休日に遊ぶと仕事のモチベーションも上がるって本当?専門家に訊く、仕事と趣味の関係性

子供の頃、誰もが持っていたであろう”趣味”。社会人になってから、仕事が忙しくなり、休日は寝るだけ。きっと、多くの人が趣味に費やす時間を確保できなくなり、趣味がない状態になってしまっているでしょう。

休日に遊ぶと仕事のモチベーションも上がるって本当?専門家に訊く、仕事と趣味の関係性

子供の頃、誰もが持っていたであろう”趣味”。社会人になってから、仕事が忙しくなり、休日は寝るだけ。きっと、多くの人が趣味に費やす時間を確保できなくなり、趣味がない状態になってしまっているでしょう。

「別に趣味がなくても……」と思うかもしれません。しかし、「趣味を持つことは仕事に影響を与える」と言われています。果たして、休日を趣味の時間にすることで仕事のモチベーションは上がるのでしょうか?今回、心理カウンセラーの大野萌子さんに「仕事と趣味の関係性」について伺いました。

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“何か”をするという意識があるだけでも違う!趣味を持つことで積極性が育まれていく

 


5日間働き、ようやく迎えた休日。時間を気にすることなく、寝続けることが月曜日からの仕事を元気よく働くコツと考えてしまってませんか?実は、休日を寝て過ごすことは、かえって仕事に対してネガティブな感情を蓄積させていくだけです。

大野氏は「何も趣味がなく寝ているだけでは、ずっと仕事のことばかり考えてしまいがち。その状態が続いていくと、結果的に鬱の要因になることも(ある)」と言います。

仕事のことを忘れられる休日であるにも関わらず、特に何もせずに過ごしてしまうと、オンとオフの切り替えができないまま、働き続けることになってしまいます。そうした背景もあり、大野氏は「趣味を持つことは仕事に良い影響を与える」と考えているとのこと。

何か熱中できるものや好きなことを見つけることで、頭の中を仕事→プライベートに切り替えることが可能に。メリハリをつけて仕事に臨めるようになるため、結果的に仕事の生産性が上がりやすくなるそうです。

効果はそれだけではありません。趣味を持つことで積極性が育まれていくため、仕事に対してポジティブなイメージを持てるようになるのです。例えば、ギターの演奏を趣味にしたとしましょう。


いきなり上手に演奏できるわけではないので、「どうやったら上手く演奏できるようになるのか」練習方法を検索し、自分で色々と試してみることでしょう。この自分で足りないことを考え、どんどん試してみる。この趣味に対する姿勢が積極性を養うことにつながるのです。そして、その姿勢は仕事にも大いに役立ちます。

「仕事がつまらない……」と感じてしまう人の多くは、常に受け身の姿勢で上司から言われたことをやり続けるため、現実と理想のギャップを感じやすく、仕事がネガティブなものに……。

そういった状態から抜け出し、モチベーション高く仕事をこなしていくためにも、趣味を持つことは大切になるのです。

何を趣味にすればいいの?困った人は20分、外に出ることから始めてみる

 


とはいえ、「いきなり趣味を持った方が良いと言われても、何を趣味にすればいいの?」と思う人もいるでしょう。趣味といえば、最近はランニングやボルダリングといった運動がオススメされますが、大野氏は「運動が嫌いな人もいる。無理に趣味を探そうとしなくてもいい」と語ります。

好きではないものを始めてみても、結局続いていかないのが関の山。いきなり趣味を見つけようとするのではなく、最初は20分くらい外に出てみることが良いそうです。

「心の安定を保つ作用があるセロトニンを生成するには、20分くらいの運動が丁度いい。無理に運動をしようとせず、まずは20分くらい外に出てみてほしい」と大野氏。

例として挙げたのは、家の近くを散歩する、コンビニまで歩いていくといったこと。些細なことに感じるかもしれませんが、こうした行動もオンとオフの切り替えには効果的。寝るだけの休日から脱するためにも、まずは20分間外に出てみることから始めていきながら、熱中できるものや好きなことを見つけていきましょう。

趣味を見つけたいなら飲み会に行ってみる!昔に流行っていた音楽を聴くのも効果的

 


オススメの趣味はあるのか、大野氏に聞いてみると「オススメの趣味はありません。本人が夢中になれるものを趣味にしないと」と答えます。では、どうやって自分が夢中になれるものを探せばいいのでしょうか?それは昔の自分が何に興味を持っていたのか、もう一度思い返してみればいいだけです。

昔の自分が興味を持っていたものを思い出すために役立つのが、学生の頃の友人と飲みに行く。仕事仲間と飲みに行くと、職場の愚痴などが話題の中心となってしまうかもしれませんが、学生の頃の友人と飲みに行くと思い出話に華が咲きます。話をしていくうちに、自分がどんなことに興味を持っていたのか思い出すことでしょう。そして、それが趣味を持つタイミングになり、良い気分転換にもなるのです。

また、大野氏は「昔に流行っていた音楽を聴いてみるといい。昔の記憶が蘇り、もう一回昔の趣味を始めてみようと思うかもしれない」と言います。

学生の頃、憧れていた趣味。みなさんにも一つはあったのではないでしょうか?しかし、学生の頃はお金もなく、諦めていたかもしれませんが、社会人になり経済的にも余裕がある今、趣味にすることは不可能ではありません。過去の記憶を呼び起こすという意味でも、昔の音楽を聴くことは効果的です。

「周りの人がやっているから……」という理由で適当に趣味を持っても夢中になれず、途中で飽きてしまうだけでしょう。本当に自分が夢中になれる趣味を見つけたいなら、過去の自分を知ることが大切。まずは友人に連絡して、飲み会に行ってみるといいでしょう。

寝るだけの休日から抜け出す!趣味を持ち、オンとオフが充実している社会人に!

 


仕事で成果を出し、満足のいくキャリアを歩んでいくためには、オフの充実も欠かせません。休日を寝て過ごしているだけでは、メンタルの切り替えも上手くできず、鬱屈した思いを抱えたまま月曜日から働くだけでしょう。

もちろん、睡眠をとって英気を養うことも大切です。しかし、どれだけ寝たからといって寝溜めできるわけではありません。であれば、休みの日のどちらかは外に出てみてください!そういう、ちょっとした行動が趣味を持つことにつながりますし、新たな発見があるかもしれません。

飲み会に行く、音楽を聴く。他にも色々あるでしょう。TSUTAYAに行って映画を借りてくるも良し、本屋さんに行ってくるも良し。こうした行動が何かしらの趣味につながっていくはずです。そして、趣味を持つことがあなたの社会人としてのキャリアをより輝かせてくれることでしょう。

※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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