを示します。
ビジネスシーンにおける「幸いです」の使い方と例文
「幸いです」は、取引先や目上の立場の相手にも使用できる言葉です。返信の期日を設定する場合や、添付資料を確認してもらう場合など、さまざまな場面で使用できます。
使用シーンと例文を確認していきましょう。
返信の期日を設定する場合
ビジネスシーンでは、期日までの返信してもらわないと先へ進めないことがあります。しかし、相手に急がせることになるため、期日は伝えにくいものです。
そこで、「幸いです」を使用して相手に不快な思いをさせない丁寧な文章を心がけましょう。
返信期日を設定する例文
日程的に余裕がないため、大変恐縮ですが明日までにご返信いただけると幸いです。
添付資料を確認してもらう場合
ビジネスメールに書類を添付して、取引先や上司に見てもらうこともあります。相手が見落とさないように、添付資料の確認をうながす際は、「幸いです」を使用して丁寧に伝えましょう。
添付資料を確認してもらう際の例文
詳細なデータが記載されている資料を本メールに添付いたします。ご確認いただけますと幸いです。
贈り物をする場合
贈り物をする場合も、「幸い」を使うことがあります。
贈り物をする際の例文
ほんの気持ちですが(心ばかりですが)、出張先のお土産です。ご笑納いただけますと幸いです。
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「幸いです」と似た言葉
「幸いです」に似た言葉として、「幸甚です」「助かります」があります。それぞれの意味や例文を確認しておきましょう。
幸甚です
「幸甚(こうじん)」とは、「この上もないしわせ。大変ありがたいこと」を意味する言葉です。「幸い」よりもかしこまった言葉のため、基本的に社内で使用することはありません。
「幸甚です」の例文
今週末開催予定の弊社イベントに、ぜひご出席いただけますと幸甚の至りに存じます。
助かります
「危険な状態から免れる」だけでなく、「労力・費用・負担などが少なくてすむ。楽である」も「助かる」の意味です。メールで「助かります」を使えば、「相手のサポートがあれば、自分の負担を軽減できる」ことを伝えられます。
ただし、目上の相手や取引先に使用するには失礼な表現のため、主に同期や後輩、親しくしている先輩などに対して使うようにしましょう。
「助かります」の例文
明日のプレゼン、◯◯さんがサポートしてくれると大変助かります。
「幸いです」を使用する際の注意点
「幸いです」は、ビジネスメールを送信する際に便利な言葉ですが、いくつか注意しなければならない点があります。とくに、「基本的に話し言葉で使用しない」「急ぎの場合は別の表現を検討する」「敬語にするなら「存じます」をつける」の3点を意識するようにしましょう。
基本的に話し言葉で使用しない
「幸いです」は、ビジネスメールや文書など、主に書き言葉で使用する言葉です。話し言葉ではNGというわけではありませんが、堅苦しく聞こえるため、会話での使用を極力控えましょう。
会話でお願いする際は、「お願いいたします」や「お願い申し上げます」などを使います。
急ぎの場合は別の表現を検討する
「幸いです」は、お願いに使える表現ですが、「早急の要件」であることまでは相手に伝わりません。急ぎの場合は、「お願いいたします」「していただけますでしょうか」など、「幸いです」以外のストレートな表現を検討しましょう。
ストレートな表現は、失礼にあたる気がして使いにくいかもしれません。しかし、急ぎであることが明確に伝わらず後回しになることで、結果的により相手に迷惑をかけることがあります。
状況を判断しながら、言葉を使い分けることが大切です。
敬語にするなら「存じます」をつける
「幸いです」は、基本的に目上の人や取引先にも使える言葉です。ただし、断定的な表現「です」で締めていることから、失礼な表現と考える人も少なくありません。
相手に失礼な印象を与えない敬語にするなら、「存じます」を使うとよいでしょう。「幸い」と「存じます」を使い、以下のように表現できます。
明日までに、ご回答いただけると幸いに存じます。
「幸いです」の使い方を理解した上で依頼しよう
「幸いです」を使えば、ビジネスメールにおいて「〜してください」「〜してくれるとありがたい」という人に頼む気持ちを丁寧に伝えられます。幅広い場面で使用できる言葉ですが、断定的なため失礼にあたると考える人もいるため注意が必要です。
目上の人や取引先に不快な思いをさせないようにするには、「幸いに存じます」という表現があります。「幸いです」の使い方を理解し、ビジネスメールに活用してみてください。
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