やりたいことの見つけ方を知りたい!3つのステップと注意点を解説

仕事について「やりたいこと」が見つかると、モチベーションに良い変化をもたらします。この記事では会社員をはじめ、転職や独立を考えている人まで、ビジネスに関して「やりたいこと」を見つける方法を解説します。

自分のやりたいことを考えている様子

「やりたいことを見つけたい」と思ったことはありませんか?会社員でも、転職や独立を視野に入れている場合でも、「やりたいこと」が見つかると仕事への取り組み方が変わるでしょう。そこで今回は、「やりたいこと」を見つける方法を中心に、見つからない原因やどうしても見つからない場合の対処法などについて、キャリアコンサルタントの永田修也さん監修の基、解説します。

仕事で「やりたいこと」ってありますか?

「やりたいこと」を尋ねられる様子

ここで言う「やりたいこと」とは、自分がこれまで経験していない、新たな領域で挑戦したいこと、興味があることを指します。

ビジネスにおいて「やりたいこと」があるかと問われて即答できるビジネスパーソンはそれほど多くないでしょう。

むしろ「やりたいことが見つからない」「自分のやりたいことってなんだろう」といった悩みを抱えている人のほうが多いかもしれませんね。

しかし、現時点で「やりたいこと」がないからと言って、特別に焦る必要はありません。

そもそも、ビジネスにおいて「やりたいこと」を見つける必要はあるのでしょうか。まずは、「やりたいこと」を見つけるメリットから考えていきましょう。

「やりたいこと」が見つかるメリットは?

「やりたいこと」を見つけていきいきと働く様子

「やりたいこと」が見つかることの直接的なメリットは、仕事に対する「モチベーションが上がる」ことです。

さらに、間接的なものまで含めると、その他にもさまざま効果が期待できます。

例えば、モチベーションが上がれば、意欲的に業務に取り組めるようになるので、仕事の質が上がるでしょう。

また、新規プロジェクトに尻込みせず取り組めるといったように、難易度の高い仕事に対しても前向きに挑戦できるようになるかもしれません。

給与を目的に淡々と働いていた人が、動画編集という「やりたいこと」を見つけ、動画編集の知識と技術を身につけ、それがきっかけで業務の幅を広げて社内のSNSマーケティングを担当するようになった、というケースもあります。

このように、「やりたいこと」がきっかけで、日々の仕事に大きな変化がもたらされるかもしれません。

そもそも「やりたいこと」は見つからないといけない?

「やりたいことというのは、自然と湧き上がってくるものでは?」「やりたいことを自分から探しに行くのは違和感がある」といった考えもあると思います。

たしかに、そういった側面もあるでしょう。

日々の業務をこなし、仕事でいろいろな経験を経て、気づいたらやりたいことが見つかっていた、というケースもあるからです。

そう考えると、無理して自分から「やりたいこと」を見つけに行く必要はないとも言えます。

一方で、仕事をとおして成長したい人は、積極的に「やりたいこと」を探してみるものいいでしょう。

「やりたいこと」を探す過程で、自分の成長や気づきが得られることがあるからです。

いずれにせよ、焦らずに自分のペースで「やりたいこと」を探すのが肝心です。

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「やりたいこと」が見つかりやすい人と見つかりにくい人の違いは?

「TRY」を示したイラスト

目の前にある“必要なこと”や“頼まれたこと”に対してひたむきにトライしていたら、いつの間にかそれが自分のやりたいことに直結していた。

これは、「やりたいこと」が見つかるよくあるパターンです。

この例からも分かるように、「やりたいこと」が自然と見つかりやすい人は、好き嫌いせずに何でもトライする傾向があります。

物事にトライする回数の違いが、「やりたいこと」が見つかりやすい人とそうでない人を分ける違いの一つと言えるでしょう。

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「やりたいこと」が見つからない原因は?

仕事でうまくいかない様子

仕事で「やりたいこと」が見つからない場合、何かしらの原因があるかもしれません。主に考えられるものをそれぞれ見ていきましょう。

忙しくて時間的余裕がない

「やりたいことを見つけたい」と思いつつも、日々の仕事に追われて考える余裕がないというパターンです。

たとえアイデアが浮かんでも実行に移す体力がないので、そのまま忘れてしまいます。

中には、そんな自分に対して「結局、私は何もさせてもらえない」と悲観的になり、負のスパイラルに入ってしまい、より見つかりにくくなることもあります。

現実的に考えすぎてしまう

現実的に考えすぎてしまう人も、なかなか「やりたいこと」を見つけにくい傾向にあります。

自分の能力や経験などに基づいて、現実的に考えることは間違いではありません。

しかし、新たな挑戦や未知の領域にトライして「やりたいこと」を見つけるには、不確実な要素をある程度は無視して取り組む必要があります。

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今すぐできる「やりたいこと」の見つけ方

「やりたいこと」を書き出す様子

では、「やりたいこと」を見つけるにはどうすれば良いのでしょうか。

具体的な方法を見ていきましょう。大切なのは自己分析と自己理解で、3STEPで進めるのがコツです。

STEP1:頭の中にある“気になっていること”を書き出す

優先度や興味レベルは一旦置いておき、まずは頭の中にある「気になっていること」をすべて書き出しましょう。

スマホのメモ機能やアプリも良いのですが、ノートに書き出すとよりスムーズです。

手書きは自由度がより高いので、線を引っ張ったりマーカーで色をつけたり、図表も思いつくままに書けたりと、頭の中を整理しやすいでしょう。

STEP2:「気になっていること」を仕分ける

頭の中が空っぽになるまで、「気になっていること」を書き出したら、それらを仕分けしていきましょう。

おすすめは、「緊急度」と「重要度」の2つの軸でカテゴリー分けしていく「アイゼンハワーマトリクス」という方法です。

これにより、自分は今何をするべきかが見えてきます。

STEP3: 「緊急ではないが、重要なこと」の中から「やりたいこと」 を探す

アイゼンハワーマトリクスの中で、一番優先度が高いものは「緊急であり重要なこと」です。

ただ、これはすでに実行済みの可能性が高いでしょう。

次に目を向けるべきなのが「緊急ではないが、重要なこと」です。この領域は見落としがちで、「やりたいこと」が隠れている場合があります。

この領域に「気になっていること」がいくつかあれば、その中で「一番興味がある」とピンときたものが、「やりたいこと」かもしれません。

これには正解があるわけではないので、「やりたいこと」候補を眺めつつ、じっくり考えてみましょう。

やりたいことを見つける際に気をつけるポイントは?

同僚の意見に耳を傾ける様子

「やりたいこと」を見つけるときに、注意したいポイントがいくつかあります。主なものを3つご紹介しましょう。

“どうせ無理だろう“と除外しない

そもそも「やりたいこと」は、「今までやったことがない」からやってみたいと思うもの。つまり、今は未経験の状態です。

そのため、パッとひらめいたり興味を感じたりしても「自分には無理かも」「怖い」といった感情が出てきて、あきらめてしまうパターンがよくあります。

しかし、興味あるものを除外してしまうのは避けましょう。

いきなり大成功を目指すと「自分には無理かも」と思ってしまいがちです。そこで、まずは「自分にできるかな?どうかな?」くらいの気持ちで取り組むのをおすすめします。

あえて他人の意見を聞く

「自分のやりたいことなんだから、自分で考えるべきだろう」と思いがちですが、あえて人に意見を求めてみましょう。

他人に聞くことで、アイデアの幅が自分の常識を超え、「そんな方法があったのか!」と新たな気づきや学びを得ることもあるからです。

情報(SNSや書籍など)に流されない

「やりたいこと」を見つけるために、さまざまなセミナーやイベント、動画、書籍などから情報収集をすることは大切です。

しかし、それらに惑わされ過ぎないように注意しましょう。

なぜなら、セミナー講師や書籍の著者にとって上手くいった方法が、必ずしも自分に合うとは限らないからです。

自分用につくられたものではないからこそ、必要なエッセンスを見極めて抽出し、自分なりにアレンジしていくと良いでしょう。

どうしても「やりたいこと」が見つからない場合はどうすれば?

「やりたいこと」を探すイメージ

ここまで解説をしてきましたが、いかがでしたか。

「まだ、やりたいことが見つかりそうにない」という場合は、次の質問を自分自身に投げかけて自己分析をするのもおすすめです。

「子どものころに好きだったこと(もの)は?」

子どものころに興味があったものは、大人になっても興味を持っているものである可能性があります。

例えば、「幼少期に野球をやっていた」「中学生のときにギターをよく弾いていた」という場合、大人になっても「体を動かすこと」や「音楽」が好きという大枠は維持されやすい傾向にあります。

そのため、幼いころの記憶を辿って、好きだったものやことを思い出し、自分の興味関心のルーツを探るのも一つの方法です。

「10年後どうなっていたいですか?」

自分のことを理解していく上で、「この先どうなりたいか」は漠然とでも考えておきたいところ。

「やりたいこと」がなかなか見出せないのに、未来のことまで考えるのは難しいと思いますが、あえてこの質問にトライしてみましょう。

10年後ではないにしても「5年後は?」「3年後は?」と、少し先の未来をイメージすることで「今よりも〇〇な仕事をしていたい」という願望、つまり「なりたい姿」が出てくるかもしれません。

この質問は、その姿から今すべきことを逆算するために有効な質問と言えます。

「どんな自分でありたい(周囲に見られたい)ですか?」

2つ目の質問と似ていますが、この質問はもう少し人間性についての話になります。

この質問では、例えば「今より頼りにされる存在になりたい」「ごまかさずに誠実に人と関われるようになりたい」など、価値観や性格についての願望に気づけるでしょう。

価値観が明らかになると行動や振る舞いの変化につながります。その結果、「やりたいこと」が見えてくるのです。

「やりたい!」という直感に従ってもOK

「やりたいこと」が見つかると、仕事へのモチベーションアップが期待できます。

ご紹介した3STEPの方法や質問などを参考に、自分のペースで「やりたいこと探し」にトライしてみてはいかがでしょうか。

また、ときには「直感」に従うのもおすすめです。

「何となくやりたいと思っていたこと」を考えていたタイミングで、そのテーマの書籍がやたらと目につくなど、もしかすると無意識の領域での自分が反応している可能性があります。

そういった心の声にも耳を傾けつつ、取り組んでみると良いかもしれません。

監修:永田キャリアコンサルタント事務所代表 永田修也
国家資格キャリアコンサルタント、メンタル心理カウンセラーの資格を持つ。自動車部品やアパレル、福祉企業勤務などを経て、2016年にキャリアコンサルタントとして開業。現在では、個別でのキャリアカウンセリングはもちろん、YouTubeチャンネルやブログを通した情報発信のほか、主に学生の就職支援や社会人の退職・転職相談等の相談業務を行っている。また、障がい者福祉施設支援や更生保護施設での元受刑者の就労ガイダンスの活動にも従事するなど、多方面で活動している。

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