昼寝が集中力を上げる! パワーナップ(積極的仮眠)のすすめ

ヤフー、アップル、マイクロソフト、三菱地所などの大企業が取り入れている仮眠制度。パワーナップ(積極的仮眠)と呼ばれるこの“昼寝”を取り入れたことで、「生産性が上がった」という声も多く聞かれます。今回は集中力や生産性を上げてくれる「仮眠の方法」について、睡眠の専門家・古泉典彦さんに教えていただきました。

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短時間のパワーナップをとると作業効率が上がる!

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パワーナップとは、昼寝やうたた寝など短時間の睡眠をあらわす「ナップ」と、パワーアップを掛け合わせた造語で、日本では「積極的仮眠」と呼ばれています。NASAの睡眠研究によって、集中力を維持させる科学的な効果が明らかにされており、昼に26分間の仮眠をとると認知能力が34%、注意力は54%向上したと報告されています。

日本でも厚生労働省が公表している『健康づくりのための睡眠指針2014』において、短い昼寝は作業効率のアップに効果的であると示されています。このパワーナップがもたらす主なメリットは次の5つです。

  • 疲れが取れる
  • 判断力・理解力・集中力が上がる
  • やる気がアップする
  • 自由な発想が生まれやすくなる
  • 作業効率が上がる

夜間の本睡眠は眠りの深さに応じて「ステージ4」までの4段階に分けられますが、パワーナップは軽い睡眠レベルの「ステージ2」まで。脳内の情報が整理され、パソコンの「再起動」のように、脳をリフレッシュさせる効果があることが研究で明らかにされています。

つまり、午前中の業務で疲れた頭をいったん休ませることで、午後の仕事にまた全力で取り組むことが可能になります。ただし、仮眠時間が30分以上になると本睡眠に到達してしまい、起きた時に頭がぼーっとした状態に。パワーナップは15〜30分の短時間にすることが、午後の作業効率アップにつながります。

IT系や製造業はパワーナップの導入に積極的。そのワケは?

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「社内の生産性を向上させたい」「社員の事故防止に役立てたい」と考える企業は、パワーナップを積極的に導入しています。

パワーナップを導入している企業を業種別で見てみると、断然多いのはIT系(※)。人材不足に悩むIT企業は、体調不良で社員が休職しても代わりが見つからないケースもあり、事前対策としてパワーナップが採用されています。

次に導入数が多いのは、製造業(工場)です。ライン作業で1日中繰り返し作業に取り組んでいる場合、時間が経つにつれて集中力が低下してしまいます。失敗が1つでもあると問題箇所を探すために全行程を調べる必要があります。そのミス自体を減らすためにもパワーナップは効果的です。

昼間の仮眠だけで集中力が高まることもありますが、生活習慣が不規則な場合、まずは夜間の本睡眠をしっかりとる必要があります。仮眠を昼間に何度とっても、本睡眠が足りないと注意力が散漫になってしまうので注意が必要です。

※「快眠デザイン研究所」が行った睡眠研修とコンサルタント業務による業種別導入数。

効率的な仮眠をとるための6つのポイント

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パワーナップの時間は、起床から8時間後が最適です。人間の脳は24時間周期の体内時計(サーカディアンリズム)の影響で、起きてから8時間後に眠くなるリズムが備わっています。つまり、起きる時間が6時なら14時ごろに仮眠をとるのがオススメ。そのため、少し早起きして午前5時ごろに起床すれば、ランチ後の眠気と体内時計が合わさるので仮眠には絶好のタイミングです。15時以降の仮眠は、本睡眠に悪影響を与えるので避けるようにしましょう。

また、効率的に仮眠をとるために次の4つを心掛けましょう。

  1. もたれかかった姿勢、または椅子に座ったまま伏せて寝る。なお横にはならないように。
  2. 仮眠は30分まで
  3. 15時以降の仮眠は避ける(夕方の仮眠は特に避けましょう)
  4. 仮眠の前にカフェインをとる

横になると本睡眠に入ってしまうので、何かにもたれかかって仮眠をとるようにしましょう。また、外出先では車の中で仮眠をとる人が多いと思いますが、シートを深く倒してしまうと睡眠が深くなってしまうので、少し倒した30〜45度ぐらいにしておくことがポイントです。

そして仮眠する前にはコーヒーなどカフェインが入っているドリンクを飲むことをオススメします。カフェインが体内に吸収されるのは飲んでから15〜30分後。仮眠後にちょうど覚醒効果が表れ、きちんと目覚めた状態で午後の仕事に取り組めます。

また、仮眠時にはリラックス効果が得られるアロマを利用するのも効果的。リラクゼーション効果が高いラベンダー、カモミール、ティートゥリーなどの香りを選べば、気分がリフレッシュして午前中に溜まっていたストレスも軽くなります。

パワーナップ(積極的仮眠)を取り入れて、毎日の集中力をパワーアップさせてみてはいかがでしょうか。

 

取材協力=快眠デザイン研究所
文=平原健士(iPPON COMPANY GROUP)
編集=野田綾子+TAPE 

【監修者プロフィール】

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古泉典彦
快眠デザイン研究所代表
大学卒業後、呉服チェーン店に入社。その後、実家の寝具呉服店を継ぐため退職し、老舗寝具店から「眠り屋」として、こだわり寝具専門店へ業態転換させることに尽力。2019年2月「人にさらなる快眠を」という想いから快眠デザイン研究所を設立。快眠を普及させる「睡眠専門家」として、全国で研修を実施。 

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