世界を舞台に情報収集やリーク、工作などを行う「CIA」はアメリカの行政機関。『ミッション:インポッシブル』や『ボーン・アイデンティティー』などの映画でも描かれるように、国の安全や利益を左右する情報を取り扱うCIA諜報員のスキルは並大抵ではありません。
なかでも最も大切なのが、“人たらし力”。まったくの他人をいかに信頼させ、情報を引き出すかが重要だからです。
今回は、CIAのスタッフだった著者が職務上のノウハウを紹介した『CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる』というベストセラー本から、あなたが今すぐビジネスに生かせるCIAのマル秘人脈テクニックを、キャリアコンパスがピックアップしてご紹介します。
あなたも“人たらし”になれる6つのテクニック
1. 相手の話にじっくり耳を傾ける
-「大切なのは、必要な情報を一度に得ないようにすること」-
こちらが話したいことや聞きたいことを一方的に押し付けるのではなく、相手の話を引き出せる会話術を身に付けることが一つ目のテクニック。たしかに、相手が主導で会話すれば気分も良くなるだろうし、知りたい情報がこちらから聞かずに出てくることもありますよね。相手の話を引き出す会話術を身に付けるためには、まず「聞き上手」になることが第一歩。必要な情報を一度に得ようとするのではなく、相手の口から自然とこぼれ落ちるのを、辛抱強く待ちましょう。
2. 相手の弱みをキャッチする
-「ビジネスで関わる多くの人は弱みを持っている。そこを突けば人は動く」-
相手の弱点に付け入ろうということではありません。例えば営業する際、相手が必要であると思われるもの、相手が持っていないものを売り込もうとすることが多いはず。それを「弱み」と置き換え、上手に売り込んでいくことがポイントだそうです。ニーズをつかむと言い換えてもいいですね。営業先については事前に徹底的にリサーチし、「弱み」を認識しておきましょう。
3. 聞きたい話へは“急がばまわれ”
-「諜報員は多くの場合、聞きたいことを直接尋ねない。相手が自分から話すように仕向けていく」-
CIAの情報収集でも、欲しい情報についてストレートに聞くと怪しまれ、ガードが固くなるそう。新規の営業などでも似た状況がありませんか。販売したいものをいきなり紹介するのではなく、会話を重ねながら、相手側からそこに言及するように持っていくのがベストです。これは高度な“人たらし”テク。日頃から話しの引き出しを増やしておくことが大事でしょう。
4. ライバルにも礼節を尽くす
-「敵・味方というのは、実は簡単に変わる」-
CIAを描いた映画を見ると分かるように、相手が敵か味方かというのは簡単には分からないのが諜報の世界。ビジネスも同じです。同業他社の人たちはビジネスの上で敵ですが、いつ味方となるか分かりません。買収や合併、あるいは転職。そういった事情から「昨日の敵は今日の友」になった後でも、良好な人間関係を保てるような付き合い方をするのが大切です。また同じ業界で悪いうわさが立てられると、後々不利益となってしまいます。ライバルであっても礼節は尽くしておきましょう。
5. 場数を踏んで養われる柔軟性
-「人と親しくなる方法は、自分と相手がどういう人間かで大きく異なってくる」-
「こうすればすぐ誰とでも親しくなれる」という魔法のようなノウハウは、さすがのCIAにもありません。一流の諜報員は相手に合わせて柔軟に対応するもの。この柔軟性は、多くの場数を踏むことで鍛えられそうです。失敗を恐れず多くの人と接し、あらゆる人に対応できる力を養っていくことが大切でしょう。
6.相手との信頼関係はギブ&テイクが基本
-「信頼関係を築くということは、親友になることではない」-
相手と密なやりとりをしていると、ついつい親しい感情を抱いてしまいますが、CIAにとってそれは命取り。目的はあくまで相手から情報を引き出すことだからです。ビジネスでも、付き合う人と無理に友達関係を築こうとするのは、お互いにとってリスクがあること。ギブ&テイクが確立すれば、十分に信頼関係が作れたことになります。そこから友達関係になっていくのはもちろんいいことですが、信頼と友情は分けて考えましょう。
いかがでしたでしょうか。CIAが扱う情報の中には、やり取りが発覚することによって協力者が危険にさらされるものも少なくありません。またCIAスタッフは基本的に、相手に対して身分を偽って接近し、最終的に協力者とするようです。このようにリスクがあり、ウソをつかれるにもかかわらず、多くの人がCIAに協力するのはなぜでしょうか。それは彼らに、相手にとってのデメリットを帳消しにして余りある“人たらし力”があるから。あなたも、相手になにもリスクを負わせない“いいやつ”ではなく、「仕方ない、あいつのためなら」と言わせる“人たらし”になりましょう!
(参考文献)
「CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる」 J.C.カールソン著 東洋経済新報社
※この記事は2014/09/08にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
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