パワーポイントで見やすいデザインを作成しよう!背景の作り方も解説

パワーポイントで聴き手の関心をひくためには、見やすいデザインを心がけることが大切です。また、状況に応じて、背景も設定するとよいでしょう。本記事で、パワーポイントで見やすいデザインのスライドを作成するコツや、背景の作り方を解説します。

背景に色をつける手順1

パワーポイント(Microsoft PowerPoint)のデザインや背景の作り方自体は難しくありません。ただし、プレゼンテーションの効果を高めるためには、見やすくする工夫が必要です。

見やすいデザインにするためのコツとして、使う色を絞ることやフォントを統一することなどが挙げられます。本記事で、パワーポイントのデザインや背景設定の方法をマスターしましょう。

パワーポイントで見やすいデザインにする6つのコツ

ここから、Microsoft PowerPoint(以下、パワーポイント)で見やすいデザインにするための6つのコツを紹介します。

1. 使う色を絞る

たくさんの色を使用すると見にくくなるため、使う色を絞ることが大切です。そこで、メインカラー・サブカラー・アクセントカラーの3色を意識するとよいでしょう。

メインカラーはスライドの中心となる色、サブカラーはメインカラーを補う色、アクセントカラーは印象付けるために使う色のことです。一般的に70(75):25(20):5が、使用比率の目安とされています。

2. スライドのサイズやフォントを統一する

各スライドのサイズやフォントを統一することも、見やすいデザインにするために必要です。デザインに一貫性が欠けていると、読み手の集中を妨げてしまう可能性があります。

スライドのサイズは、「16:9」もしくは「4:3」を使用することが一般的です。表示するディスプレイにあわせた比率を選択するとよいでしょう。

フォントは、視認性の高い「メイリオ」や「游ゴシック」などで統一します。英文には、「Arial」「Segoe UI」などを使うとよいでしょう。

3. 配置を整える

配置を整えることも、見やすいデザインにするためのコツです。必要な情報をスムーズに伝えられるように、文字・表・画像の位置を揃えたり、適度な間隔を空けたりしましょう。

また、読み手の目の動きを考慮して配置することも大切です。例えば、資料を読む際に左上・右上・左下・右下の順に目を動かす「Zの法則」に従って配置の位置を決めれば、より読み手が理解しやすい資料を作成できます。

4. 伝えたいメッセージを絞る

メッセージの文字数を絞ることも、見やすいデザインにするために必要です。

長い文章をスライドに盛り込むと、読み手にすんなりと伝わらない可能性があります。そこで、パワーポイントでは1つの文章を人が認識しやすい9〜13文字にまとめることを心がけましょう。13文字以内に重要な情報を伝えきれない場合は、近くに補足情報として箇条書きで記載する方法があります。

なお、プレゼンを成功させるためには、雰囲気づくりや話し方に気を配ることも大切です。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

<関連記事>プレゼンを成功させるポイントとは?効果的な構成や、やりがちな失敗を分かりやすく解説

5. 背景色と文字色の調和を意識する

パワーポイントで背景を設定する場合は、背景色と文字色の調和を意識することがポイントです。

明度に差がなく、彩度が高い色を組み合わせると、「ハレーション」を引き起こすことがあります。デザインにおけるハレーションとは、特定の配色の組み合わせで、目がチカチカすることです。

ハレーションを引き起こすと、読み手は資料が読みにくくなり、不快感を覚えるようになります。その結果、プレゼンで失敗しかねません。

6. 華やかすぎる背景は避ける

華やかな背景も、極力控えた方がよいでしょう。

自分で資料を作成している時は、カラフルな方が綺麗に見えるかもしれません。しかし、実際にプレゼンで使ってみると、オーディエンスにとっては読みにくい資料になっていることがあります。

プレゼンで成功するために、相手のことを考え、シンプルで見やすい背景を使用するようにしましょう。

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スライドの背景設定方法・作り方3つ

パワーポイントの背景とは、各スライドの文字や図の背後にある部分のことです。初期設定では白ですが、背景を設定することでインパクトを与えたり、見やすくしたりできます。

パワーポイント背景設定前

パワーポイント背景設定後

パワーポイントで背景を設定する方法は、主に3つです。それぞれ解説します。

1. 背景に色をつける

シンプルに背景に色をつける方法を解説します。

手順1 デザインタブから背景の書式設定を選択

まず、発表に使用するスライドを開き、デザインタブで背景の書式設定を選択します。

背景に色をつける手順1

手順2 「塗りつぶし(単色)」をクリックして色を選択

続いて、塗りつぶしの種類(単色・グラデーション・図またはテクスチャ・パターン)が表示されるので、プレゼンにあったものを選びましょう。今回は、シンプルな「塗りつぶし(単色)」を選択します。

最後に「色」や「透明度」を指定すると、背景が希望の色に変わります。

背景に色をつける手順2

2. パワーポイントのデザインアイデアを使う

パワーポイントには、背景デザインが付属しています。背景の良いアイデアが思い浮かばない場合に、活用しましょう。

デザインタブをクリックすると、画面上部にデザインアイデアの一覧が表示されます。気に入った画像をクリックするだけで、各スライドがそのデザインに変わります。

パワーポイントのデザインアイデアを使う

3. 保存済みの画像を背景にする

パワーポイントでは、すでに自分が保存している画像を背景にすることもできます。

手順1 デザインタブから背景の書式設定を選択

背景に色をつける場合と同様に、まずデザインタブから背景の書式設定を選択します。

手順2 「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」をクリック

保存済みの画像を背景にする手順2

次に、「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」をクリックしましょう。その後、「画像ソース」の下にある、「挿入する」を選択します。

手順3 ファイルから画像を選択

最後に、パソコンに保存されている画像を選択しましょう。以下のように、画像が背景として表示されれば成功です。

保存済みの画像を背景にする手順3

背景の色を変更する方法

すでに塗りつぶしやデザインアイデアなどで背景を設定していても、色の変更は可能です。背景の色を設定する場合と同じ様に、まずデザインタブから背景の書式設定を選択し、「塗りつぶし」のいずれかの種類を選択して色を変更します。これだけで、「デザインアイデアのコンセプトはいいけれど、色を少し変えたい」という場合に対応可能です。

パワーポイントの背景で困った時の解決方法を紹介

ここから、パワーポイントの背景で困った時の解決方法を、3つのシーンに分けて紹介します。

背景のせいでプレゼン資料が読みにくくなった!

インパクトやウケを狙って背景を設定したことで、当初よりプレゼン資料が読みにくくなることがあります。例えば、以下の画像だと雰囲気が暗く、文字も読みにくいでしょう。

PowerPoint背景調整前

背景で文字が読みにくい場合の解決策として、以下の方法があります。

  • 文字を移動する
  • 文字の色を変える
  • 背景の「透明度」を上げる

今回は、先ほどの読みにくい画像に対して、背景の「透明度」を上げてみましょう。背景の「透明度」は、デザインタブの背景書式設定で調整可能です。今回は、60%に設定します。

PowerPoint透明度調整

文字色を変更して背景の透明度を上げると、以前よりも文字を認識できるようになりました(下画像)。

パワーポイント透明度調整後

プレゼンでは、相手に興味を持ってもらうことが大切です。資料が読みにくい場合は、背景画像に固執せずに別の画像と差し替えるか、削除することを検討しましょう。

失敗したので背景を削除したい!

失敗したので背景を削除したいという場合は、背景を白に設定しましょう。デザインタブから背景の書式設定を選択し、「塗りつぶし(単色)」をクリックして白を選択するだけで、当初の背景に戻ります。

ただし、デザインアイデアで背景を設定した場合は、「塗りつぶし(単色)」に白を選択するだけでは戻りません。

パワポ白の塗りつぶし

その場合は、デザインタブをクリックし、左側にある白のシンプルなデザインアイデアを選択してください。

パワポデザイン白の背景

これで、初期設定のデザインである白の背景に戻りました。

一部だけ背景を変更したい!

デザインアイデアを活用した場合など、背景を設定すると全てのスライドが同じ背景になることがあります。その場合、背景を変更したいスライドで「背景の書式設定」をクリックし、「背景グラフィックスを表示しない」を選択すれば対象スライドだけ背景がなくなります。

一部だけ背景を変更したい

一部だけ背景を変更済み

その反対に、「背景書式設定」で「すべて適用」をクリックすれば、設定した背景を全スライド共通にできます。

テンプレートを作成すれば同じデザインを使用できて便利

プレゼンでよく使用するデザインがある場合は、テンプレートにしておくと便利です。今回は、以下のデザインをいつでも手軽に背景として使用するための手順を解説します。

テンプレート見本

手順1 スライドマスター・スライドレイアウトを変更する

スライドのテンプレートを作成するには、まずスライドマスターでレイアウト変更しなければなりません。スライドマスターとは、設定した背景やフォントなどをすべてのスライドに反映できる機能のことです。

「表示」タブをクリックし、「スライドマスター」を選択しましょう。

表示タブとスライドマスター

続いて、1番上のスライド(マスタータイトル)で頻繁に使用するデザインを作成し、完了したら「マスター表示を閉じる」をクリックします。

マスタータイトルの設定

これで、どのスライドでも同じデザインを使用できるようになりました。

どのスライドでも同じデザインを使用できる状態

手順2 PowerPointテンプレートとして保存する

スライドマスターを変更したら、PowerPointテンプレートとして保存します。まず、「デザイン」タブをクリックし、「現在のテーマを保存」を選択しましょう。

「デザイン」タブで「現在のテーマを保存」

「名前を付けて保存」ウィンドウが表示されたら、「ファイルの種類」が「PowerPointテンプレート」になっていることを確認した上で、「保存」をクリックします。

「保存」をクリックする

これで、デザインをテンプレートとして保存できました。新規でプレゼンテーション資料を作成する際は、「その他のテーマ」をクリックして「ユーザー設定」「Officeのカスタムテンプレート」を選択し、対象のファイルを開けば作成したデザインをすぐに使用できます。

「その他のテーマ」をクリック

「ユーザー設定」「Officeのカスタムテンプレート」を選択

パワーポイントの背景を作成して魅力的なデザインの資料にする

パワーポイントで見やすいデザインを作成するには、使う色を絞ることや配置を整えることなどが大切です。また、背景を設定してテンプレートとして保存しておけば、スムーズに魅力的な資料を作成できます。

背景の作り方は、対象のスライドでデザインタブから背景の書式設定を選択し、「塗りつぶし」で色や画像を指定するだけで簡単です。ただし、背景にこだわり華やかになりすぎると、資料が読みにくくなるため注意しなければなりません。

読み手・聴き手のことを考えてパワーポイントのデザインや背景を設定し、今まで以上に効果的なプレゼンを目指しましょう。

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