今回はMicrosoft Excel(以下、Excel)の「データ抽出」について解説していきます。
「膨大なデータベースから該当するデータだけを見たい」というとき、どのようにデータ抽出をしているでしょうか。この記事では、そんなときに活用できるテクニックを3つ紹介します。
- テーブル機能を使いこなそう!スライサーを使うと何ができる?
- スライサーで特定のデータを抽出する方法
- 別シートにデータ抽出するならフィルターオプションを使う
- 関数でデータ抽出するなら「FILTER関数」が便利(Excelのバージョンに制限あり)
- まとめ
テーブル機能を使いこなそう!スライサーを使うと何ができる?
テーブルを挿入するとフィルターや並べ替えができるようになります。見たいデータだけを取り出したり、データの順番を入れ替えたりでき、とても便利なExcelの機能です。
なお、テーブル機能の基本的な使い方については以下記事でも詳しく解説しているので、「テーブル機能って何?」という方はこちらもご覧ください。
【Excel】まだそのまま名簿づくりしてるの? テーブル機能で効率&質が大幅アップ!
特定のデータを抜き出したい場合は、テーブルの補助的機能「スライサー」を使いましょう。スライサーは、ワンクリックでフィルターをかけられる機能で、一般的なフィルターよりも便利です。
たとえば、通常のフィルターを使うと、
表頭の逆三角ボタンをクリックして(手間①)、
「すべて選択」を一度押してチェックを全解除して(手間②)、
見たいデータにチェックを入れなおし(手間③)、
OKを押す(手間④)。
このように4つのステップが必要ですよね。さらに「複数の項目でフィルターをかけたい」となれば、さらに手間は増えていきます。
一方スライサーを使うと、見たい項目を1クリックするだけでフィルターをかけられます。
スライサーで特定のデータを抽出する方法
スライサーの具体的な使い方をご紹介します。
まずはテーブルを用意します。テーブルができたら、さっそくスライサーを挿入していきましょう。テーブル上にカーソルを持っていくと「テーブルツール(デザイン)」というタブが表示されます。そのなかにある「スライサーの挿入」をクリックしてください。
すると「スライサーの挿入」というダイアログボックスが表示されます。そのなかにはテーブルの表頭項目が並んでいると思いますので、抽出したい項目にチェックを入れます。
たとえば、店舗別データを見たいのであれば「店舗名」にチェックを、月別データを見たいのであれば「月」にチェックを入れるといった要領です。
チェックを入れてOKを押すと、スライサーが登場します。項目ごとにスライサーが用意され、それぞれのデータ内容(店舗名であれば、横浜、渋谷、千葉、大宮)が表示されています。これを使って、データ抽出を行っていきます。
「横浜と渋谷の飲みもののデータを見たい」という場合には、店舗名で「横浜」・「渋谷」、商品で「お茶」・「ジュース」を選択します。そうすると自動的にテーブルにフィルターがかかるという仕組みです。
スライサー内の項目を複数選択したい場合には、スライサーウィンドウ上部左のボタンを押し、フィルターを解除したい場合には上部右のボタンを押しましょう。
また、スライサーは通常のオブジェクト(図形)扱いなので、削除する場合は選択してBack Spaceキーを押せば消すことができます。
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別シートにデータ抽出するならフィルターオプションを使う
元のデータから条件に当てはまるデータを「別シートに抽出したい」という場合には、フィルターオプションを使うのがおすすめです。
「データ」タブ→並べ替えとフィルター内の「詳細設定」から設定が行えます。先ほどのデータベースを例にデータ抽出方法をご紹介します。
はじめに、条件となる項目をデータ抽出用のシートに入力しておきます。
次に、「データ」タブ→並べ替えとフィルター内の「詳細設定」を選択し、「フィルターオプションの設定」を行います。具体的な設定は以下の通り。
抽出先:指定した範囲
リスト範囲:データベース全体を指定
検索条件範囲:データ抽出用シートの条件項目のセルを指定
抽出範囲:データ抽出用シート上で、抽出したデータを表示させたいセルを指定
条件のセル(上記の例ではA2セル)を変更すれば、それに応じたデータをデータ抽出用シート上に表示することもできます。
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関数でデータ抽出するなら「FILTER関数」が便利(Excelのバージョンに制限あり)
最後にご紹介するデータ抽出方法は、「FILTER関数」を使う方法です。ただ、この関数はOffice 365(サブスクリプション)もしくはExcel2021(2021年10月5日発売)のみで使用可能で、Office2019以前のバージョンでは使えないので注意しましょう。
FILTER関数は「=FILTER(配列 , 含む , [空の場合])」で定義され、指定した条件に基づいてデータの範囲をフィルター処理できます。
例を用いてもう少し詳しくご紹介します。下のデータベースから「ジュース」の列のみを抽出したいとします。
このとき、各引数を以下のように指定します。
配列:A2:C19
含む:B2:B19="ジュース"
空の場合:適宜指定(省略可能)
そうすると以下のように、「ジュース」を含む列が抽出できます。
「特定の店舗だけのデータを見たい」「ある商品のデータを抽出したい」という場合は、最初に説明したスライサーのほうがシンプルで便利です。ただ、FILTER関数は、条件を式で表すことができるので「販売価格200円以上のデータを抜き出したい(この場合は、含むの項目を「≦200」とする)」など、より複雑な条件指定ができるのがポイントです。
まとめ
今回は、テーブルのスライサー、フィルターオプションの設定、FILTER関数、全部で3つのデータ抽出方法をご紹介しました。それぞれに使い方や活用シーンは異なるので、3つを覚えておき、時と場合に応じて使い分けがでできるといいでしょう。データ抽出が必要な場面で、積極的に活用してみましょう。
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