どうせはたらくなら「ワクワク」したい!ダンスユニット・エグスプロージョンが再定義した「はたらくこと」

「本能寺の変」など史実をもとにしたユニークなダンスで人気を集める2人組ダンスユニット「エグスプロージョン」。ダンサーとして活躍している2人にとって、「はたらくこと」はどのような意味を持つのでしょうか。前編では、結成から今日に至るまでを振り返っていただき、ダンスを仕事として続けてこられた理由について考えていただきました。

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 ※インタビュー後編はこちら

ダンサーとして目標を達成するために変わり続けること

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ーー2002年から活動をスタートさせて、もうすぐ結成20年。ひと言では語り尽くせないほどさまざまなことがあったんじゃないかと思います。

まちゃあき:そうですね。山あり谷ありとはよく言ったものだなと思います。

ーー活動を始めてから考え方に変化はありますか?

まちゃあき:それが意外と変わってなくて。ダンスでみんなを喜ばせたいという気持ちがずっとあって、そのためのアビリティとして「ダンス」という能力が備わっているイメージなんですよね。

おばらよしお:もちろんダンスだけでなく、お芝居をしたり、トーク力を磨いたりってことはしているんですけど、根幹にはダンスがあって、その部分だけはずっと変わっていない気がします。

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まちゃあき:ただ、いろんなことに挑戦するうちに目指すものは変わりました。

おばらよしお:柔軟になったよね。以前はもう少しトゲがあったというか。「いや、俺らダンサーだし」と言って突っぱねることも多かった気がします。でも、今は「こういうことも必要だよね」「こういうことした方がいいね」って思える。

ーー昔の方がこだわりが強かったということでしょうか?

まちゃあき:いや、こだわりは常に持っているんです。どちらかというと、戦い方が変わった感覚に近い気がします。もともと僕たちはダンスシーンで有名になりたいと思っていたんですね。

ただ、知名度が上がっていくごとに一般の人には届かない壁を感じて。そのことをきっかけに登っていた山を下りて、違う山を登ってみようと考えるようになったんです。

目標に向かっていくために繰り返した逡巡

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ーーどうしてそんなに柔軟に変わることができたのでしょうか?

まちゃあき:明確な目標が持てたからだと思っています。漠然とした話になってしまうのですが、僕たちはさんまさんになりたいんです。日本中に知られるタレントになりたい。そのために活動をスタートして、2005年頃には「スーパーチャンプル」というダンス番組で12週連続で1位になって初代「殿堂入り」をすることができました。でも、それでこのままではダメだと思ったんです。

ーー1位になったことで安堵できなかったんですね。

まちゃあき:予測はある程度していたんですけれど、ダンスシーンって良くも悪くもすごく狭い業界なんですよね。だから、一部の人には知られているけど、それ以外の場所だと誰も僕たちのことを知らないみたいなことがけっこうあって。

おばらよしお:「知られないと意味がない」と実感したよね。実は僕たち、「スーパーチャンプル」が終わってから迷走していた時期があったんですよ。バンドを組んだこともありました。音楽という共通項があるならやれるだろうって(笑)。

あとダンスの全国ツアーを回ったこともあります。ダンスのショーって短いものだと2〜3分、長くても10分くらいがスタンダードなんですけど、そのときは2時間の演目を組んで。

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まちゃあき:やったね。2010年頃にお笑いの感覚を学ぶために「よしもと」に入ったんですけど、直後にツアーで全国を回れって言われて。僕たち自身、ツアーをやることに最初は懐疑的だったんですけど、最後は「やってやらぁ!」という気持ちでやりました。

結果として集客はそこまでできなかったんですけど、自分たちのなかで大きな気付きがありました。自分たちはやっぱりダンスしかないなって。それでYouTubeを始めることにしたんです。テレビに簡単に出られるわけではないですし、自分たちのことを知ってもらうにはここしかないなと。

ーーそれで「本能寺の変」という人気コンテンツが生まれたわけですね。

まちゃあき:でも、最初は無風でしたよ。平均再生回数は1000回いくかいかないかくらい。ちょうどその頃、親友の「8.6秒バズーカー」が「ラッスンゴレライ」で女子高生に大人気で、50万回くらい再生されてたんですよ。それで僕たちも再生回数の鬼になろうとして作ったのが「本能寺の変」でした。

どんな仕事にもワクワクを見つけるのが大切

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ーーさまざまなことを経験した結果として、お二人にとって「はたらく」とはどういうものなのでしょうか?

まちゃあき:どうなんでしょうね。そもそも僕たちは働きたくない人間なので(笑)。とはいえ、どうせ働くなら自分たちのやっていることに誇りを持ちたいし、ワクワクもしたい。だから、どうしたら人生が豊かになるのかをすごく考えて行動するようにしています。

おばらよしお:もしかしたら働くという感覚をなくしていくことが、どんな仕事でも共通して大切かもしれないですね。そのためには、自分がワクワクできるポイントを探すことが大事だと思います。

それが自分にとってやりたい仕事ではなくても、ワクワクしているときって時間を忘れてるじゃないですか。そのときの人間のエネルギーってすごく大きなものですから。

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まちゃあき:僕たちはステージに立ち続けることが目的になっていますが、やりたいことが見つからない人はお金を目的にしてもいいと思うんですよね。「稼ぐためには?」って真剣に考えてる人って、そこまで多くないと思っていて。

そういうことを言うと煙たがる人がいるかもしれないですが、絶対に大切なことだし。本気で考えてみると、人生が変わるかもしれないですよね。

ーーお二人がダンスを続けてこれた理由がわかった気がしました。

まちゃあき:結局はダンスが好きで好きで仕方がないんですよね。辞めるのがもったいないし、辞めて同じくらいワクワクすることを見つけ直すのも嫌だし。

おばらよしお:意固地だったから良かったのかもしれないですね。とにかく大事なことは続けること、止まらないこと。そのための手段をずっと考えてくれていたのが、まちゃあきで。

ご飯を食べていかないといけないけど、ダンスはやめたくない。そのためには売れるしかないよねって腹をくくれたというか。僕は20年間ずっとそれを見てきていた気がします。

インタビュー後編はこちら↓
チームにはリーダーとメンバーが存在する。成功のカギは「それぞれの役割」

【プロフィール】
エグスプロージョン(えぐすぷろーじょん)●2002年結成。吉本興行所属のまちゃあき、おばらよしおからなるエンタメダンスユニット。ダンス番組で初代殿堂入りを果たした元祖エンタメダンスユニットで、毎年ライブツアーをおこなっている。また、YouTubeチャンネル「エグスプロージョン チャンネル」では、歴史を題材にした「踊る授業 シリーズ」の「本能寺の変」が小中高生の間で話題となり、総再生数は6,800万回を超える。そのほか、アーティストへのダンス振付けから、役者としての芝居出演、イベントMC、小・中学校でのダンス講師まで、幅広くマルチに活躍している。

取材・文=村上 広大
写真=加藤謙樹
編集=山田卓立

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