- 仕事でプレッシャーを感じてしまうのはなぜ?
- プレッシャーを感じやすい仕事ってどんなもの?
- 仕事でプレッシャーを感じやすい人の特徴
- プレッシャーが大きすぎることで生まれるデメリット
- プレッシャーがあることで生まれるメリット
- 仕事でプレッシャーを克服する方法
- 適度なプレッシャーはポジティブなストレス
仕事でプレッシャーを感じてしまうのはなぜ?
プレッシャーを感じるのは、「この仕事で失敗したくない」という気持ちの表れです。そのプレッシャーを「自分を強くする大事なチャンス」と捉えると、苦しみを乗り越え、大きく成長することができます。大切なのは、プレッシャーの正体を知り、上手に付き合っていくこと。そして、プレッシャーに振り回されないようにしていくことです。
プレッシャーとストレスの違い
プレッシャーとは、他人の期待や思惑、自分の置かれた環境や背負っている責任などから生じる精神的重圧のことです。一方のストレスとは、プレッシャーなどの外から加えられた刺激によって、心身の状態に変化が生じることです。
適度なプレッシャーは精神にとってほどよいストレスとなり、心身がエネルギッシュになります。一方、過剰なプレッシャーにさらされ続けるとストレスが強くなりすぎ、仕事に悪影響が出てしまいます。
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プレッシャーを感じやすい仕事ってどんなもの?
プレッシャーを感じやすいかどうかは個人の考え方に大きく影響されますが、次の3つのタイプの仕事に従事していると、プレッシャーを感じやすくなると言えるでしょう。プレッシャーを感じやすい仕事のタイプの特徴と、これらの仕事に従事しているときのプレッシャーの感じ方について解説します。
経験したことがない仕事
今までに経験したことがない仕事に取り組むと、手順もやり方も分からず、「自分にできるだろうか?」という不安が強くなってしまうものです。この不安があるとプレッシャーを強く感じるようになり、緊張に縛られてしまいます。特に、仕事の腕を見込まれて転職や異動をした場合には、プレッシャーはさらに強くなります。
期間が短すぎる・目標が高すぎる仕事
短期間でクオリティの高い成果を出すことを求められたり、高い売上目標のノルマを課せられたりするなど、目標の高すぎる仕事を背負うと、過剰なプレッシャーにさらされてしまいます。特に、チームのトッププレイヤーとして最高の成果を出すことを期待されている人は、きわめて強いプレッシャーを抱えてしまいます。
ミスが許されない仕事
一回のミスが組織全体の運営を狂わせるほどの重要な任務を負っていたり、小さなミスが人命にかかわるような重大な仕事に携わっていたりすると、「絶対にミスができない」というプレッシャーを常に抱えるようになります。こうした責任を一人で背負っている場合には、プレッシャーも非常に強くなります。
仕事でプレッシャーを感じやすい人の特徴
仕事をする上でプレッシャーを感じやすい人には、考え方に大きな特徴があります。次の3つのタイプの人は特にプレッシャーを感じやすい傾向があるため、自分の考え方の特徴をじっくり見つめてみましょう。
責任感が強くすべてを自分のせいと感じてしまう人
自分の失敗はもちろん、チームメンバーによる失敗もすべて「自分の責任だ」と考える人は、自らプレッシャーを増やしてしまいます。そのため、メンバーがミスをしないかと常に気になり、仕事を監視したり、仕事に口を出しすぎたりすることで、しばしば周囲にもプレッシャーを与えてしまいます。
完璧主義ですべて100点を取らないと気が済まない人
合格基準を満たしているのに「満点が取れていないないからダメだ」と自分を責め、常に完璧な成果を求める人は、自分でハードルを上げ、プレッシャーを増やしている可能性があります。完璧主義が強すぎると、いくら良い成果を出していても満足することができません。成長するごとに、さらに高いハードルを自分に課していくため、いつまでもプレッシャーがなくならず、自縄自縛になりやすくなります。
失敗することを過度に気にしてしまう人
「失敗してはならない」という思いが人一倍強く、失敗した後にひどく落ち込み、自分の非を責め続けてしまう人は、プレッシャーを感じやすい傾向があります。失敗した場合には、その経験を糧として同じミスを繰り返さない方法を考えることが重要なのですが、このように発想の切り替えができないと、プレッシャーに押しつぶされてしまいます。
プレッシャーが大きすぎることで生まれるデメリット
大きなプレッシャーにさらされると心身が過大なダメージを受け、行動にも乱れが生じてしまいます。次の2つは特に注意したい、大きなプレッシャーによるデメリットです。
過度なストレスで緊張状態から抜け出せない
過剰なプレッシャーに常にさらされていると、ストレスが増える一方になり、心身ともに疲弊してしまいます。特に責任の重い仕事をいくつも抱え、チーム全体の運営も行わなければならない場合、プレッシャーも人一倍強くなります。すると、休日などで仕事から離れても緊張感が持続し、疲弊しやすくなってしまいます。
普段通りのパフォーマンスを発揮できなくなる
プレッシャーが大きすぎると緊張しすぎてしまうため、思うように体を動かせなくなったり、普段通りの思考・考え方で物事をすすめられなくなったりすることがあります。こうしたときには、失敗への不安も強くなるため、失敗する自分の姿ばかりを思い描いてしまいます。その結果、実力があっても、普段通りのパフォーマンスを発揮できなくなってしまうことがあります。
プレッシャーがあることで生まれるメリット
プレッシャーを感じることは何もデメリットだけではありません。適度なプレッシャーは心身へのほどよいストレスとなり、「困難な状況であっても挑戦したい」という前向きな気持ちを生み出します。特に次の3つは、プレッシャーがもたらしてくれる大きなメリットです。積極的に活用していきましょう。
プレッシャーを乗り越えるごとに打たれ強くなる
プレッシャーをひとつ乗り越えて目標をクリアできると、ストレスもひとつ乗り越えることができます。すると、次に同じような試練に直面しても、困難を克服した体験が自信を生み、新たな試練に挑戦することができます。このように、「プレッシャーの克服→自信の獲得→さらなる挑戦」という正のループを繰り返すことによって、打たれ強い自分になることができます。
今までにない仕事のアイデアを思いつくことがある
新しいものを生み出す際には、プレッシャーが原動力となります。たとえば「多くの人の期待に応えなければならない」「後には引き返せない」といったプレッシャーがあると、「何としても結果を出そう」という強い意志が沸き上がります。すると、その強い意志に導かれて、これまで想像もつかなかったアイデアや、思いがけない打開策を思いつくことがあります。
達成したときに成長を実感できる
プレッシャーは苦しいものですが、その苦しさから逃げずに仕事を成し遂げることによって、成長を実感することができます。こうして成長していくと、難しい仕事を任されても逃げ腰にならず、勇気をもって引き受けることができます。この体験は、リーダーとしてチームをまとめたり、挑戦的な仕事にチャレンジする際に、大いに活かすことができます。
仕事でプレッシャーを克服する方法
数々のプレッシャーを克服し、成長していくためには、思考と行動を柔軟にしていく必要があります。仕事のなかで次の3点を繰り返し実践すると、思考や行動が柔軟になり、プレッシャーを克服することができます。
プレッシャーの原因を特定し窮屈な思考を解放する
自分の心情とじっくり向き合うと、プレッシャーの原因が絞られてきます。例えば、他人の評価を気にして自らプレッシャーを強くしていることに、気づくことも多いのではないでしょうか。
しかし他人は多くの場合、「成功することもあれば、失敗することもあるだろう」と大らかに考えているものです。したがって、自分にプレッシャーを与えている窮屈な思考を解放し、「できる範囲で頑張ればいい」と自分に言い聞かせていきましょう。
成功像を明確にして前向きな気持ちで挑戦する
プレッシャーを感じると、失敗した自分の姿ばかりを思い浮かべるようになりますが、そんなときこそ意識して「成功したときの自分」を思い浮かべるようにしましょう。
成功像をはっきりイメージすると、進むべきゴールが明確になり、ゴールに向けて進むべきステップも見えてくるでしょう。その結果、余計な心配にとらわれずに、前向きな気持ちで挑戦していくことができます。
抱え込まず周囲の人に相談しサポートを依頼する
一人でプレッシャーと対峙していると、深刻に考えすぎてしまいます。すると「この仕事で失敗したら、自分は終わりだ」というように、極端にネガティブな思考にとらわれてしまいます。このネガティブな思考の悪循環を回避するには、周囲の人から客観的な意見をもらうのが一番です。
すると多くの場合、「心配していたけれど杞憂だった」という事実に気づくことができるでしょう。また、普段から周囲の人に相談する習慣を持っていると、必要なタイミングでサポートを受けることができ、一人でプレッシャーに立ち向かわなくてもいいのだと気づくこともできます。
適度なプレッシャーはポジティブなストレス
本気で仕事に取り組んでいれば、プレッシャーはつきまとうものです。適度なプレッシャーは、自分を成長させてくれる良いストレスになりますが、プレッシャーが過剰になりすぎると、悪いストレスが増えて心身ともに疲弊してしまいます。
この悪いストレスが溜まらないようにするには、深刻に考えすぎたり、一人で抱え込んだりしないことが大切です。自らプレッシャーを増やさないように心がけましょう。「プレッシャーが強くなっているかもしれない」と感じたら、その都度、本記事でお伝えしたポイントを参考にしながら、過剰なプレッシャーから自分を解放していきましょう。
【プロフィール】
大美賀 直子(おおみか なおこ)
メンタルケア・コンサルタント。公認心理師、精神保健福祉士(以上、国家資格)、産業カウンセラーの資格を持つ。「こころと人生と人間関係のベストバランス」をテーマに、カウンセリング、講演、執筆活動を行う。働く人のメンタルケアに関する造詣も深く、テレビ、新聞、雑誌、インターネットを中心に情報を発信。企業研修でも好評を得ている。『なぜあの人の働き方は「強くて美しい」のか?』『サイボーグを目指さないことにした働く私の「自分時間」』(アスカビジネス)、『どうして会社に行くのが嫌なのか?』(アスキー新書)などの仕事に関する著書も出版。
大美賀直子|メンタルケア・コンサルタントーこころと人生と人間関係のベストバランスを提案 - 大美賀直子(メンタルケア・コンサルタント)の公式HP (mentalcare555.com)
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